ITソリューション企業総覧2014Web
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)

01_総合システム構築 ITソリューション企業編

技術力と総合力で最適な
クラウドソリューションを提供
~顧客ニーズに合わせ新サービスを開発~


伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)

www.ctc-g.co.jp/


技術力と総合力のCTC

 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は総合ITサービスカンパニーとして、多種多様な製品を熟知した「マルチベンダー力」を強みとしている。1972年の創立当初から国内外のIT先進企業とパートナーシップを構築し、顧客企業ごとに、先進の技術と製品を「つなぎ組み合わせる」ことで最適なソリューションを提供してきた。自社が保有するマルチベンダー環境での総合検証センター「テクニカルソリューションセンター(TSC)」を活用することでこの技術に磨きをかけている。

 TSCでは約200人の技術スペシャリストを中心に年間2,000件以上の技術や製品、案件の検証を実施している。ネットワーク経由でIT資源を利用するクラウドや従来使用していなかったデータを有効活用するビッグデータ(大量データ)をはじめ、各分野の最新ソリューションのデモンストレーション環境も常設している。

 こうした環境のもと、CTCでは顧客企業のITシステムの戦略立案、SI(システムインテグレーション)、運用・保守サポート、自社が保有するデータセンターを活用したクラウドサービスやアウトソーシングサービスまで幅広く提供する。総合力を兼ね備えたソリューションプロバイダとして、フロント系基幹システムの開発から、オープン系システムの大規模インフラ構築やデータセンターを活用したアウトソーシングサービスまで、ITライフサイクルのすべてのフェーズで最適なソリューションをとり揃え、ワンストップでサービスを提供出来る点が強みだ。

■海外展開に注力

 CTCは更なる成長を求めて海外展開にも注力している。2013年3月には、マレーシアとシンガポールで顧客基盤と技術力を有するSI企業を子会社化した。それぞれ社名を「CTC Global Sdn. Bhd.(マレーシア)」と「CTC Global Pte. Ltd.(シンガポール)」として本格的にビジネスを開始した。

 国をまたいだ事業継続計画(BCP)環境を実現するため、2014年3月からは同2社と共同で遠隔地にある複数のデータセンターのクラウド環境を連携した「自律型データセンター(Autonomous Datacenter)」の実証実験を開始した。将来的にはマレーシア、シンガポール、日本の3カ国を連携させたオンプレミス(自社保有)型のクラウドソリューションも販売する予定だ。国内外の先進技術を顧客に提供する「CTCのDNA」を海外でも発揮する。

CTCのクラウドサービス

 CTCの注力分野の一つがクラウドサービスだ。安心・安定したサービスを提供するデータセンター、技術力とマルチベンダー力を強みとして提供する運用・保守サポート、また仮想化・統合化によるIT資産の有効活用など、業界においてクラウド戦略を支える基盤構築にいち早く取り組んできた。顧客ニーズに合わせてプライベートクラウドからパブリッククラウドまで提供するCTCのクラウド力を紹介する。

■クラウドの拠点。堅牢なデータセンター

 CTCのクラウドビジネス戦略の拠点となるのが全国5ヶ所に構えるデータセンターだ。総床面積は84,000m2で25年以上の無事故・無停止の安定運用の実績があり、災害対策などの幅広いノウハウを生かし、顧客から預かったシステムを24時間365日運用している。2013年4月には横浜コンピュータセンターの敷地内に北館(NYC)を開設した。BCPや災害対策としての利用に加え、需要が高まりつつあるクラウドコンピューティングの新たな拠点となる都市近郊型データセンターだ。NYCのサーバ室は無設備の状態から顧客のニーズに合わせて自由に仕様を選択できる。特に大規模システムや高負荷サーバラック導入時のコスト削減に寄与し、省エネに配慮した設計となっている。

 

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新しいデータセンター外観

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床下空調

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天吊り空調

写真 2013年4月に開設した横浜コンピュータセンター北館。最新の設備を備えている。

 

■運用・保守のノウハウからサービスを開発

 製品の販売、システム開発とともに力を入れてきたのがシステム導入後の運用と保守サポートだ。サーバが増えて煩雑になる作業をマルチベンダー対応の保守サポートサービスで支援する。プライベートクラウド環境に対しても、仮想化統合されたITプラットフォームを遠隔から運用するサービス「RePlavail」が対応。また、遠隔からの機器監視や運用サービスを24時間365日提供する「リモートオペレーションセンター(ROC)」や全国100カ所の保守サポート拠点をベースに、仮想統合されたシステムの運用を支援する。

