ITソリューション企業総覧2014Web
富士通マーケティング(FJM)

富士通マーケティング(FJM)

01_総合システム構築 ITソリューション企業編

時代の変化に対応できる力強い会社へ


富士通マーケティング(FJM)

www.fjm.fujitsu.com/


 富士通マーケティング(FJM)は、富士通グループの中堅市場を担う中核会社として位置づけられている。富士通グループの持つ先進技術をベースに、長年培ってきた経験を活かして、全国61拠点に在籍する約4,000名の営業、技術スタッフが事業を展開している。また、全国400社を超えるパートナー企業との連携により、商品提案および販売力、開発力を強化。各地域の特性に合わせた共同プロモーションを実施し、タイムリーなソリューション開発とサービス提供を推進している。

 FJMの強みは、企画・コンサルティングからシステム導入後のフォローまで、ICTライフサイクル全般をワンストップで提供できる点にある(図1)。また、富士通グループのソリューションだけではなく、全国のパートナー企業が持つ多彩なノウハウやソリューションも提供できる豊富な商品ラインナップが魅力だ。

 

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図1

中堅市場のニーズに応えるクラウドサービスの提供

 中堅市場では、システム管理者やハードウェア、ソフトウェアなどを必要としない仮想基盤やSaaS系アプリケーションなどのニーズが出てきている。FJMは、ITインフラサービス「AZSERVICE(アズサービス)」のひとつとして「AZCLOUD(アズクラウド)」を提供している。また、本業にリソースを集中したい成長企業向け業務ソリューション「GLOVIA smart(グロービアスマート)きらら」やクラウド型公共図書館業務サービス「WebiLis(ウェブアイリス)」など業種ソリューションについてもクラウドサービスに対応し、お客様のシステム運用負荷の軽減や事業継続、セキュリティ対策などを支援している。

お客様のITに関わる全て(A~Zまで)をお手伝いするソリューション「AZSERVICE」

 中堅市場向けITサービス「AZSERVICE」は、大きく分けて5つに分類される(図2)。ハード、ソフト、設定作業をオールインワンで提供する「AZBOX(アズボックス)」、中堅市場向けクラウドサービス「AZCLOUD」、IT利用者および管理者向けのヘルプデスクやシステム監視などを提供する「AZSUPPORT(アズサポート)」、拠点間通信に必要な環境を仮想私設網(VPN)サービスとして提供する「AZNETWORK(アズネットワーク)」、オフィスを最適化する「AZOFFICE(アズオフィス)」など、いずれも「AZ(アズ)」ブランドで統一され、価格表示もわかりやすく定額制としている。

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図2

 中核となる「AZBOX」は、災害・障害対策や情報共有など約20種類のアプリケーションをニーズに合わせて、必要なシステム環境とともにセット化して提供する。システム構築(SI)で培ってきたノウハウをパターン化することで、商談から納入までの期間を短縮するとともに中堅・中小企業での利用を想定した価格帯でまとめ上げている。「到着後すぐに使えるIT」がコンセプトだ。

 この「AZBOX」の発展形として「AZBOX Hyper―V(ハイパーブイ)モデル」を展開している。マイクロソフト(MS)のWindows Serverの仮想化技術「Hyper―V」を有効にしたハードウェア(サーバ)に仮想OSと各種ビジネスアプリケーション、設定作業を施した仮想サーバを組み合わせて利用できる新しい形のITソリューションだ。FJMでは、この設定済みの仮想サーバ自体を「Hyper―V構成済みアプリケーション」と呼び、VHD(Virtual Hard Disk)というファイル形式で提供する。FJMが提供する「Hyper―V構成済みアプリケーション」を利用すれば、必要なアプリケーション環境が簡単に導入でき、スピーディに利用を開始できる。価格は通常のSIより安く、導入後にアプリケーションを追加していけば割安感が増していく仕組みだ。対応アプリケーションは、グループウェアや会計ソフト、バックアップ管理ソフトなど50種類にのぼる。

 「AZBOX Hyper―Vモデル」はクラウド対応への第一歩だ。まずは仮想化しておくことで、中堅中小企業においてもクラウドへの円滑な移行が可能となる。

 「AZCLOUD」には、「AZCLOUD IaaS(イアース)」、「AZCLOUDファイルサーバ」および「BSTS(ビステス)」という大きく3つの商品がある。「AZCLOUD IaaS」は、富士通データセンター内にある大規模な仮想インフラ基盤をお客様が必要な分だけ使える、仮想プライベートクラウドサービス(VPC)。信頼性の高いIaaS基盤にお客様ごとの独立環境を用意。事業所とクラウド環境を閉域VPN回線で接続するので、セキュリティも高く安心して利用できる。

