ITソリューション企業総覧2014Web
日本オラクル

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04_情報活用 ITソリューション企業編

マーケティングオートメーションプラットフォーム「Oracle Eloqua」で、長期的な案件育成を支援する


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www.oracle.co.jp/


商談が成立しなかったリードにこそ価値がある

 企業がなんらか製品やサービスを購入する際、どれを選択するかの判断に以前は営業担当からのアプローチが重要だった。ところが今は、営業担当が顧客に会う前にすでに勝負はついてしまう。顧客は自らインターネット上の情報などを参考にベンダーや製品を評価し、購買製品やベンダーを確定してしまうのだ。

 つまりここ最近は、購買という行為にマーケティング要素の影響度合いがどんどん増えているのだ。そのためベンダーではマーケティング部門のトップが、製品売り上げの責任を求められるようになった。そういったビジネス環境の変化の中で、CRMやSFAといった従来の営業支援のアプリケーションは、どちらかといえば商談以降の営業活動や顧客管理を効率化する仕組みだ。商談より前のマーケティング活動を、効率的に管理、運用する仕組みはあまりない。

 ところで、一般的な商談成立までの流れは、まずはセミナーや展示会、ネット広告などでリードを収集するところから始まる。集まったリードの中から、数カ月以内に購買の可能性があるものを抽出する。それを、営業リードとし、営業担当者が商談活動を行い受注に至る。マーケティング活動で集められるリードのうち、営業リードとなるものが20%程度もあれば多いほうだろう。その20%のうちの30%程度が、実際に受注に結びつくかもしれない。

 そうなると、最初のマーケティングリードの80%は、営業にはフォローされない。また、営業がフォローした20%の中にも、商談に結びつかなかった70%がある。これら、数カ月以内に商談に結びつかなかったリードは、たいていの企業では取り残され、その後継続してフォローされることは少ない。

 ところが、商談に結びつかなかった70%の営業リードのうちの80%は、その後2年以内に競合他社から製品を購入しているという調査結果がある。つまり、結果的に商談に結びつかなかったリードの中にこそ、将来の売り上げにつながる、貴重な顧客が含まれているのだ。

 しかしながら、多くの営業担当は4半期など短期で売り上げ数字を上げなければならず、すぐに商談に結びつかないリードを継続的にフォローするのは難しい。一方でマーケティング担当にしてみれば、せっかく苦労して集めたリードが、営業担当によりきちんとフォローされず、歯がゆい想いをすることに。

 そこで必要となるのが、すぐに購買に結びつかないリードをマーケティングで長期的にフォローし、案件育成を支援する活動だ。これを「マーケティングオートメーション」と呼び、すぐには購買には至らないリードに対し、継続的に最適なマーケティング施策を実施して確実な購買へとリードを育成するのだ。

属性と行動履歴でスコアリング

 このマーケティングオートメーションを実現するのが、「Oracle Eloqua」だ。マーケティングキャンペーンフローの構築から管理、オンラインの行動履歴管理、プロファイルと行動をもとにした顧客のスコアリング、多彩な分析による効果測定といったことが可能となっている。クラウド型のサービスなので、必要な設定をするだけですぐに利用可能だ。これを活用することで、適切なマーケティングと営業の連携が実現できる。

 従来のCRMツールは、その多くが顧客プロファイルに基づいて顧客をセグメント分けするものだ。これに対し「Eloqua」は、行動履歴を確実に捉え、それと顧客属性データを組み合わせて顧客をセグメント分けするのが大きな特長。プロモーションのメールを見た、Webページのどこを見た、どの資料をダウンロードした、さらにはどのセミナーに参加したといったオンライン、オフラインの行動履歴を収集し、それと顧客属性を組み合わせて購買の可能性を見極める。

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図1 スコアリング~プロファイルと行動でセグメント化~

 

 従来のツールにも、行動を加味するものはある。しかし、多くの場合、評価尺度が単純で購入の可能性が高いか低いかだけでリードをセグメント分けする。「Eloqua」の場合には、行動や属性を複雑に組み合わせてスコアリングを行う。その結果によりできあがった2次元のスコアマップをベースに、それぞれのリードの状況に合わせ適切なマーケティングキャンペーンを展開する。それにより、まだ購買に至らないという「コールド」な状態から、すぐに購買する可能性がある「ホット」な状態へと、適宜顧客を導いて行くのだ。

