ITソリューション企業総覧2015Web
AGS

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06_ICTサービス・サポート ITソリューション企業編

 

システムコンサルからアウトソーシングまで
幅広く情報サービスを提供/BCM訓練もスタート


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www.ags.co.jp/


 AGSはさいたま市浦和区に本社を置く情報サービス会社。2014年3月には東京証券取引所市場第1部に上場した。銀行系業務や地方自治体のシステム構築・運用業務を得意とする一方で、法人の取引拡大にも力を入れてきた結果、現在は金融・公共・法人の各領域でシステムコンサルティングからアウトソーシングまで幅広く情報サービスを提供している。またインターネットを活用した事業やセキュリティ対策への関心の高まりを踏まえ、本格的な設備を保有するIDC(インターネットデータセンター)サービスや情報セキュリティサービスにも積極的に取り組んでいる。

 

在宅勤務トータルサポートシステム『Secure Telework』

 「Secure Telework(セキュアテレワーク)」は、社内端末へのリモートアクセス、多彩なコミュニケーション、労務管理の機能が一つになった在宅勤務トータルサポートシステム。「オフィスと同等の就業環境の提供」「勤務状況の可視化」「充実したコミュニケーション機能」「チームワークの維持」などの特徴がある(図1)。2015年夏にサービスを始める予定。

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図1 まるでオフィスにいるような仕事環境の提供

 在宅勤務をする場合、仕事の生産性や効率を考えると、在宅中でも社内にいるのと同じように仕事ができる環境を準備する必要があるが、どこにいても変わらないオフィスワーク環境を提供できるのが最大の特徴だ。インターネットに接続可能なPCさえあれば、社内端末へリモートアクセスが可能。オフィスにいるのと変わらない仕事環境を提供する。

 また在宅勤務の場合、在宅勤務者の勤務状況の把握が難しく、管理者が労務管理や評価を適正に行うことが困難な場合があるが、同システムでは在席状況の表示や、管理者が操作ログや操作画面を取得し、実際の勤務状況を把握できる。在宅勤務日の申請・承認機能により在宅勤務者のスケジュールの把握もできる。一方、在宅勤務者は上司や同僚とは別の場所で仕事をしていることにより、疎外感や評価に対する不安感を抱く可能性がある。組織内ではコミュニケーション不足による業務効率の低下を招く可能性もある。そこで在席状況管理、個人宛メッセージや掲示板、Web会議といった多彩な機能で、コミュニケーション不足を解消できる。

 さらに、多くの企業ではほとんどの仕事がチーム単位で進められているため、在宅勤務中でもチームワークを維持できるような環境が必要になる。同システムでは組織単位だけでなく、プロジェクト単位など任意のグループを作成し、管理者からグループ単位での「お知らせ」の通知や、グループ単位での掲示板・Web会議の利用により、情報のタイムリーな伝達や共有ができる。

 

オープンソースソフトウェアを活用した企業向けクラウドサービス『OSSソリューション』

 ソースコードが公開され、自由に利用、改良、再頒布が可能なソフトウェアであるOSS(オープンソースソフトウェア)を活用した企業向けのクラウドサービスを2015年1月から始めた。サービスは企業研修や社員教育などのオリジナル学習コンテンツのeラーニングをWeb上で作成・編集できる「EasyTraining(イージートレーニング)」と独自のWebアンケートを簡単に作成できる「EasyEnquete(イージーアンケート)」の2種類。ともに世界中で利用実績があるOSSを活用しており、簡単にオリジナルの学習コンテンツやWebアンケートを作成できる。

 OSSはライセンス費が不要なため、商用パッケージと比べるとコストを抑えられる。現状の業務を効率化するためにIT化したいが、IT投資はできるだけ控えたいといったニーズに対する解決策となっている。またセキュリティ対策として、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)により外部からの攻撃をシャットアウトしている。

 「EasyTraining」はWebページ作成の知識がなくても、企業独自のカリキュラムに基づいた学習コンテンツをユーザ自身が簡単に作成できるのが特徴。また教材ページだけでなく、理解度確認のための小テストが作成でき、成績を管理することも可能。人材育成研修や社内教育研修、専門スキル研修、コンプライアンス研修、業務の引き継ぎなどに活用できる(図2)。

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図2 オリジナル学習コンテンツのeラーニングを簡単に作成

