ITソリューション企業総覧2015Web
ミロク情報サービス(MJS)

ミロク情報サービス(MJS)

03_業務支援・改革 ITソリューション企業編

 

中堅・中小企業用統合業務パッケージ(ERP)の
利活用で業務効率化/コスト削減を推進


ミロク情報サービス(MJS)

www.mjs.co.jp/



 ミロク情報サービス(MJS)は、中堅・中小企業向け統合業務パッケージ(ERP)市場でリーディングカンパニーだ。財務会計や販売管理、経費精算などの機能を搭載したシステムを提供し、企業の業務効率化やコスト削減を支えている。

 中小企業にとってIT化を加速させるのは簡単ではなく、現在でも人手による事務作業に頼らざるを得ない企業が少なくない。顧客拡大の余地が多く残っている同市場で、MJSは充実した機能を持つERPを提供して競争力を高めている。2016年1月には社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)が始まり、企業はシステム面での対応を迫られる。

 MJSは販売しているシステムのマイナンバー対策を進めるのに加え、各システムやサービスをITソリューションとして展開する方針で存在感がさらに増していきそうだ。

 

顧客の企業規模に応じて最適なERP

 「我々は顧客の企業規模に応じて最適なERPを導入できる」。営業本部営業推進部の志牟田浩司企業システム企画グループ部長は、自社の強みをこう説明する。MJSは売上高5億~100億円規模の企業を中心にERP「MJSLINK NX―Ⅰ」、売上高100億円規模の企業にERP「Galileopt NX―Ⅰ」をそれぞれ提供している。

 「財務大将」「給与大将」「販売大将」「資産管理」の四つの業務システムで構成し、各システムが連携し、例えば販売大将の売り上げや仕入れなどの仕訳データを財務大将とやりとりできる(図1)。

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図1

 給与大将では複数の給与支払いの体系に対応可能。分散している拠点からの入力に対応するための強化も実施した。会計などのパッケージソフトウエアを導入している中小企業の場合、企業規模や従業員の拡大に伴うシステム面の対応が難しくなるケースが少なくないが、MJSのERPを利用することで、業務の効率化につなげられる。

■ERP「Galileopt NX―Ⅰ」

 Galileopt NX―Ⅰを導入したある製造業では、経費精算業務の大幅な改善を実現した(図2)。それまで同社は小口現金による精算処理に課題を抱えていた。従業員が持ち帰ってくる領収書から経費科目を確認する際に仕訳のミスが起こったり、毎日釣り用の小銭を用意しなければならなかったりして手間がかかっていたという。

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図2

 「手書きの経費精算書を利用する仕組み」(志牟田部長)で、経理担当者が精算書をもとに処理していた。各拠点に金庫を設置して小口現金を用意することで盗難のリスクも抱えていたが、経理部門の都合だけで仕組みを変えるのは難しかった。Galileopt NX―Ⅰを用いた業務改善に向けては、従業員から使っている精算書のフォーマット(形式)を画面上で再現できることが求められ、経理部門からも要件として従業員が入力した申請をもとに仕訳データを作成できることが出されたという。MJSはこうした要望に対応して内部統制の強化につながることも示し、現場が納得する形で採用にこぎつけた。

 この製造業の場合、精算処理について経理担当者が一括して従業員の口座に振り込む方法に変えることで大きな効果を得た。システム上での電子申請を導入したことで、精算にかかっていた時間を完全になくすことができ、大幅な工数削減を実現。

 コスト面でみると、年間で大幅なコスト削減になり、IT投資を十分に回収できるという。拠点に金庫を置くことも止めた。従業員の業務に配慮し、システムの導入により現場にストレスを与えないことを訴求したことで、一括の精算処理の仕組みをスムーズに作り、従来に比べて精算業務を効率化することに成功した。

 今回のケースのように、企業がGalileopt NX―Ⅰを活用することで業務改善できるほか、経営判断の迅速な決定につながる効果も見込める。事業の成長に向けて欠かせない「PDCAサイクルの確立」に役立つ機能を搭載しているためだ(図3)。一般的なERPでは、経営計画の立案や予算策定にあたる「P(計画)」や、経営力を高める「A(分析と対策)」への対応に限界があったが、精度の高い決算予測機能や強力なシミュレーション機能により経営陣の最適な意思決定を支援する。事業環境の変化が一段と激しくなり、経営に関連するデータが増大する中で、中小企業にとっては経営の最適な答えをスピーディーに導くのは簡単ではない。Galileopt NX―Ⅰが従業員の業務や社内の課題を解決するとともに、PDCAサイクルの取り組みも後押しし、経営目標を達成するために重要な役割を担いそうだ。

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図3

 


■ERP「MJSLINK NX―Ⅰ」

 MJSLINK NX―Ⅰもさまざまな企業に利用が広がっており、ある飲食業では手作業だった業績の集計処理の撤廃に成功した。同社は多店舗を展開しているが、以前までは店舗の業績を評価する資料の集計に手間がかかるのが課題だった。従業員の役職や立場によって利益に対する考え方が異なり、手作業による数字の組み替え処理が発生していたためだ。さらに経営陣が、「新店・既存店別」や「路面店・テナント別」など複数の観点からの損益管理の資料の提出も求めていたという。そのため資料の作成業務の効率化に向けて会計システムの見直しに着手した。

