ITソリューション企業総覧2015Web
富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(富士通SSL)

富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(富士通SSL)

03_業務支援・改革 ITソリューション企業編

企業の共創や学校の協働学習などの
グループワークをメソッドベースに支援


富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(富士通SSL)

www.ssl.fujitsu.com/


 富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ( 富士通SSL)は、業務系・情報系から共通インフラまで、広範なソリューションを横断的に提供し、顧客のビジネス展開および成功を、強力にプロデュースすることをビジネスの基軸に据えている。

 ソリューション戦略本部長 平松知江子氏は「事業内容は、ソリューションと呼ぶ商品を中核にすえた提案型サービスと、SIすなわち大型ソフトウェアの受託案件とが、ほぼ半々。特に重点をおくソリューションにより、得意分野に特化した形で強みを出し販売強化に努めている」と、同社戦略をアピールする。

 

産学および企業連携で顧客の悩みを解決するソリューションを開発

 約2年前、富士通SSLはソリューション戦略本部を設立、7大学との産学連携や先端技術を擁する企業と連携し、特長ある技術に基づくソリューションの新商品展開をめざしている。ソリューション戦略本部 米澤一造氏は「当社の特長をより鮮明に打ち出すべく、顧客のシステムをゼロから構築するサービス提供に臨んでいる。同時に顧客の悩みを解決する、新商品づくりも進めていく。このためには世間の動向や新しいニーズの発掘が重要であり大学や先端企業とのオープンイノベーション活動が欠かせない。」と、いわば開発の肝を強調する。こうした背景を踏まえて共創支援&学習支援ツール群「WebコアInnovation Suite」を2014年12月に投入した。

 

“答えのない問題解決”めざして共創支援&学習支援ツール群「WebコアInnovation Suite」を開発

 いま、社会活動が複雑に変化する中、これまでの経験値や一人の専門家のみの意見に頼っていては、“答えのない問題解決”に近づくことができない。したがって各企業では、グループ全員で意見やアイディアを出しながら討議し、仮設提案を検証するといった、共創活動による新たな視点を重視している。一方学校でも、教師の一方通行ではなく、生徒たち全員の意見に基づき、いわゆる“答えのない問題解決”に向けて、協働学習や問題解決型の授業などをめざしている。

 富士通SSLではこうした点に着目し、名古屋工業大学や東北大学と連携して、共創支援&学習支援ツール群「WebコアInnovation Suite」を開発、市場投入した。

 図1を参照されたい。左側が企業の「共創」活動のケースだ。新規ビジネス・新商品の創出や既存ビジネス・既存商品の改善・改良、ワークスタイルの変革、企業風土の改革などの目的が上層部から課せられる。そうすると、新商品創出の際には、試作という行動を起こすが、行動に到る過程として、講ずる手段が何なのかが、重要なポイントになる。そこで、関係グループ全員で、アイディアを出す、現状を調査する、さらにアイディアをもむ、そして全員合意のもと行動を起こす、などの議論が展開される。このとき富士通SSLでは、プロセステンプレート群や共創ツール群から成る「WebコアInnovation Suite」で従来とは異なる側面から支援するのである。また図1右側の学校のグループワークでも同様だ。ここでの目的はたとえば問題解決型の授業を効果的に実践することで、プロセスを経た行動が、問題解決能力の向上や、授業の進め方などのデザイン改善につながることである。

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図1 企業や学校におけるWebコアInnovation Suiteの機能

 

キーポイントとなる「プロセステンプレート」と「共創ツール群」

 企業の「共創」活動であれ学校のグループワークであれ、キーポイントは「WebコアInnovation Suite」を構成する「プロセステンプレート」及び「共創ツール群」だ(表1)。

