ITソリューション企業総覧2014Web
電算システム

電算システム

06_ICTサービス・サポート ITソリューション企業編

クラウドサービスの提供拠点
~モジュール型データセンターで
 ホスティングを中核にサービスを拡充~


電算システム

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 情報処理サービスを主軸においたビジネス展開を繰り広げるITサービスのビジネス環境下では、これからの多様化するクラウドニーズにこたえていくために、データセンターの構築が不可欠、しかも自前で確保することが重要と判断した電算システムは、このほど岐阜県大垣市の設備に加えて、新たに同県土岐市に「東濃データセンター」を竣工、運用を開始した。このデータセンターは最先端のモジュール型構造を採用したことが、大きなセールスポイントとなっている。

急伸する情報処理業務を支援する東濃データセンター

 クラウドコンピューティング及びアウトソーシングに関わるニーズ増大が加速するに伴い、データセンターへの需要が高まってきた。情報処理サービスの老舗、電算システムではこれまで、岐阜県大垣市の大垣データセンターをバックに、そうしたニーズにこたえてきていた。同社は「大垣データセンターも稼働率が約90%にまで達し、間もなくフル稼働状況に到ることから、土岐市の工業団地内に新たにモジュール型データセンター「東濃データセンター」を設立させ、さらなるニーズに応えるため運用を開始しました」と、新データセンター構築の背景を説明する。ここが、同社におけるクラウドサービス提供のための新拠点に位置づけられている。

 同社は、1967(昭和42)年、岐阜県下の民間企業や諸団体を対象に情報処理受託業務を主目的として、地元の4銀行並びに主要企業の共同出資による株式会社岐阜電子計算センターとして設立された。その後、民間企業としては全国初の口座振替サービスを開始し、さらにオンラインリアルタイム・サービスやPOSオンラインサービス、全国初のコンビニを窓口とした代金決済代行サービス、そして国際送金サービスほか多彩なサービスに取り組んできた。

 「このたびの東濃データセンターを運用開始したことは、当社のお家芸でもある情報処理サービスが近年ではBPO事業という形で伸展してきたことや、主力業務の決済代行サービスやアウトソーシングサービスなどの情報処理業務が急速に増大したことに伴い、データセンター利用が大幅に拡大してきたことに伴います」と、具体的に昨今拡大してきた社内からのニーズでもあることを主張する。

最新技術で装備されたモジュール型データセンター

 敷地面積12378m2の東濃データセンターには、数々の最新技術が採り入れられている。

(1)優れた耐震対策

 第一が、ビル型データセンターがもつ堅牢性とコンテナ型データセンターがもつ省コスト・省エネルギー・省スペースという二つのメリットを併せ持った、いわば“いいとこ取り”のモジュール型データセンターである点だ(図1)。

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図1 モジュール型が採用された東濃データセンター

 

 同社は「たとえば、コンテナ型は軽量鉄骨ですが、今回採用したモジュール型は、重量鉄骨構造・耐火建物による構造であり、しかも活断層のないきわめて強固な岩盤地層の上に免震基礎(すべり支承・復元ゴム)を施し設置されたので、震度7にも対応可能です。しかも、土岐市のこの地は標高250mの高台にあり、水害などからもお客様の貴重な情報を安全にお守りできます」と、いま多くの顧客が懸念をもつ地震に対し限りない対策がとられている点を強くアピールする(写真1)。

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写真1 標高250mに位置する東濃データセンター

 

(2)モジュール型構造と拡張性

 このモジュール型は、コンテナ型におけるコストをはじめ工期、そして拡張性に関するメリットをしっかり享受している。

 モジュール型をわかりやすくいうと、サーバーやストレージ装置などIT機器や冷却装置などを小規模単位でコンパクトな筐体の中に、機器稼働率が最大限発揮できるよう収納したデータセンターだ。ビル型と比較すると、収容ラック数は小さくなるが、ラックへの供給電力は増大化が図れ、機器集約率も向上し、ラック単位の収益力は向上する。可能ラック数は、1モジュールあたり10ラックであり、合計ラック数は第1期分5モジュールなので、50ラックとなる(写真2)。

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写真2 機器集約率を高めたモジュール型データセンター

 