 当初、専用の集計システムの構築を検討していたが、メンテナンス面での負担が大きかったという。そこで「勘定科目」と「部門」の活用に着目し、MJSLINK NX―Ⅰを導入した。勘定科目の体系を見直して、複数の集計方法に対応できるようにし、店長やエリアマネージャなど、役割と責任に応じて集計できる範囲を指摘できるように工夫した。部門体系も出店時期や規模といった店舗の属性によって複数の角度から集計するように設定。部門体系の履歴管理の仕組みを導入することで、組織の統廃合にもスムーズに対応できるようにした。これらの取り組みを通じて、負担が大きい手作業の集計や組み替え処理を完全に撤廃し、店舗の業績評価や経営陣への報告資料もシステムから直接出力するように改善した。システムの刷新作業もわずか3カ月で完了。MJSLINK NX―Ⅰの導入のしやすさを示したケースといえる。

 今回の見直しを通じて同社では会計システムを制度会計だけでなく、管理会計のツールとしても利用できることに気づけたという。制度会計と管理会計に同じシステムで対応するといういわば「発想の転換」が業務の効率化に導いた。今後はフランチャイズ店の会計・税務処理も代行する仕組みを構築する方針。複数の企業を管理できるためで、会計システムを「売り上げを生み出すツール」として活用する予定だ。MJSLINK NX―Ⅰが社内の課題のソリューションとしてだけでなく、新たな事業・サービスの展開でも効果を発揮する。

 

予算編成システム「BizForecast」

 MJSはグループ会社のプライマル(東京都港区)の予算編成システム「BizForecast」を2014年12月から提供している。データなどを入力する際に、表計算ソフトウエアの操作性を持たせており、スムーズに導入できる。各部署や営業所からのデータを即時に集計可能。使い勝手の良さと柔軟性の高さを兼ね備え、進捗状況を把握しながら編成業務を効率化できる。データの一元管理により、過年度のデータ保持や修正予算への対応も簡単で、多彩な予算のシミュレーション機能も搭載した。低コストで導入でき、中小企業をメーンターゲットに利用を見込んでいる。

 志牟田部長は「エクセルを用いた管理業務からの脱却を後押ししたい」と説明する。中小企業の予算編成の場合、経営管理部門がエクセルの専用シートを各部署に配布してデータを集計することが多く、業務の負荷が大きい。さらに、めまぐるしく変わる経営環境や企業の経営方針などにより、編成の仕組みや管理が必要な経営指標が毎年変わることも少なくない。従来の予算編成システムでは業務に柔軟に対応できないことも、エクセルを使わざるを得ない要因となっていた。

 BizForcastを導入することで、予算編成の管理者が予算申請画面のテンプレート(ひな型)を作成できる。これにより経営指標の変更に合わせて、データの収集シートの形式も柔軟に変えられる。エクセルでは難しかったデータベース(DB)の一元化も実現できる効果も大きい。Galileopt NX―Ⅰ、MJSLINK NX―Ⅰともデータを連携可能。財務の実績データと予算データを踏まえて経営状態を的確に把握できる。予算の編成から執行管理まで一連の業務を効率化し、経営を支えるシステムとして、中小企業への導入が加速しそうだ。

 

クラウド型の販売管理システム「商い哲人EX」

 またMJSはネットワーク経由で情報システムなどを提供しているクラウドサービスも拡充してる。ソフトテックス(名古屋市千種区)からの事業の譲り受けに伴い、クラウド型の販売管理システム「商い哲人EX」を2014年夏から販売している(図4)。完全なウェブ対応のためインターネットに接続できる状況であれば、場所を問わずにウェブブラウザー(閲覧ソフト)を通じて常に最新バージョンを利用可能。仕入れや販売、在庫管理までを一元管理して業務を効率化する。販売管理のパッケージソフトを使う場合は初期費用がかかるが、商い哲人EXは初期費用が無料のため、中小・零細企業が導入しやすい。販売管理業務とクラウドサービスの親和性は高く、「クラウド型の同様のシステムはあまりない」(志牟田部長)という。

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図4

 商い哲人EXの販売・仕入れの取引データから仕訳データを作成し、MJSLINK NX―Ⅰや小規模企業向け業務システム「ACELINK NX―CE」などのシステムとの連携も可能。各種の税制改正に無償で対応する。これまでにERPの展開で培ってきた開発ノウハウを生かし、商い哲人EXの機能を強化する方針。このほかに経費精算のアプリケーション(応用ソフト)やバックアップシステム、会計事務所と顧問先企業のデータ共有サービスなどクラウド型提供している。大手企業に加えて中小企業のIT環境も今後クラウド化が進む可能性が高い中で、MJSは中小のERP分野で強固な顧客基盤を持っており、クラウドサービスの拡充が競争力をさらに向上させることを狙う。

