ITソリューション企業総覧2014Web
ユニテックス

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07_クラウドコンピューティング/ICT基盤 ITソリューション企業編

4KTV放送現場に革新呼ぶ
ポータブルLTO映像アーカイブシステム
「HandyLT」


ユニテックス

www.unitex.co.jp/


 アーカイブシステムで業界を牽引するユニテックスが、本格期を迎える4KTV放送時代に、現場担当者に衝撃を与えるほど利便性豊かなポータブルLTO映像アーカイブシステムを投入、大きな関心を呼んでいる。「HandyLT」と呼ぶこのアーカイブシステムのニューフェイスは、大容量の4K映像であれ、撮影現場の担当者に、高品質で効率的なアーカイブ作業をもたらす、まさにユニテックスの25周年を象徴するソリューションとなっている。

アーカイブ技術の要“LTO”と“LTFS”
~大容量、長期保存、エコが前提~

 アーカイブシステムに伴う主要技術をおさらいしたい。アーカイブには、大容量の映像データを長期間、安全にしかもエコも加味した状態で保存可能なことが必須条件だ。

 その媒体として今、LTO(Linear Tape Open)テープ装置が断然、映像業界では信頼の座を勝ち得ている。LTOは、IBMをはじめHewlett Packard、Seagate Technologyの3社が策定した磁気テープ記録の規格だ。現在、大容量化(Ultrium)フォーマットによる製品が市場で販売されている。このフォーマットは、G(Generation)8までのロードマップが公開されており、現在G6まで製品化されている。圧縮の場合G1(200GB)、G2(400GB)、G3(800GB)、G4(1.6TB)、G5(3TB)、G6(6.25TB)、G7(16TB)、G8(32TB)となっている。そしてLTO5(G5)の登場を契機にテープファイルシステムの規格がLTOのコンソーシアムで誕生、これがLTFS(Linear Tape File System)と呼ばれる世界規格となった。周知のように、これまでテープへの書込み・読出しはシーケンシャルな手法によるもので、操作性や作業時間の面で、現場担当者にはつらいものがあった。それがLTFSのおかげで、テープデータでも接続した端末画面を見ながら、まるでハードディスクのような操作性でデータアクセスと管理が可能となったのである。したがって、ドラッグ&ドロップなど、一般的なファイル/フォルダ操作で簡単にLTOテープへの読み書きができるし、LTFSフォーマットにより、異なるOS間におけるデータ共有もできるようになった。現在、LTFSベンダによる団体は、ユニテックスも含め合計24社(うち日本ベンダは3社)となっている(2014年2月末現在)。

 いまTV放送技術は、これまでの最高画質フルハイビジョンから4Kと呼ばれるさらに高精細画質への移行が始まっている。これに伴い、アーカイブ技術も当然4Kへの対応が望まれる。たとえば、フルハイビジョンがおよそ横2000×縦1000に対し4Kが同4000×2000という画素数であるから、4K対応にはさらなる大容量化が不可欠となる。これをデータ容量で表すと、フルハイビジョンの4倍なので、2時間映像の場合、約500GB(バイト)必要な計算だ。現実にTV放送業務の場合さらに大容量となり、仮にハードディスクに保存する場合、通電が必要で、地球環境を考えると気になるところだ。これが、容易に棚に保管できるLTOの場合、エコの面でも貢献できる所以である。

撮影現場の活動範囲を格段に拡大させるポータブル型「HandyLT」
~CPU内蔵型も投入~

 ユニテックスのLTO製品はこれまで、PCと接続可能なUSBインタフェース、あるいはPCはもちろんサーバとも接続可能なUSBとSASインタフェースを備えた「LTFS LT50/60」が業界で知られている。しかし、ここにきて新たにポータブル型「HandyLT」を投入、現場ユーザの活動範囲および利便性を、格段に拡大させることができるようになった。

(1)HandyLTの卓越した現場機能

 新しいHandyLTには、現場ユーザにとって、さらに魅力ある機能が備わっている。

 ユニテックス代表取締役社長土田義徳氏はまず「Mac OS XおよびWindowsに対応し、かつ世界初のUSB3.0接続を可能としたLTO6を搭載しています」と最大の特徴をアピールする。最近のTVカメラは、128GBといったメモリカードを搭載しているタイプが多い。128GBの場合、4K映像は30分程度収録できる。実は、この種のカードは高価で十数万円するようだ。それが、内容によっては30分には収まらない場合も多々あるから、予め複数カードを用意しなければならず予算的に決して楽な負担とはいえない。そこで「HandyLTをお使いいただきますと、カードに収録した映像を現場でLTOテープへすべて移行できますので、カードを再利用して撮影ができるのです」と説明する。すなわち、LTO6対応だから容量は2.5TBであり、4K映像が約9時間分保存できることになる。このコストパフォーマンスのよさは大きい(図1)。

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図1 メモリカードの再利用が撮影現場での活用範囲を拡大

 

