ITソリューション企業総覧2015Web
NTTデータ/NTTデータ経営研究所

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01_総合システム構築 ITソリューション企業編

 

企業のIT活用力を高める
『ITケイパビリティ診断』


NTTデータ/NTTデータ経営研究所

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IT投資効果を実現するにはITケイパビリティが必要

 IT投資により効果をあげるためには、ビジネス要件に合致した高品質なシステムを開発・導入することが重要なのはいうまでもない。しかし、いくら良いシステムを導入しても、活用されなければ効果はあげられない。

 ビジネス要件に合致した良いシステムを開発するためには、企業としてのIT戦略がしっかりと策定され、その実行のために必要十分なIT予算が確保・調整されていなければならない。そして、時にはビジネスプロセスをあるべき姿に変革する必要もある。このように企業としてのIT戦略、必要十分なIT予算、ビジネスプロセスの変革を実現するためには、IT部門、ビジネス部門、経営層の三者のコミュニケーションがうまくとれている必要がある。また、このコミュニケーションをリードする人材も不可欠である。

 こういった企業が持つべきIT活用能力のことをNTTデータグループでは「ITケイパビリティ」と定義し、5つの能力で構成されている(図1)。このITケイパビリティは、NTTデータだけではなく複数のユーザ企業を交えた研究会を通じて体系化したものでありユーザ企業の視点に立って体系化したものである。また、業種・業態に依存せず全ての企業に必要な能力でIT組織形態への依存度も低いものである。

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図1 ITケイパビリティの5つの構成要素(出所:NTTデータ経営研究所にて作成)

 

『ITケイパビリティ診断』で現状を体系的に可視化

 ITケイパビリティ向上に向けては、まずは、現状を網羅的に把握することが肝心である。現状を網羅的に把握し、課題を可視化し、優先度をつけて対応しなければならない。ITケイパビリティ診断は、現状を網羅的・体系的に把握するための診断ツールである。ITケイパビリティ診断の診断項目は合計36項目の診断項目により診断を行う(図2)。

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図2 ITケイパビリティ診断で活用するコンサルティングツール(出所:NTTデータ経営研究所にて作成)

 

 診断後の施策立案・実行においても、長年積み重ねてきたITケイパビリティ診断・コンサルティング実績および研究をもとにした知見・ノウハウを活用する。

 

[ITケイパビリティ診断]

 ITケイパビリティ向上に向けたコンサルティングの全体の流れは以下の通りで、ITケイパビリティ診断は「・現状分析(診断)」にて実施する。

① 現状分析(診断)

・ITケイパビリティ診断票で診断(アンケートおよびインタビュー)

・現状、課題を整理

・必要に応じベンチマーク

② 施策立案

・課題解決施策(ITケイパビリティ向上施策)の検討

・課題の優先度、効果、実現難易度を鑑み施策を精査し施策実施計画を立案

③ 施策実行

・施策実施計画に基づいてITケイパビリティの向上施策を実行

・実施状況をモニターし、適宜施策および実施方法を見直し

 ITケイパビリティ診断を実施する際には、IT部門に対してだけでなく、業務部門、経営層にもアンケートおよびインタビュー調査を実施することも多い。これは、ITケイパビリティ診断で診断項目になっているIT推進体制の明確化度合いや活用コミュニケーションの実施状況などはIT部門の自己評価だけでは過大評価になる可能性があるからである。

 例えばIT部門は業務部門や経営層に対するコミュニケーションを十分に実施しているつもりでも、業務部門から見ると不十分だったり、わかりにくかったりすることもあるからである。IT部門は十分のつもりでも、他から見ると不十分という認識不一致、これこそがIT部門、業務部門、経営層のコミュニケーションがうまくいかない原因であると思われる。この認識ギャップを把握し、そのギャップを埋めるための改善を行うことができればITケイパビリティは向上する。

 診断結果については、コンサルタントによる評点をつけて終わりではなく、インタビューや同時に現状調査するIT組織状況、IT関連ルール、IT導入状況などをふまえて認識した課題のコメントを行ったうえで、お客様とディスカッションを行い、今後の取り組みの方向性を検討する(図3)。

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図3 診断報告書のイメージ(出所:NTTデータ経営研究所にて作成)

 

『ITケイパビリティ診断』では課題だけでなく原因も浮き彫りにするため解決策が導出しやすい

 ITケイパビリティ診断により浮き彫りになることが多い課題をまとめたものが図4である。各能力のよくある課題の概要としては次の通りである。IT活用ビジョン構築能力については、形としてのIT戦略はあるが単なるIT投資案件の棚卸となっており戦略としての中身がないため伝わらないといったような状況、IT組織および業務部門の役割分担のあいまいさが課題としてあげられることが多い。

 IT活用コミュニケーション能力については、コミュニケーションという行為は行っているが、合意形成のために重要な情報、例えばシステム導入の背景や目的が議論されていない、伝えられていないという課題がよくあげられる。

 プロセスデザイン能力においては、組織をまたがった改革の場合、責任の所在があいまいであることにより改革推進が滞るといった課題がよくあげられる。

 IT投資適正化能力については、多くの企業はIT投資判断のために事前の効果見積は行っているが、事後検証は義務付けられていないため、実施していない企業が多い。

 チェンジリーダー開発能力については、組織の役割のあいまいさが起因して組織要員に求められるスキル要件があいまいであり、それゆえ育成体系がなく育ちにくいという課題がよくあげられる。このように、ITケイパビリティ診断では、表出する問題や課題を浮き彫りにするだけでなく、その原因まで現状分析を行うことにより、課題に対する解決策が導出しやすくなっている。

 

企業により強み弱みはさまざま

 ITケイパビリティ診断により浮き彫りになることが多い課題を紹介したが、企業により強み弱みは様々である。過去の診断事例をみてみると、大手製造業A社では、IT投資適正化能力とチェンジリーダー開発能力が弱みで、課題はあるもののIT活用コミュニケーション能力は比較的強みであった。

 一方、大手製造業B社では、IT活用コミュニケーション能力とチェンジリーダー開発能力が弱みで、IT投資適正化能力が強みであった。また、大手サービス業C社では、チェンジリーダー開発能力が弱みで、IT活用ビジョン構築能力が強みであった。

 企業により、IT組織体制もITマネジメントに関するルールの整備度合いも異なり、風土やリーダーシップも異なる。そのため、当然であるが、このように強み弱みも企業により異なってくる。

 そうすると、例えば、IT活用コミュニケーション能力が弱い大手製造業B社は、それを強みとする大手製造業A社の取り組みを参考にすることができる。また、IT活用ビジョン構築能力は大手サービス業C社の取り組みを参考にすることができる。

 しかしながら、先に述べたように企業により状況が異なるなるため、必ずしもうまくいっている企業の施策が他の企業にフィットするとも限らず、その目利きが重要となってくる。同社ではITケイパビリティ向上に関する長年のコンサルティング実績により蓄積された多くのベストプラクティスや知見をフルに活用し、また、ITケイパビリティ診断を通じて問題・課題の原因まで分析することにより、お客様のITケイパビリティ向上に資する解決策を提供することができるのである。

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図4 ITケイパビリティ診断により浮き彫りになることが多い課題(出所:NTTデータ経営研究所にて作成)

 

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