 

マイナンバー制度の実施による課題に応える

 企業にとってIT面での最大の課題が2016年1月に始まるマイナンバー制度だ。パートやアルバイトを含めて従業員からマイナンバーを取得し、法定調書や源泉徴収票など行政機関に提出する書類には個人番号や法人番号の記載が必要となる。そのため中小企業では関連する事務作業の負担が一段と増すことが見込まれている。

 一方で、会計ソフト会社やIT企業にとっては、マイナンバー対策のIT投資を取り込む商機といえる。IT業界からは「昨春の消費増税に続くIT需要を見込める」といった声が聞こえてくる。MJSもマイナンバーの開始に備えて着々と準備を進めている。

 MJSは年末をめどに給与・人事関連システムと税務管理システムを刷新してマイナンバーに対応する予定。併せて2015年2月からはマイナンバーをテーマにしたセミナーを各地で開いており、多くの企業担当者が参加しているという。セミナーではマイナンバーの開始が企業に与える影響や必要な対策とともに、自社のERPも紹介している。人事給与システム・税務申告システムなどは全てマイナンバー制度に対応予定。マイナンバーをきっかけに新たな顧客を獲得できる余地も残っている。ERPの導入するメリットや魅力的な機能を訴求することで拡販につなげる。

 企業がマイナンバーに対応するうえで、もう一つの大きな課題が情報セキュリティ対策だ。社員などの特定個人情報の徹底した管理が求められ、漏えいを防ぐ仕組みを整備しなければいけない。万一、外部への流出や盗用などが起こった場合の罰則規定も定められている。しかし特定個人情報のデータが入ったパソコンを紛失したり、悪意を持った人物によるデータを持ち出したりといったリスクと隣り合わせなのが現状だ。中小企業の場合、情報セキュリティ対策を導入しようとしても、コストがネックになることが少なくない。人員も限られる中では専任の担当者を置くのも相当難しく、個人情報を安全に管理するハードルはかなり高いといえる。

■情報セキュリティ対策アプライアンス「SOXBOX NX」

 「SOXBOX NXをマイナンバー対策の観点から提案したい」。営業本部営業推進部の加藤武史サービス企画グループ部長は、安全面の強化に向けて情報セキュリティ対策アプライアンス「SOXBOX NX」を訴求する考えを示す(図5)。MJSはこれまでITに関する事業継続計画(IT―BCP)の支援として同製品を提供してきた。東日本大震災での大津波による浸水や建物の倒壊で企業の重要なデータが多く失われたのに加え、風水害が深刻化していることで、データを電子化して保管する意識が急速に高まったためだ。一方、こうしたデータの管理のあり方や情報漏えい対策を整備する必要性も増している。

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図5

 SOXBOX NXを導入することで、USBメモリーやファイル共有ソフトの使用禁止、企業内のネットワークに無断で接続しようとするパソコンの検知・遮断、社外に持ち出されたパソコンの操作ログ(履歴)の取得などが可能。新たな情報抜き取り手段のスマートフォンやデジタルカメラの使用禁止も可能。また、安全に情報を渡すために暗号化ツールも実装している。悪意のある人物による不正を防ぐとともに、社内のペーパーレス化を進め業務改善を図ることができる。

 MJSはこうした情報セキュリティ対策に関連するさまざまな機能を特定個人情報の管理にも適用できるとみている。企業がマイナンバーを取り扱う際には、取得から利用、廃棄までの管理が必要。具体的にはシステムへのログインの記録やデータ持ち出しの対策、不正アクセスを防ぐ仕組みの導入などが求められるためだ。中小企業がSOXBOX NXを活用するメリットは大きい。加藤部長は「特定個人情報の厳格な管理のためにSOXBOX NXを導入することで、リスクマネジメントの強化につながり、内部統制機能がより有効に働くことを期待できます。結果として、健全な組織風土の持続・形成につながっていきます。」と説明する。セキュリティ面での適切な内部統制を構築するために有効な手段といえる。

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 スマートフォンやクラウドサービスなど、ITが業務の効率性を大きく高める一方で、情報漏えいや、特定の企業・団体を狙う標的型サイバー攻撃のリスクがより身近に迫っており、企業はIT環境の安全性に向き合わざるを得なくなっている。マイナンバー制度がまもなくスタートし、企業の情報セキュリティ対策のあり方を改めて問われる中で、中小企業の対策を支援する強い味方としてSOXBOX NXの重要性がこれまで以上に高まりそうだ。

 中小企業向けERP市場を先導するMJS。主力システムのMJSLINK NX―ⅠとGalileopt NX―Ⅰの販売を着実に伸ばすとともに、予算編成システムやクラウド型の販売管理システム、情報セキュリティ対策製品などもそろえ、業務上のさまざまな課題に対応するITソリューションを展開する体制を整える。マイナンバー制度への対応をはじめ、中小企業がさらなるIT化を求められる中で、MJSがIT面でのパートナーとして果たす役割が大きくなる。

 

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