 「AZCLOUDファイルサーバ」は、クラウドストレージにインターネット経由でアクセスすることで、簡単にファイルサーバを利用できる。また、場所や端末に依存せず、大容量のデータを迅速にやりとりできることから、特に写真や資料などを提示する接客業や営業現場などで活用でき、多様なワークスタイルに対応している。

 「BSTS」は、月額500円(税抜)のクラウド型ウイルス対策サービス。FJM側でウイルス感染状況を監視し、定期的に状況を通知する。万が一の感染拡大時には専門技術者を派遣し、感染拡大の阻止と復旧作業を支援するオプションサービスもある。

 「AZSUPPORT」の主力商品となるIT運用サービス「IT用心棒」は、「ヘルプデスク(窓)、システム監視(見)、トラブル対応(助)、運用代行(代)の4人の用心棒がお客様のITを見守り・助ける」というコンセプトだ。システム監視では監視装置を設置し、サーバやネットワーク機器を遠隔監視。トラブル対応ではサーバやネットワーク機器のトラブルに専門技術者が対応する。

 「AZOFFICE」は、監視カメラや入退室管理、免震装置など工事が必要なシステムをオールインワンで提供するソリューションだ。2013年11月から、サーバルームが不要でオフィスの一角に簡単に設置できる高セキュリティなクーラー搭載型ラックを活用した「AZOFFICEクール&セキュアラック導入パック」と、オフィスづくりの企画段階から現状の見える化と改善に向けた独自の診断・コンサルティングサービスを提供する「AZOFFICEオフィス環境ES調査サービス」の2つの新サービスを提供している。

 東日本大震災以降、企業の事業継続・災害対策への関心は高まった。そこで、2012年から「AZSERVICE簡単事業継続ソリューション」の提供を開始。Windows Server 2012の機能とクラウドとの組み合わせにより、事業継続・災害対策を低コストで実現する商品だ。お客様のデータをクラウド環境へ手軽にバックアップ可能な「AZCLOUDバックアップ」と仮想化システムを丸ごとクラウドへ自動複製しフェイルオーバーが可能な「AZCLOUDサーバレプリケーション」の2種類を品揃えしている。

多種多様な業種業務に対応したソリューションを提供

■統合業務ソリューション「GLOVIA」

 FUJITSU Enterprise Application「GLOVIA(グロービア)」は、1996年6月の発表以来高い評価を頂き、全世界1万5千サイト以上のお客様にご採用頂いている(図3)。お客様での豊富な構築実績と富士通社内実践を通じて蓄積したノウハウをベースにして、富士通および富士通グループ会社が開発している。

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図3

 GLOVIAシリーズは、統合ソリューション「GLOVIA smart」、SaaS(ソフトウェア機能のサービス提供)型でも提供可能な「GLOVIA smartきらら」、グループ経営統合ソリューション「GLOVIA SUMMIT(サミット)」などをラインナップしている。FJMではお客様の要望に応じて、適切なソリューションを選択して提供している。

 例えば会計ソリューションの場合、管理会計が中心ならば「GLOVIA smart」、財務会計に簡単な管理機能を付け、さらにSaaSでの導入も可能にしたのが「GLOVIA smartきらら」、企業グループレベルで大規模かつ詳細に戦略的な活用を行うならば「GLOVIA SUMMIT」となる。

 「GLOVIA smart」は会計、人事などの共通業務ソリューションと、製造業、小売業、卸売業、サービス業などの販売管理・生産管理の業種別ソリューションによって体系化されている。

 共通業務ソリューションでは、日本固有の税制や商習慣を踏まえ、IFRS(国際会計基準)に対応するとともに、M&A(合併・買収)の結果、複数の会社にまたがった経営情報や人材情報の管理に対応する機能を持ち、クラウド環境でも活用できるように月額の料金体系も提供する。

 一方、「GLOVIA smartきらら」は、会計、人事給与、販売管理を同一基盤で開発し統合データベースで提供できる統合基幹業務パッケージであり、パートナーの持つさまざまな商品と連携して組み合わせながら提供できるのも特徴だ。会計と人事給与システムは、SaaS型とパッケージの両方で提供している。両製品とも業務に必要な基本機能をすぐに利用開始できるうえに、お客様からの要望が高かった機能や法改正などにも随時対応し、機能強化している。販売管理システムは、通常、企業ごとに特性があり構築期間が長期化しがちだが、「GLOVIA smartきらら販売」は、専用の統合開発環境を利用したカスタマイズ開発で導入期間の短縮とコストの低減を実現している。

