ITソリューション企業総覧2014Web
日本コンピュータ・ダイナミクス(NCD)

日本コンピュータ・ダイナミクス(NCD)

07_クラウドコンピューティング/ICT基盤 ITソリューション企業編

コスト削減を重視した
IT基盤運用最適化がもたらすビジネス革新


日本コンピュータ・ダイナミクス(NCD)

www.ncd.co.jp/


 いま企業のIT基盤運用最適化における重要な目的は、いうまでもなく運用管理コストの削減につきる。この実現には運用管理自体の一元化が、キーポイントとなる。日本コンピュータ・ダイナミクス(以降、NCD)では、顧客満足度のさらなる向上を最優先に、IT基盤運用最適化のためのシステム及びサービス提供をビジネスの大黒柱にすえている。とくにNCDは、ITIL準拠のNCD運用基準(NCD Standard-Operation Service)を適用した「IT基盤運用最適化ソリューション」という4ステップから成る対策を基軸とした取組みによって、ユーザ企業における運用の全体最適化への促進及びコスト削減をめざしているところだ。

個別最適化から全体最適化の業務へ

 大手企業を中心にこの数年、プロセスや人、物に重点をおいて運用を見直すITIL(Information Technology Infrastructure Library:ITサービス管理を実行する上での業務プロセスや手法を英国商務局が体系的に標準化したもの)が注目されている。これは、運用管理コスト削減を目的として、運用管理の一元化をめざすためだ。とくに、企業でITを進めるに際してかかる経費をみると、運用管理コストが全体のおよそ70%も占めるというから、なおさらといえよう。

 日本コンピュータ・ダイナミクス執行役員IT事業部副事業部長宮田大介氏は「企業における通常の業務は、仮にA、B、C3つの業務が遂行されているとすると、各業務要員がそれぞれの業務の上流から下流までを担当しています。この場合、該当業務がないときは、要員は業務の空き時間(待ち)となってしまい、きわめて非効率的といわざるをえません」と現状のハンディを指摘する。しかも、要員交代時には業務品質低下を避けては通れなくなり、体制も硬直化しやすくなってしまいがちだ。

 そこでこうした業務の個別最適化から全体最適化を図るべく「プロセスで業務を分割し、複数業務に知見をもつことを可能にする、すなわち業務AからCまでに縦串を通せば、業務の空き時間待ちを削減することができ、同時にサービスごとにバラツキのある業務品質を統一することも可能になります」と、宮田氏は全体最適化がもたらす大きなメリットを強調する。これで、当然コストダウンも図れるようになる、というわけだ。これがNCDのめざすプロセスの見直しに注力したITILに軸足をおいたコンセプトである(図1)。これは、NCDがいまユーザ企業に向けてアピールする「IT基盤運用最適化ソリューション」でコスト削減を実現する上で基軸となる4ステップのうち、極めて重要なステップ2に相当するものだ。

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図1 業務の全体最適化

 

 宮田氏は「こうした全体最適化を促進させることは、それほど簡単なことではありません。すなわち大手企業であればあるほど業務数が大幅に増え、上流及び下流の各行程で担当業務も増大します。そして要員一人あたりが対応すべきサービスも増えてこざるをえなくなるからです」と、全体最適化に伴う影響も指摘する。すなわち、運用チーム内における業務知識の情報共有や要員教育、業務引継ぎなどに課題が発生することがあるのだ。NCDでは、そのような状況がもたらす課題にも備えて「運用ナレッジツールの活用」や「eラーニングによるオフタイムを活用したメンバー教育」もきちんと用意している(図2)。

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図2 運用ナレッジツールとeラーニング

 

4ステップでめざす確かなコストダウン

 上記業務の全体最適化は、コストダウンをはかるために不可欠な4ステップの中でも重要なステップ2に、NCDは位置づけているので、ここでは最初に強調した(図3)。

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図3 4ステップが生み出すコスト削減

 

