ITソリューション企業総覧2015Web
フルノシステムズ

フルノシステムズ

05_ネットワーク・通信基盤 ITソリューション企業編

 

プロの現場を支えたWi-Fiシステム
―自治体や学校教育の情報共有を変える―


フルノシステムズ

www.furunosystems.co.jp


 フルノシステムズは30年にわたり物流現場などのハンディターミナルなど「プロ仕様」のワイヤレス機器を提供してきたビジネスワイヤレスのリーディング企業。近年では無線LAN(Wi―Fi)システムの導入を多業種に向けて加速させ続けている。

 基軸となるソリューションが、無線LANアクセスポイント「ACERA(アセラ)」と無線ネットワーク管理システム「UNIFAS(ユニファス)」。

 2014年、新しい無線通信規格IEEE802. 11acがスタートしさらなる高速化の道が開かれた。それに合わせ、ACERAシリーズを進化させ前述のIEEE802. 11ac準拠製品である「ACERA900」と呼ぶAP(アクセスポイント)をリリースした(写真1)。これにより伝送速度はついに300Mbps(同n,理論値)から最大1,300Mbpsへと4倍以上も高速化した。また、端末接続台数は100台以上に及ぶ性能を持つ。

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写真1

 

自治体ペーパーレス会議/教育現場コンテンツの深化

 高速化や接続可能台数の多さはインフラとしての利便性が向上し、同社の提案内容も拡がりを見せている。この新しい無線ネットワークソリューションがいま、学校や自治体システムの情報インターフェースを変えようとしている。

 茨城県美浦村は庁舎を含め村内要所に無線LANインフラを整備している。フルノシステムズはKDDIと共同でこのシステムの構築にあたったわけだが、とりわけ東日本大震災からの教訓から防災ネットワークとして役立つという意味合いでも整備を進めており各避難所に「災害に強い情報連携システム」として住民向けのWi―FiスポットとIP電話を整備した。これにより災害時に迅速かつ正確な情報共有が可能となった。

 同村のICT活用の取り組みは議会運営システムの環境整備にも及ぶ。議場にアクセスポイントを設置し、各議員がタブレット端末を利用しながら会議する、ペーパーレス会議システムを実現した。効率よい議会運営と速やかな決定を支援できるシステムとして運用されているが、自治体の導入事例としては極めて先進的な取り組みで、他県の自治体からの視察も少なくないという。

 現在は議員と部長クラスの活用から順次全職員へタブレット端末を配布しており、Wi―F1+LTE網によるネットワークで「いつでもどこでも」の情報共有環境として整備されている。

 

動画対応アクセスポイントが授業のインターフェースを変える

 教育現場の風景も変わっていきそうだ。

 新しく発売を控えている「動画対応アクセスポイント」(図1)はデジタルTVや液晶プロジェクター、電子黒板に、PCやタブレット端末の画面を無線経由で映しだすことができるデバイスだ。

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図1

 

 電子黒板のない教室でも、大型モニターやデジタルTVを黒板替わりとして利用できる。

 デジタルTVやモニターと本アクセスポイントを直接接続できる映像出力を備えており、教員、生徒・児童各人に割り当てられたタブレット端末などが無線接続された環境で、各端末にストアされている動画の再生を切り替えてモニターに映すことができるようになる。

 教育現場に動画を活用した教材が煩わしさなく利用できるようになるわけだ。授業時間もさらに印象深く臨場感の高いものとなるであろう。

 各端末の画面を切り替えることもスムーズにでき、たとえば生徒のタッチパネルによる書き込みをTVに反映させ先生がタッチパネルで添削しデジタルTVに投影し全員が見ることができるようになるなど、各生徒の端末画面を切り替えながら授業を進めることが可能な双方向性あるインターフェースが構築される。

 動画を使用できることで臨場感あふれる教育材料の幅も広がり、生徒や児童の学習能力アップにも貢献できるかもしれない。

 

3万人規模のイベントにも無線LAN

 アクセスポイント「ACERA900」は5GHz帯および2.4GHz帯電波を使用可能であるが、注目されるべきスペックは前述のように同時接続可能端末100台以上という部分。

 フルノシステムズ広報室長・鈴木智之氏は「これだけの台数を接続可能とすると、広いイベント会場等で、会場内のプライベートネットワークとして運用するなどハードな使用にも耐えるネットワークを構築することができます。昨年も東京ビッグサイトで開催されたガンホー・オンライン・エンターテイメントさんの『ガンホーフェスティバル2014』は3万人以上の来場者があり、ネットワークにとってはいわば“過酷”な利用例なのですが、来場者向けフリーWi―Fiとしてエンジニアリングを含め担当させていただき安定運用しています。このように幾度となく培ってきた過酷な運用の実績が信頼性の基礎となり、ユーザにご満足いただける当社の大きな強みとなっています」とアピールする。

 このほか、通信妨害の干渉電波があっても、その受信をはじく干渉波フィルタリングや、複数AP間にまたがる端末同士ののぞき見を防ぐ機能ほか豊富だ。「なんといっても保証期間が5年もあるという点は、ユーザからご安心いただける大きな要因となっています」と、同社無線LANソリューション好調さの背景を語る。

 また、ACERAはUNIFASというクラウドによる無線LANネットワーク管理システムにて運用するシステムであり、TCOの面においてはメリットが大きいという。

 

純国産でワンストップサービスの強み

 フルノシステムズの事業は、前記ハンディターミナルなど「モバイル端末」、ここで主に紹介した無線LANなど「ワイヤレスネットワーク」、コンサルや機材レンタルなど「エンジニアリング」の三つを事業の柱としている。

 鈴木氏は「この3本柱を基軸に、ヒアリングから提案、教育・デモ、現地調査、ハードウェア&ミドルウェア、アプリケーション開発、エンジニアリング、カスタマサポート、メンテナンス&トラブルサポート、エコロジ環境対応まで、無線LAN技術全域において、ワンストップでお客様にサービス対応させていただけるという最大の強みが当社にはあります。しかも純国産であることは、高品質と同時にお客様に安心感をお持ちいただけます」と語る。

 

無線ネットワークソリューションの歩み

 フルノシステムズの無線LANの歴史は、ハンディターミナルに始まる。かつてコンビニやスーパーマーケットなどの店舗では、業務効率化のためにハンディターミナルの導入が進んだ。当初は、店員がターミナルを携え、商品の売上げ状況データをその場で入力し、閉店時に必要データを有線ネットワークでホスト機に伝送、翌朝に集計するというスタンドアロン型の利用法であった。

 しかし、さらなる効率化に伴い、在庫や入庫に関するリアルタイムなデータが必要となっている。「当社ではハンディターミナルに無線機能を施し、入力されたデータを店舗フロアに設置した無線LANアクセスポイント(AP)を介してホストにリアルタイムで伝送処理可能としました。これが、当社が業界に先駆けて市場へ投入したいわゆる無線LANソリューション普及の始まりでした」(鈴木氏)。

 フルノシステムズのソリューションは、親会社である古野電気の船舶無線などに代表される堅牢な技術のDNAが、わが国の無線技術発展と共に歩み培ってきた歴史に生かされており、これがシステムに対する強い信頼として認識されるのだ。「もともと無線LANというものは、見えない電波が通信手段なので、トラブルや障害があっても決して不思議ではないのです。ですから、どのようなツールを使ってどのようにサポートすれば必ずつながって、安全にかつ高信頼性な通信ができるのか、創業以来30年間の歴史で学んできたのです」(同氏)。

 

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