 具体的な活用事例としては「情報セキュリティ研修」「個人情報保護研修」「コンプライアンス研修」「インサイダー取引防止研修」などが挙げられる。例えば「情報セキュリティ研修」では近年報じられることの増えた「情報の漏えい」などの事故を防ぐためにどうすればよいか、社員が理解する機会を提供することもできる。「個人情報保護研修」ではプライバシーマークの基準に沿った内容や、個人情報保護法の知識のほかに、SNS(参加交流型サイト)の利用や標的型攻撃メールへの対応、そして、マイナンバー制度施行に伴う安全管理措置など最新の話題を盛り込んだ研修に生かすこともできる。「コンプライアンス研修」では労務管理や守秘義務などのほか、下請法などの法令解説、ホットラインの周知、CSR(企業の社会的責任)など企業人として基礎的な法令などの知識習得にも活用できる。

 一方、「EasyEnquete」は質問や選択肢を入力するだけでアンケートフォームを作成できるのが特徴。画像の挿入や設問の条件分岐などの機能を組み合わせることもできる。またアンケート回答結果の自動集計やデータ出力、円グラフの出力が可能で、従来の紙媒体での集計に比べ、より迅速で、正確な集計・分析作業が簡単に行える(図3)。

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図3 簡単にWebアンケートを作成、より早く、より正確な集計・分析が可能

 社内外の多岐にわたり利用できる。社内では社員の意識調査、行事の出欠確認などが気軽に実施でき、社外では顧客満足度調査やセミナーのフィードバックなど、Webを使って迅速に生の声が聞ける。

 

事業継続のための新たな気付きに導く「埼玉BCM訓練センター」

 東日本大震災以降、BCP(事業継続計画)の評価・見直しによる実効性向上や危機対応人材の育成を目的として、企業や団体でBCM(事業継続マネジメント)訓練への活用ニーズが高まっている。しかし、被災時の状況をリアルに再現することが難しいことや、危機対応能力や意識向上などの面からもBCM訓練に課題を持つ企業や団体が多く存在している。こうした状況を踏まえ、AGSグループであるAGSシステムアドバイザリー(さいたま市浦和区)は富士通総研とBCM訓練センターのパートナー契約を締結し、2014年10月1日、さいたま市浦和区のAGS本社内に「埼玉BCM訓練センター」を開設した。

 訓練はさまざまな業種の顧客を対象に実践してきたノウハウを基に設計され、きわめて実践的な内容となっている。2014年下半期だけで5回実施し、うち2回はAGSグループの役員・幹部向けに行った。計3時間30分の訓練時間のうち、最初の1時間は「演習」と称し、地震の後に刻々と変化する被災状況をリアルタイムで再現していく。この中には負傷者の発生や設備被害といった人的・物的被害への対応に加え、取引先からの被害報告や顧客からの要求など、実際に起こりうる事業継続に関するシナリオも盛り込まれている(写真1)。「演習」は5、6人でグループを構成し、これらの状況に優先順位を付けて対応していくが、次々と発生する不測の事態に右往左往するばかりで何も対応できなかったというケースが続出する。「演習」の後は「振り返り」に2時間を費やす。そこで「あのときはこういう判断ができたはず」「ここではこんな対応をすべきだった」などと討論することで、参加者は情報整理や判断力など危機対応に不可欠な要素を体感する。

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写真1 埼玉BCM訓練センター」での大規模地震対応模擬訓練風景(2014年11月)

 体感し、事業継続の目的や重要性を身をもって理解した上で、自社の既存BCPがいざというときにいかに不十分かを思い知った参加者は、より実効性のあるBCPにするため見直しを検討するケースが少なくない。BCPの実効性をより高めるための「気づき」を提供するのが訓練の狙いの一つだ。またさまざまな情報を整理し、限られた時間の中で優先順位を付けて対応する力は日常の業務にも役立つ。その意味で、訓練への参加は人材育成にも役立つとしている。

 AGSグループは「埼玉BCM訓練センター」の開設を機に、企業のBCMの実効性向上や危機対応人材の育成支援などに力を入れる。埼玉、群馬、栃木、茨城の各県をはじめとする自治体や企業、病院などを対象に大規模地震対応模擬訓練のほか、新型インフルエンザ対応模擬訓練なども行っていく。

 

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