表1 プロセステンプレートの種類と共創ツール群
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 プロセステンプレートは、“答えのない問題に解を見出していく”ために実績あるメソッドをベースとしており、グループワークの進め方をナビゲートする。ここには、利用シーンの具体的な手順書やワークシートが含まれている。たとえば表1の構成要素でいうと、企業にアイディア発想および新商品企画プロセステンプレートがあるが、このアイディア発想法および新商品企画の手法が、上記メソッドに相当する。これが「WebコアInnovation Suite」の中で重要な役割を担う。「学校での問題解決型の授業の場合、生徒たちの自主性に基づいて各自意見を出し全員で議論できるように、しかもITツールを利活用しながら指導しなければならないので、教師の役割は極めて重要。その点を支援するものがプロセステンプレートであり、これは今後さらに実証実験を重ねて充実させる」と語る(米澤氏)。

 また、共創ツール群は富士通SSLの得意とするITツールで、「カード情報活用ツール」など計4種類用意されている。IT利活用時代とはいっても、通常ホワイトボードなどを用いることが決して少なくないはずだ。そこで、こうした既存のアナログツールも上手に使うために用意されているのが、「カード情報活用ツール」である。これは、付箋などに全員のアイディアを記入し、それらを集めてスキャナによりコンピュータに保存する。その後これら全員のアイディアが記入された付箋を大画面に投影し画面上で、アイディアの傾向によって分類することができる。こうした整理や分類は、時系列順に並び替え表示できるほか、背景の図にあわせて任意位置にまとめた表示、キーワード別の分類表示など多彩な表示が可能なために、議論遷移の確認や、新しい気づきが得られる。

 こうして全員で議論してアイディアが一つに決まると、PowerPointファイルに出力が可能だ。つまり「グループ演習などで模造紙に張り付けて整理することは従来よく行われるがその方法だと、そのまま使い道がなくなることが多い。しかしPowerPointで電子化しておくと文字の大きさ変更など再編集が可能だし、前回どのような議論であったかの確認も極めて容易となる。またあとでデジタルカメラにより撮影した画像も付加し配置できると、より利活用範囲も広がる」(平松氏)。

 もう二つ、共創ツール群を紹介しておこう。

 まず「コメント投稿活用ツール」だ。これは、スマートフォンやタブレット端末から全員の意見を投稿しグループでの討議を支援するものだ。問題解決型の授業を行うある学校では、先生が黒子になって、生徒が語る意見をその都度端末から入力すると、全員が見ることができる大画面に雲の形で囲まれた意見が次々飛んで行って表示されるような仕組みになっている。また「コンテンツ表示・分類ツール」は、上記二つのツールで投稿したカード情報やコメント、関連の写真などを収集して統合、さらにそれらを時系列で並び替え意見のレベルアップ状況を把握できるほか、地図にプロットしてみることが可能だ。また、写真裏面に貼り付けられた撮影場所を表すキーワードから、何々県と指示すると同県で撮影した写真をすべて収集できるようにもなっているなど、さまざまな角度で検討でき、より多角的にグループ討議を支援できるようになっている。それによる再発見も期待されよう。

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図2 共創ツールの機能

現場での利活用経験が「WebコアInnovation Suite」をさらに成長

 富士通SSLで用意されているこうしたプロセステンプレートや共創ツール群は、現在思いもつかない利活用の仕方がまだまだあるはずという。それは、オフィスや学校の現場で使い込んでいく数多くの事例をさまざまなところで共有することによって、新たに創出されてくることが期待されている。

 今後、「マニュアルを読まなければソリューションを使いこなすことはおぼつかない」のではなく、誰もがいつでも極めて容易に使えることが、テンプレートの幅を広げると同時に、「WebコアInnovation Suite」の浸透を加速させる。富士通SSLでは、この点をさらに追究していきたい意向だ。

 なお、価格は1セットのサブスクリプションで、年額259万2000円となっている。サブスクリプションは、プロセステンプレートとソフトウェア(共創ツール群)の最新バージョンの入手および年間Q&A対応を含む。また使用端末の種類は問わない。

 

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