 パートナーとFJMの業種業務ノウハウや技術力を結集し、多様化するお客様のニーズに柔軟かつスピーディに対応するべく「GLOVIA smartきらら販売コンソーシアム」を発足した。参画パートナーは、専用の統合開発環境を活用することで開発ルールを標準化でき、コンソーシアム内で導入事例や開発技術などを共有することが可能になっている。参画パートナーの導入事例や得意業種に最適化されたシステムをテンプレート化し、全国へ提供する仕組みも準備している。

 「GLOVIA SUMMIT」は、ビッグデータ時代を見据えた、大量データを管理できる会計専用のデータウェアハウス(FDWH)機能を持っており、最大月間一億件の明細を一元的に取り込んで自動仕訳するとともに、詳細データまでドリルダウンできるのが特徴。今後もこうした機能を継続して前面に打ち出していく。また、これらの技術は「GLOVIA smart」にも引き継がれている。

■多種多様な業種にも対応

 製造業向けソリューションとして、計画管理パッケージ「GLOVIA smart製造PROFOURS(プロフォース)」や生産管理パッケージ「GLOVIA smart製造PRONES(プロネス)」なども重要な商品となっている。

 「PRONES」はアジアでの採用実績も多く、中国語、英語、タイ語、ベトナム語に対応。国内企業の海外への製造移転や生産ラインの増設などをシステム面から支援できる。

 業種別ソリューションは、他にも小売業・卸売業・サービス業など幅広く対応。「GLOVIA smart専門店 Pastel Plus」や「GLOVIA smart 専門店 ジュエリー」、「GLOVIA smart ビルメンテナンス」「GLOVIA smart不動産プロパティマネジメント」などをラインナップする。

 ホテル事業者向けには、管理業務の大幅な効率化を実現する「GLOVIA smartホテル」をパッケージとSaaSで提供しており、シティホテル・ビジネスホテル向けに加えてリゾートホテルバージョンを持ち、あらゆる種別のホテル業のサポートが可能となっている。

 「GLOVIA smart食品FoodCORE(フードコア)」では、経営者から要望が多かった、正確でスピーディな損益管理の実現を目的に、製品別にその製造過程で必要となる電気代や水道代などの費用をあらかじめ概算計上し、1日単位で決算が可能になる「日々損益管理機能」を業界に先駆けて提供している。

 ショッピングセンター向け売上自動収集・照合ソリューション「GLOVIA smartきららOCR」は売上集計業務などにおいて脚光を浴びている。光学式文字読み取り装置(OCR)でレジ伝票を自動的に読み込んで、テナント賃料の計算に必要な売り上げの日報を作成する仕組み。既存の伝票処理の手順を変えずに、高い認識率で伝票を打ち込まずに入力できる。伝票の種類は問わず、店舗ごとにレシートの形式や項目が異なってもよい。今後はクレジットカードや電子マネー決済帳票へも対応することで、幅広い業態の業務に対応できるよう計画している。

 また、クラウドビジネスが拡大する時代を見据えた新たなサービスも展開する。富士通グループのSE会社と連携して、大手・準大手における業界特化型基幹業務パッケージの導入実績とノウハウを活かした中堅市場向けクラウドサービスを提供する。初期段階では、食品業、ビル・マンション設備点検業務に対応し、今後さらに多方面の業界へサービスを提供していく予定だ。

公共・ヘルスケア分野でもクラウドを中心に積極展開

 公共分野では自治体や文教向けに幅広い製品を提供している(図4)。小規模な自治体は共同運用型クラウドに加え、適用範囲が拡大しつつあるSaaS型サービスについても、人口10万人以下の自治体を中心に市場を広げていく方針だ。

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図4

 この分野での重点ソリューションはクラウド型公共図書館業務サービス「WebiLis」だ。公共図書館向けに特化したサービスで、貸出・返却・蔵書管理・統計などの基本機能に加え、インターネットからの蔵書検索や予約、学校連携機能、ICタグを活用したサービスの提供が可能。2013年7月には、図書館分野では日本初となるNFC(近距離無線通信)技術とスマートデバイスを組み合わせた図書館システムを構築。今後も最新技術を活用した新たなサービスの創出により、課題解決型図書館の実現と利用者サービス向上を目指す。

 文教においては、全国規模で整備された「学校ICT」を基盤とした校務システムを提供し、生徒の成績・出欠管理機能や学校専用グループウェアにより大幅な効率化を実現している。2012年4月には、同サービスをクラウド化し、導入から運用までトータルでサポートしている。