 とくに拡張性は、「このたびの第1期分工事では、5モジュールの構築が決定され、2013年11月の竣工時ではまず3モジュールからの運用がスタートしました。ですが、最終的には10モジュールまでの拡張性に耐えられるよう設計されています」と、この先のニーズをも念頭においたプランニングであることを強調する。

(3)エネルギー対策

 エネルギー効率は高い冷却効率のエコ対応でPUE(Power Usage Effectiveness:電力使用効率指数)1.2以下に照準を合わせ、モジュール単位での拡充や、貸切り対応などにも可能だ。

 また、データセンターにとっての、もう一つの生命線である供給電力は、異なる発電所からの2系統受電や冗長化した電源設備、非常用発電器(写真3)、インターネット接続回線の冗長化など、JTier3相当の設備と運用体制で臨んでいる。

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写真3 非常用発電機

 

 表1に東濃データセンターの主な仕様を示した。

表1 

 設備概要

 敷地面積:12,378m(総面積/19,166m2

 建物:管理棟、UPS棟、モジュール型DC(免震対応)

 地震対策

 強固な地盤に設置

 免震基礎(すべり支承・復元ゴム)震度7クラスに対応

 水害対策

 高台に設置(標高250m)

 落雷対策

 避雷導体を建物全体に設置

 避雷導体を建物全体に設置

 受電設備の等電位接地

 ネットワーク

 異キャリアによる回線冗長

 電気設備

 受電容量2,000kVA中部電力の異なる変電所から2系統で受電

 非常用発電 無給油運転24時間
 ※災害時優先供給契約を締結済み

 無停電電源装置(UPS)N+1冗長構成
 バッテリー保持時間/約20分

 消火設備

 窒素系ガス消火設備

 セキュリティ

 侵入検知、監視カメラ、入退管理を完備

 24時間有人による監視

 各種認証

 プライバシーマーク

 JTier3相当

 保守運用体制

 24時間365日の有人運用による機器の監視、
 電源オン/オフ、ランプ確認、障害時の機器交換

 付属設備

 クライアントルーム、会議室

 

東濃データセンターで提供される代表的なサービス例

 同社は東濃データセンターにおける役割について「お客様にサーバーやネットワークを自由に利活用いただけます。当社のホスティングサービスを基軸に、この上でプライベート/パブリック双方のクラウドサービスを、目的に合わせた組み合わせでご利用いただくことができたり、また、当社オリジナルのサービスもご利用いただけるようなビジネス展開をめざしていきます」と語る。

 同社サービスでは、仮想専用サーバー「BizGr@nd(ビズグランド)」が用意されている。これは、物理サーバーと同等な安定性能を発揮してくれる性能確保型の仮想専用サーバーを提供するというものだ。標準のゲストOSは、Wnidows ServerやRed Hat Enterprise Linux、Cent OSが用意されている。仮想化技術には、Hyper―Vが採用されており、バックボーンには1Gbps回線が用意されている。

 ファイル転送サービス「BizTr@nk」は、インターネット環境さえあれば、安心・安全・安価に取引先とのデータのやりとりが可能なSaaS型アプリケーションサービスとなっている。

 セキュリティサービス「BizSecu@Screen」は、メールの誤送信対策やログ/アーカイブ機能などを提供する企業向けのクラウド型メールセキュリティサービスである。

 そしてリモートバックアップサービスである「DCCクラウドキャビネット」は、秘密分散技術を使って、顧客の重要な情報を日本各地の複数クラウドセンターに遠隔地保管させるというものだ。一ヶ所のデータセンターで被災や障害が起きてもデータは復元され、事業継続を可能としている。

今後のプランニング

 このモジュール型構造の東濃データセンターは、日本のほぼ中央に位置し、名古屋からでも車を使えば45分で行くことができる位置にあり、このことからのニーズはますます高まるものと予想される。

 今後の増設は、このたびのデータセンター基盤整備によって、最新機能を備えたモジュールを省コストで短期間に構築が可能なために、需要に合わせたスピーディな稼働及び、手堅い投資の回収も可能としている。
 また、この好立地性をいかして、今後の需要に応じ敷地内へのビル型サーバー棟の建設も計画しているそうだ。

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