 また、内部ストレージとして標準512GBのSSDを搭載し用途に合わせて2TBまで拡張可能である。これは、LTOに移行する前に一度SSDに移行させるなど二次利用の便宜をはかるためである(後述)。実は「USB3.0ポートはホスト用以外に4口搭載しているので、複数のメモリカードリーダ等を接続し、簡単な操作でLTFS一括アーカイブが可能です」と飛躍的な現場の作業性向上も土田氏は強調する。メモリカードは、SxSメモリカード用リーダライタまたはP2メモリカードドライブの内蔵が可能だし、オプションで搭載メモリリーダはSRMemoryをはじめCF/SDなども可能である。他に、予備LTOテープ2本分の収納スペースも確保、サイズ20.0cm×20.0cm×36.0cm、重量7~8kgとポータブル性に富み、電源はDC12VでAC駆動である。

 さらに、ユニテックスでは、サイズ23.6cm×10.8cm×26.4cmの小型、世界最軽量5kgのCPU内蔵タイプHandyLTも用意している(写真1)。

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写真1 新HandyLT

 

 土田氏は「これはユニテックスが25周年を契機に、よりグローバル企業戦略を強化すべく、2014年4月に米国ラスベガスで開催の世界最大の放送機器イベント「NAB」(National Association of Broadcasters)で初めて披露するものです」と並々ならぬ意欲を示す。いま、欧米を中心に、2016年のオリンピック開催国ブラジルなどの映像業界から問い合わせ殺到中だ。これは、ユーザの要望に基づいて開発した現場主導型で、PCなしでもLTOにアーカイブできる。メモリカードリーダ外部接続用USB3.0ポートが6個、USB2.0が4個の合計10個、1Gb Ethernetが1個のインタフェースがついた多機能追究型でもある。同時に、Wi-Fi接続でスマートフォンやタブレットによる操作もできるようになった画期的ソリューションだ。

 また、撮影現場への搬送に便利なHandyLTとモニタ、キーボード、マウスの一式が収納できるHandyLT専用キャリングケースも用意している。

(2)25年の歴史で培われたソフト機能

 ソフトウェアの優れた機能もみのがせない。

 第一が、前述したLTFSアーカイブ機能だ。これはアーカイブボタンを押しさえすれば、複数メモリカードの映像データをLTFSフォーマットによりLTOテープに移行でき、同時にLTOとHDDにアーカイブできる。またファイル名だけではなく、アーカイブ日時やLTO識別名、コメントも検索情報として管理可能となっている。

 第二が、LTFSベリファイ機能だ。これは、アーカイブしたデータをすべて読み出し、記録メディアのデータと完全一致しているか否かを確認できる。このとき、ベリファイ機能有効時は、データアーカイブ後自動的にベリファイを実行するために、アーカイブ後にベリファイを実行するような操作は不要となっている(図2)。

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図2 LTFSベリファイ機能

 

 第三が、検索・再生機能。これは、アーカイブ管理情報のファイル名やアーカイブ日時、テープ識別名、コメントから目的とするデータを検索できる。また、アーカイブしたLTOテープにも管理情報を記録するために、他コンピュータを使用してもアーカイブ管理情報による検索・再生が可能である。さらにアーカイブデータを指定フォルダへエクスポートすることも可能である。

 第四が、LTFS映像データの再生確認。これは、もともとLTOがランダムアクセスに不向きなストレージだから、映像再生ソフトからLTO映像データを再生すると非常に時間がかかってしまう。そこで、HDDまたは内蔵SSDに映像データを一時展開することで、映像再生ソフトからストレスもなく映像データの再生を可能とする。これも担当者を意識させることなく、装置側が自動的に対応してくれる。

 第五が、LTFSオフライン管理機能である。これは、目的の映像データがアーカイブされているLTOテープをオフライン検索できるほか、バーコードリーダでLTOテープのバーコードを読みとることで、そのLTOテープにアーカイブされている映像データの一覧を確認できる。

 土田氏は「こうしたソフトウェアからみた諸機能も、ユニテックスがこの25年間、ストレージソリューションに取り組んできた実績から生まれたユーザオリエンティッドな機能であると自負しています」と感慨深く語る。

ユニテックスのLTOシステムがユーザにもたらす現場での安心感

 あるユーザが極寒地でロケを行った。その際、撮影クルーは、現場における車両内でノートPCから携行した「LTFS LT60 USB」を介して映像データを逐次LTOにアーカイブしていった。小人数の撮影クルーではあったが、現場では、LTOの機能をいかんなく発揮、上々の成果をあげることができたという。

 いま映像業界では、ビデオテープ再生機の保守終了期や保管スペースおよびコスト低減などに迫られ、ビデオテープからメモリカード等へのファイルベース化が急速に進行しつつある。さらに、フルハイビジョンから4Kや8Kへの移行ニーズとも相まって映像データの大容量化が加速、こうした傾向に追い打ちをかけている。土田氏は「LTOテープはその高い耐久性と約30年の媒体寿命をもつことに加えて、フジフィルムや日立マクセル、ソニー、イメーションなど複数メーカが製造、安定供給されているので今後も廃れる懸念がないことも魅力です。これまでLTOテープ装置のインタフェースはSASやFC(Fiber Channel)が一般的でありハードルが高く用途も限られていました。ところが、ユーザフレンドリなUSBまでサポートしているのは世界的にもユニテックスのみです」と言い切る。このことから、TV放送業界に加えて映画やCGアニメーション、広告(CM)さらには映像を多角的に活用するファッションショーほか映像業界全体で注目を集めており、映像を長期的にアーカイブしたいニーズには、ベストソリューションといっても過言ではない。

 

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