■プライベートクラウドのラインナップ拡充

 2007年からマルチベンダー環境での検証や大規模システムの構築実績を元に仮想化・統合化を軸にしたクラウドソリューション展開に取り組む。数々の大規模案件でサーバ台数の大幅な削減も実現した。ノウハウやナレッジを体系化したプライベートソリューション「VM Pool」や独自の仮想化・統合化コンサルティングサービス「SOIDEAL」などパッケージ化したソリューションを提供している。更に、2013年7月からは、システム運用・管理サービスと合わせて、ITインフラ環境をサービス提供する、独自のプライベートクラウドソリューション「ElasticCUVIC」の提供を開始した。

■ITインフラは「つくる」から「つかう」へ

 ElasticCUVICは、システムの多様化する運用業務を含めて、ITインフラのアウトソーシングニーズに対応するクラウドサービスだ。エンタープライズ分野での仮想化共通基盤やプライベートクラウドの設計・構築実績、システム運用・保守サポート提供、データセンター運営での全てのノウハウを結集した。
 また、プライベートクラウドのノウハウをベースにしたパブリッククラウドサービスが「TechnoCUVIC」だ。データセンターに構築された、高品質・高信頼性のクラウド基盤(IaaS/Paas)を柔軟なサービス・課金体系で提供する。
 そのほかにも、高度なセキュリティと多彩な機能を持ち、内部統制、情報漏洩対策にも対応したクラウドメールサービス「SecurePremium」など、40以上の業種・業務特化型のオリジナルサービスを提供する。

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図1 ElasticCUVICのサービスグレード
サービス利用料金は、予算管理をしやすい「月額制」を採用。料金はリソースのサイズではなく、可用性やバックアップ世代数などによって分けられている。

 

ICT情報

ElasticCUVIC はコツコツと顧客ニーズに対応して完成したサービス

 ElasticCUVIC の生みの親である神原宏行 IT インフラサービス企画開発第1課長に、このサービスの特徴と今後の展開について聞いてみた。

 「ElasticCUVIC は少しずつお客様ニーズに応えていくことで完成した、いわゆる“アウトソーシングサービス”です。あらかじめ全社のシステムを統合するための標準化と、その運用をアウトソースできる状態になっています。お客様には『自社で(IT インフラを)負担したくない』、『自社でそろえるのは大変』などの声があり、まだまだアウトソースできる部分はたくさんあるはずというニーズから、ElasticCUVIC は誕生しました。プライベートクラウドを個別SIで『つくる』のではなく、『つかう』ことができます。

 汎用設計・共通運用によりIT インフラ投資を削減しつつ、高品質なインフラ環境と運用サービスを利用できます。ビジネスに不可欠な業務アプリケーションが安心・安全に稼働できることがIT インフラに求められている価値です。安心・安全なIT インフラサービスを様々なシステムで適切に利用できるよう、お客様が選びやすいようグレードを定義して、メニュー化しました」。

 また主な特徴については、「個別見積もりではなく、価格をすべて設定していることです。価格を“ブラックボックス”にしないというのが信条です。グレードごとに価格を設定し、分かりやすくしました。個別見積もりというのはベンダー側が主導になってしまいますが、価格が決定されていればお客様主導で進められます。例えばお客様が環境を構築する時の価格比較が容易になり、お客様には『IT インフラをアウトソースした方が安いなら任せてしまおう』と思ってもらえるはずです。今までにはない IT インフラサービスだと思います。」という。

 セキュリティ対策や DR(システム復旧)、ジョブ管理環境、データ連携などといったサブメニューも充実させている。

            s-12_03 神原宏行課長

今後の展望

 今後、「CTCのDNA」である「つなぎ組み合わせる力」を一層強化し、ElasticCUVICの機能拡充や特定業務向けのSaaSの開発など、クラウドビジネスを拡大していく。
 更に、ソフトウェアでサーバ、ストレージ、ネットワークなどのITリソースを一元管理するSDI(Software Defined Infrastructure)技術にも着目。「ITインフラを柔軟に変更したい」という顧客の声に応えるべく、機器や環境の違いを意識せずにシステム構成の変更やインフラ運用を自動化できるソリューションを開発する。「クラウドのCTC」としてクラウド時代に適したアプリケーションフレームワークを整備・拡充し、最適なシステムを顧客へ提案・提供していく。

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