 それでは、残りのステップも順を追ってふれていこう。企業がコストダウンを図るために最初に取り組むべきステップ1とは、「ベンダー統合」である。

 これは、コストダウンを図る上でも、大手ユーザ企業の間では顕著な傾向になりつつあるといわれる。とくにわが国企業のIT基盤構築・運用においては、歴史的にもマルチベンダー環境に比重がかかっていることに代表されるように、さまざまなベンダーとの関係が大である。企業によっては、5~10社、大手企業では20~30社にも及ぶ場合もある。このことがもたらすユーザ企業が負担するコストは構築当初はまだしも、昨今の経済的な事情からすると決して小さいものではないはずだ。このことから、「複数の外部委託ベンダーを、単一ベンダーに集約させることこそ、ベンダー管理コスト削減への近道となります」と、宮田氏はアドバイスする。従来のそうした複数外部委託ベンダーの形態を、NCDとの業務委託契約にフォーカスさせれば、業務コスト削減に貢献できることに結び付くはずだ。

 そして、ステップ2は前述したので、ステップ3。これは、NCDのMSC(Managed Service Center)を利用しての業務アウトソーシングニーズに応えるものだ。夜間や休日作業のような作業発生頻度の少ない業務及びSPOT業務など非定常的な業務対応に関してオンサイト要員で人を確保した場合は、人数で費用が発生してしまうために効率的ではない。そこでNCDでは、必要となる費用精算の基本的な考え方として、実対応作業工数ベースを採り入れた。これによって、ユーザ企業の保守運用コストの最適化が可能となる。この、配置する人数ではなく、発生する作業高による精算方法が、ユーザ企業にとってSTEP3の大きな魅力となっている。

 またMSCでは、業務アプリケーションも含めた複合障害にも対処可能な専門技術者集団が、ユーザ企業のシステム運用部門になりかわって、24時間365日、障害監視・障害切分け・障害復旧・障害原因特定及び是正措置、アプリケーションの維持やメンテナンスを行う。ユーザ企業のすべてのITインフラを包括サポートする保守運用アウトソーシングサービスを提供するセンタとなっている。

 そしてステップ4は、業務最適化後、客先でのオンサイト業務を首都圏で行う場合は、やはり人件費等の負担を否めないというハンディに応えるものだ。仮に、客先が首都圏にこだわらなければ、NCDによるニアショアへの移管によって、さらに業務コスト削減が可能になる。NCDのニアショア拠点には、NCD福岡事業所をはじめ長崎事業所、ゼクシス大阪本社(NCDの100%子会社)がある。

さらなるコスト削減めざしてクラウドサービスを活用

 宮田氏は「実は、さらなるコスト削減をめざして、クラウドサービスであるAWS(Amazon Web Services)への移行を提案しています」と説明する。このAWSとは、米国Amazon社が提供しているIaaS(Infrastructure as a Service)型そしてPaaS(Platform as a Service)型クラウドコンピューティングサービスで、AWSで提供される各種サービスを活用することで、高可用そして高冗長性構成システムを、短期間かつ安価に構築することが可能となる。

 さらに「AWS専用コンソール(NCD製)を利用すれば、サーバのON/OFFを自動化でき、夜間や休日などアプリケーションを利用しない時間帯にサーバを停止させることにより、利用料金をさらに押さえられます。これは、Amazonの時間課金によるメリットです」と宮田氏はいう。表1に、IDC(Internet Data Center)の維持コストがAmazon利用でどこまで下げうるのかという例を示した。Amazon移行前の年間維持コストは年間1510万円であったものが、移行後はなんと230万円まで削減できた。実に、85%の圧縮(監視及び運用費用は別)が実現できるのだ。

 一方、セキュリティ面でも、AWS上に構築したVPC(Virtual Private Cloud)環境と社内LAN環境を、IPSecVPNで接続することで、セキュアながらも利便性の高いクラウド環境を自由に活用できるようになっている。

 宮田氏は「IT基盤運用最適化ソリューションをお客様に提供できるまでには、ITILに準拠した運用を進めるために1年半かけてNCD運用標準を作成してきました。いま、このスキームに則ってソリューション展開に精力的に取り組んでいます。お客様には、ここでの4つのステップでトータルコストを30%削減していただくことを目標にしています」と、展望を語る。これまでにNCDのユーザ企業である大手製造業や金融機関なども、特に前記4ステップが自社ニーズにあっていると好評価、着実に成果をあげているという。

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表1 クラウド利用によるIDC維持コスト削減効果

 

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