ITソリューション企業総覧2015Web
日立ソリューションズ

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02_セキュリティ ITソリューション企業編

企業・組織を跨いだ共創活動を
円滑に進める情報共有基盤
「活文 Managed Information Exchange」


日立ソリューションズ

www.hitachi-solutions.co.jp/



組織の壁を越える必要性

 企業が商品の機能や価格を強みとして競争してきた時代は変わり、提供商品・サービスから得られる成功体験や、社会貢献、効率向上といった付加価値を差別化して提供することが必要となってきた。

 これまでの関連会社間だけで、そのような価値を提供し続け、競争力を維持・強化していくことは難しくなり、より幅広いパートナーと組織の壁を越えた共創が必要となってきている。

 

現場の状況

 組織の壁を越えた他社との事業推進には、円滑な情報共有が必須である。しかし、必要な情報共有手段が整備されていないため、現場の作業者には煩わしい作業が新たに発生し、業務を圧迫している。

 たとえば、設計現場では関係者とのスケジュール確認などのメッセージのやり取りは「電子メール」を使い、仕様書や図面といったファイルのやり取りは「暗号化」し、FTPなどの仕組みを使って取引先に「送付」している。送付したデータはいつ、誰に、何を渡したのか、「記録」を残しておく必要もある。このように組織の壁を越えた情報共有を行うために現場の作業者は複数の手段を組み合わせながら業務を遂行している。だが、暗号化の作業は忘れてしまうリスクがあり、FTPは通信環境で遅延や失敗もしばしば起こる。そして、もちろん、やり取りするデータは「最新版」を管理する必要もある。

 社内の情報共有では、イントラネット、ポータル、グループウェアなどの導入により解決できていることが、社外とのやり取りではこのようなシステムが使えず課題となっていた。

 

組織の壁を越え、効率的な共創を実現する「活文」

 日立ソリューションズは2014年7月にビジネスコンテンツの活用を支援するソリューションを「活文」ブランドとしてリブランディングした(図1)。文書や図面データ、帳票、画像などビジネスで発生するさまざまなコンテンツをクラウドやモバイルなどIT環境に依存せずに安全な環境で自在に活用するソリューションの提供をめざしている。

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図1 「活文」概要図

 従来は、個別の課題を解決する商品群として提供してきた。このリブランディングにあたり「ビジネスコンテンツを自在に生かし、お客様のビジネスイノベーションに貢献します」と新たなコンセプトを掲げた。ビジネスコンテンツにかかわる製品群を統合。さらにビジネスコンテンツとコミュニケーションを一元管理するコラボレーション基盤からコンテンツ管理、安全な環境など企業の経営課題や価値共創をトータルに支援する。それらの技術を集約し、「活文 Managed Information Exchange(MIE)」を同年9月から提供を開始した。

 「活文 MIE」は組織の壁を越えた共創を行うために、企業向けにSNSに近い操作イメージで情報をやり取りできる情報共有基盤。新しく生まれ変わった活文の中核となる製品である。

 これまで、ばらばらに提供されてきた電子メール、暗号化、転送、版管理など複数のITシステムを一つの基盤上で提供し、関係者内での情報共有を実現する。また、既に社内のコミュニケーションの効率化を目的にしたシステム、たとえば米マイクロソフト(MS)の文書・情報共有ソフト「シェアポイント」など他社製の商品との連携もできる。

 

自動車部品メーカーや複数の研究機関における価値共創研究プロジェクトに活用例

 ある自動車部品メーカーは国内の拠点だけでなく、海外を含むパートナー企業とのスピーディかつセキュアなコミュニケーションが必要とされている。これまでは、企画から設計、試作、生産、保守といった工程ごとに、データ管理システムやメールツールなどを利用し、情報を共有していた。しかし、海外の競合メーカーとのコスト競争が激化する中、顧客ニーズに迅速に応え、付加価値を提供していくためには、パートナー企業も含め、各工程で一体となり、各社が独立に保有するナレッジやデータをプロジェクトとして共有し、活用していく必要がある。「活文 MIE」はそのような、企業の枠を越えた情報共有に、共通インフラとして有効な製品である(図2)。

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図2 活文MIE

 社内では国内の設計部門と研究部門、生産技術部門といった具合に組織横断で情報を共有。コミュニケーションとコンテンツ管理を融合し確実な情報共有を行っている。従来の電子メールでのやり取りではコンテンツを含めて送付時点の情報しか確認できないが、「活文 MIE」では最新情報がすぐに取り出せ、古い情報も遡って経緯を確認できる。

 海外拠点との3次元CADデータ、図面などメガバイト級の大容量データも高速にやり取り通信でき、効率的な情報共有に役立つ。

 また社外のパートナー企業には公開範囲を限定することによって、安全な情報共有を実現している。たとえばA社には全内容を公開し、B社やC社に対しては閲覧できる内容を限定することができる。さらにノウハウの流出防止を考慮するために社外に渡した後の図面データの利用範囲をコントロールすることができる。プロジェクトなどが終了した時点でパートナー企業のメンバーには閲覧できないように遠隔で閲覧停止処理が行える。

 そのほか、複数の研究機関における価値共創プロジェクトでの利用事例もある。同プロジェクトは複数の企業や教育機関が参加する研究プロジェクト。規模が大きく、医学、工学など研究分野ごとにプロジェクトが細分化されており、それぞれにおいて、専門の企業や教育機関が共同で研究を行っている。

 プロジェクト内の研究においては、情報を円滑に共有する必要があるが、一方で各企業が持つ知的財産などの情報についてはきちんと保護する必要がある。同一の研究分野のメンバー内においては情報共有できるが、他の研究分野のメンバーからは閲覧することができないシステムが必要となっていた。そこで「活文 MIE」の情報公開範囲を制限できる機能が決め手となり情報共有基盤として採用された。

 2014年9月の提供以来、製造業を中心に、金融業や卸売業、研究機関、教育機関など幅広い業種からの引き合いがある。今後もグローバルで展開する企業、他企業や教育機関などと協業し、オープンイノベーションを推進するような企業をターゲットに販路を拡大する。

 

ビジネスコンテンツマネジメント事業展開の20年という確かな実績

 日立ソリューションズの「活文」は、1995年の電子帳票運用・保存する電子帳票システムを皮切りにビジネスコンテンツを管理するためのツールを提供。このほか、2,000社以上への導入実績がある文書管理システム、ドキュメント保護ツール、ファイルサーバ管理ツール、大容量高速データ転送を市場へ投入してきた。これまで培ってきたビジネスコンテンツ管理についてのノウハウを集結し、「活文」として新たなスタートを切った。

 その中でも中核を担う「活文 MIE」。企業間連携、オープンイノベーション、グローバル展開の加速など企業における事業環境が変化するなか、顧客企業からの寄せられた多くの要望により、製品化された。他社の情報共有基盤には無い、大容量データの高速転送と細かなアクセス権の設定を強みに、コミュニケーションという観点から企業の経営課題や価値共創を支援していく。

 

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