 また、大学向けには近年高い関心を集めている『学生ポートフォリオシステム』の構築を行っている。学生ポートフォリオとは、学生の学習活動プロセスや成果物を蓄積、分析、評価することにより、利用者の『気づき』を促し、自己改善につなげるシステム。また、プライベートSNSの要素を取り入れることで、教職員や他の学生とつながりを持ち、アドバイスや活発な意見交換を行う場としても利用されている。

 一方、行政分野では、防災・減災に向けた対策として、高齢者や障害者等災害弱者の発災時における迅速かつ的確な安否確認・避難誘導を実現するため「災害時要援護者支援システム」を構築。平常時における要援護者および地域の支援組織の情報管理から災害時の安否確認までの業務を、システム化によりサポートする。また、地図情報等との連携により要援護者に関するより正確な情報を管理でき、災害時における迅速な対応を可能とした。

 ヘルスケア分野では、実績豊富な富士通の医療情報システム「HOPE」シリーズを中核としたソリューションを展開している。富士通の当該ビジネス推進部署であるヘルスケア・文教システム事業本部や各地域のパートナー各社に所属する医療に精通したSEと連携し、中小病院向け電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN―LX」や医療事務システム「HOPE/SX―R」、介護事業者支援システム「HOPE/WINCARE―ES」などを営業とSEが一体で提供している。

 また、「GLOVIA smartきらら会計」などの業務システムと、医療事務システムや介護事業者支援システムとのデータ連携を行うモジュールにより、医療法人の定形業務の効率化とリアルタイムでの経営情報の把握を可能にしている。

 FJMでは、豊富な経験を活かしたシステム導入コンサルティングを得意としており、導入前の院内準備のサポートや過不足ないシステム導入に加え、ヘルスケア分野においても厚生労働省の規制緩和の影響により、中小病院・介護事業者を中心にクラウドサービスが伸長すると予想されており、これまでの実績・ノウハウを背景に同市場におけるクラウド化への対応力を強化していく。

時代の変化に対応したソリューションの提供

 クラウドやスマートデバイスなどの普及により企業におけるICTの利活用は急速に進んでいる。一方で、標的型攻撃やWeb改ざんといったセキュリティ被害があとを絶たない。FJMでは、ウイルス対策やファイアーウォール設置などの従来型のセキュリティ対策に加え、サイバー攻撃を始めとする新たな脅威に対応したセキュリティソリューション体系である「SecurityOPT(セキュリティオプト)」を提供している(図5)。

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 図5

 今後は中堅中小企業向けに、サービス商品メニュー化を推進して、セキュリティ診断ツールを使った業種・規模別の推奨プランを明示することで、お客様に合わせたセキュリティ提案を行う。

 Windows XPのOSサポート終了にともなう移行については、事前準備の「情報収集」から、設定・移行作業の「展開」、QA対応などの「運用」までの各フェーズを支援する「Windows XP移行サービス」を2013年7月より提供している。一連のサービスをパック化した「Windows XP移行支援パック」を始めとしたオプションを多数用意しており、お客様の要望に柔軟に対応できるサービスメニューになっている。

 Windows 2003 Serverの移行についても、当社で実績のある移行サービスをメニュー化して提供していく。

 このほか、富士通グループ海外拠点と連携し、企業の海外ビジネスをサポートする。海外進出に必要な情報提供や事前準備支援、海外拠点におけるICTを中心としたビジネスのサポートまで、幅広いサービスを提供。特に中国へ進出するお客様に対しては、法人設立支援、人材紹介など、きめ細かなサポートを提供している。

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 日々刻々と市場トレンドやお客様のニーズが変わっていく中、これまで以上に市場を意識した商品作りを行っている富士通マーケティングは、今後もお客様の声に真摯に耳を傾け、多様な課題に対応する商品やサービス、サポート体制を強化していくことを目指している。

 クラウドサービスの効果が特に大きく現れる中堅中小企業向けのECサイト「azmarche(アズマルシェ)」を2014年2月に提供開始した。

 このサイトは、富士通グループはもとより、富士通グループ以外のベンダーによるクラウドサービスを含む多様な選択肢の中から、お客様に最適なサービスをWeb上で直接購入し、最短で即日からサービスを利用開始することができるオープンなマーケットプレイスとなっている。今後、取り扱うクラウドサービスを2014年度は100種、2018年度までに300種掲載する予定である。またサポーター(販売協力者)の法人会員も増やし、より多くのお客様に「azmarche」を利用していただく機会を提供する。

 さらには、Webを活用してパートナーも含めた商談活動をサポートしていく「Web営業」など、「売り物」に加え同社ならではの「売り方」を創出していくことで、独自性に富んだ付加価値を生み出し、強みを作り上げている。

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