 キャンペーンフローの設計は、直感的なインターフェイスを用い容易に行うことができる。メール、モバイル、ソーシャルと連携をしながら、リードナーチャリング(Lead Nurturing:見込み客育成)を実現するプロセスを「Eloqua」を使って実行できる。設計したフローに沿って、適切なタイミングで適切なマーケティング施策をきめ細かく実施できるので、施策の効果も高くなる。

 フローの設計の際には、顧客の行動に重み付けをしスコアルールを決める。このルールに基づいて、施策の結果をスコアリングして顧客をセグメント分けする。さまざまな分析ツールが備わっており、それを使うことで施策の効果測定も容易に行える。結果をフィードバックし、さらに効果的な施策を計画することができる。たとえば、どのような内容のメールをどのような頻度で出せば効果的かといったことを判断しながら、マーケティング活動を進めることができるのだ。

 施策の結果、顧客の状態がどのように変化しているかも、リアルタイムに把握できる。それにより、その顧客がいつ商品を買いそうかが明らかになる。いつ買うかがわかることは、営業にとってはきわめて大事。それが営業活動の大幅な効率化につながる。

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図2 分析~さまざまな分析レポートで効果測定~

 

人にフォーカスし長期的に見込み客へと育てる

 「Eloqua」を採用した企業の売り上げが、導入前に比べ平均して35%程度上がったという実績もある。プロフェッショナルサービス企業では、平均リード創出率が6.6%から13.8%へと倍以上に向上した例もある。ソフトウェア、製造業、金融、サービス、通信、エンターテイメントなど「Eloqua」が効果を発揮する業種、業態は多岐にわたる。

 とはいえ、すべてのビジネスでこの方法が有効とは限らない。基本的には、検討から購買に至るまでに数カ月から1年と、時間がかかる商材であること。または、商談単価が高いもの。購入後にもアフターフォローの必要性があり、買い換えなどが発生するものの場合に効果を発揮しやすい。つまり、長期にわたり、ベンダーと顧客の関係性が続くものだ。

 BtoBのビジネスで事例は多いが、BtoCでも「Eloqua」を活用している事例はある。自動車メーカーの事例では、顧客との継続的で良好な関係を維持することで、ライフサイクルマーケティングを実現している。結果的に営業プロセスの見直しが行われ、営業コストの削減が実現した。

 また、プロスポーツチームの例では、ソーシャルメディアを活用したマーケティング革新が行われた。ソーシャルメディアでのプレゼンスを広げ、ファンとの接点を増やし、結果的にチケット売り上げの増加、年間シート契約の更新率の向上など、多くの効果を上げている。この例では、たとえば好きな選手の情報を優先してファンに個別に届けたり、顧客ごとにビデオ映像を配信したり、顧客だけの割引サービスを実施したりといった施策を「Eloqua」のスコアリングをもとに実施している。このように顧客が興味がある情報を確実に届けることで、情報を見てもらえる可能性も高まり、それが購買に結びつくのだ。

 「Eloqua」は、行動履歴情報を取り込み、きめ細かい施策を管理し適切で確実なスコアリングが行えるところが評価されている。さらに、この仕組みがクラウドで提供されているメリットも大きい。導入のために、面倒なコーディングを必要としない。画面上で設定をするだけですぐに使えるのだ。コンタクト数により変化するが、1カ月の利用料金も20万円からと安価な設定となっている。これにより、スモールスタートができる点も評価されるポイントだ。

 また、クラウドなので各社が実施しているキャンペーン実施結果も蓄積される。そこから、業種別のキャンペーン成功率などの統計数値も導き出され、それと比較することで自社のキャンペーンが業界の中でどのような位置づけにあるかといった評価も可能だ。これらの値を参考にすることで、独りよがりな施策ではなく競争力のある施策を設計、構築することにもつなげられる。

 単にリードをふるいにかけ、スコアの高い人だけをフォローするCRMの仕組みならば他にもある。しかし、長期的にリードを育成し、確実に売り上げに貢献するツールは少ない。「Oracle Eloqua」は前者のツールとはそもそも位置づけが違うものであり、人にフォーカスしその人を確実に見、顧客へと育てるツールとなっている。

 

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