環境ソリューション企業総覧2015Web
三井住友ファイナンス&リース

三井住友ファイナンス&リース

■環境ソリューション企業編 08_総合ソリューション

金融サービスを通じて
企業の省エネ・再エネへの取り組みを支援


三井住友ファイナンス&リース

http://www.smfl.co.jp/


 三井住友ファイナンス&リース(SMFL)はリースや融資など金融サービスを通じて、企業の環境改善への取り組みを支援している。2008年に環境関連事業を開始し、14年には環境事業本部を設置。同本部内の環境推進部と環境開発部において、省エネルギーと再生可能エネルギーに関する様々な金融商品やスキームを提供している。

リース活用でコスト削減

 省エネルギーでは照明や空調、熱源、動力など幅広い分野を取り扱い、各現場ごとに最適な省エネ施策を提案する。これまで、リースにより導入した設備の稼働時に排出される二酸化炭素(CO2)を温暖化ガスクレジットを活用してオフセットする「カーボンニュートラルリース」を業界で初めて提供するなど、先進的な手法にも積極的に取り組んでいる。

 企業が設備投資を考える場合、製品を生み出す生産ラインにどうしても目が向く。これに比べると、空調や照明などのインフラ周りは優先度が低く、後回しにされがちになる。古くても、使える状態であれば継続使用される傾向にあるからだ。しかしながら、耐用年数に近づいた空調や工場のボイラーなどの熱源は最新設備に比べ効率が劣るのに加え、保守部品の交換でメンテナンス費用も嵩む。長期的に見れば、メンテナンスコストやエネルギーロスによるコストが新規設備への入れ替えコストを上回る場合もある。

 ある食品工場のエネルギー使用比率では、空調・照明他が約3分の1を占めており、製造にかかわる冷蔵・冷凍庫などとほぼ同量のエネルギーを消費している。こうした工場では、空調・照明設備のエネルギー効率化により、製造関連設備のエネルギー効率化を実施した場合と同程度のコスト削減が図れる。

 工場だけでなく、多店舗展開する流通業界でも、多くの店舗で一斉に照明器具を発光ダイオード(LED)に入れ替えれば、相応のコスト削減が見込める。ただ、投資負担も大きくなるため、順次の入れ替えとなることが多い。SMFLはこうした課題を解決するため、リースを活用することで、企業がまとまった資金がなくても新しい設備を導入できるよう支援している。

 リース活用の最大のメリットは、多額の資金がなくても、一気に設備の入れ替えを進め、省エネのメリット(コスト削減効果)を、当初よりすべて享受できることだ。基本リース期間終了後の再リース契約では、リース料が安くなるため、さらなる利益貢献も期待できる。

 例えば、ある東証1部上場メーカーでは廃熱回収や空調設備などの更新で、年2000万円のコスト削減効果があった(図1)。以前は光熱費に年間で7億円かかっていたが、リースによる設備更新で年3500万円を削減。リース料は年1500万円のため、正味年2000万円のコスト削減につながった。

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図1 東証1部上場メーカーのリース導入例

 毎月のリース料と設備更新に伴う省エネのコスト削減額との比較も容易にできるため、設備投資の効果が明確化しやすい。担当者にとって、経営層に提案しやすくなる。

最適な省エネ効果を提案

 さらにSMFLは省エネ施策や設備の幅広い情報、補助金などの最新情報をもとに、企業にとって最適なリース活用が提案できる。企業が自社で設備更新を検討する場合、ビルであれば建設当初の建築業者、工場では普段利用する設備メーカーに相談するのが通常であり、限られた予算の中で企業にとって必ずしも最適な提案が得られるとは限らない。

 SMFLはこれまで多数の省エネ設備メーカーや省エネ運営会社との取引がある。どの設備から入れ替え、その際にどのメーカーの機材がより適しているかなど、予算の範囲内で省エネ効果が最も期待できる提案を行っている。

 また、補助金申請の手伝いもする。補助金を活用できれば企業の負担は軽減され、省エネによるコスト削減メリットもそれだけ大きくなる。一方、手続きは複雑で、手間がかかることも多いことから、中小企業だけでなく、大手企業でも補助金の活用をためらう場合がある。

 SMFLは10年以上、多数の環境関連補助金を顧客に紹介し、申請手続きを支援してきた経験がある。主な補助金の取り扱いは業界でもトップクラスで、顧客が補助金の活用を通じてタイムリーに設備更新ができるように努めている。

 日本政府は30年までに、温室効果ガスを13年比で26%削減する目標を掲げている。目標達成のためにも、省エネを中心施策の一つに位置付けており、企業には改正省エネ法に対して更なる対応が迫られると思われる。その一方で、補助金や優遇税制など省エネを促進するための政策が増強されることも予想される。SMFLはリースの活用により、企業の省エネ設備への切り替えを促進するとともに、CO2削減にも貢献していく。

再生可能エネに多彩な金融商品を提供

 もうひとつ、SMFLが環境分野で省エネと並んで力を入れて取り組むのが、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーだ。日本のエネルギー政策は、11年に起きた東日本大震災の東京電力福島第1原子力発電所事故により大きな転換を迫られた。

 資源エネルギー庁によると、エネルギー自給率は震災前の約20%から6%に大幅に低下。それに伴い、海外からの化石燃料に対する依存度は62%から88%と大きく増加した。国富の流出はもとより地球温暖化の観点からも、再生可能エネの導入は不可欠となっている。

 一方で、12年に再生可能エネの固定価格買い取り制度(FIT)が開始し、設備認定ベースで発電容量は原子力発電能力の2倍の8800万キロワットまで拡大したが、運転開始率は15年3月末時点でわずか22%に留まっている。特に認定が集中している太陽光発電では、認定出力7100万キロワットのうち8割の5600万キロワットが未稼働だ。資金調達がうまくいかず、事業化が進まない案件が数多くある。

 そこでSMFLはリースをはじめとする多彩なファイナンススキームの提供により、企業の再生可能エネ事業化を支援している(図2)。

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図2 提案する金融商品の例

 リースを活用することで、企業は銀行の融資枠を温存できる。貸借対照表(B/S)に計上しないオフバランスを希望する際には、オペレーティングリースを提供する。ほかにも、本業には影響しないノンリコース(非遡及型)型リースの提案や、資本増強のためのメザニンローンの出資なども行う。

 さらに京セラと共同で太陽光発電設備認定の権利を中小企業などから買い取り、代わりに発電する取り組みも始めた(写真1)。事業主となる京セラ子会社の京セラソーラーコーポレーションにSMFLが太陽光発電設備をリースし、地主には地代を支払う。このスキームの第1号として、15年3月に熊本県の工場跡地に総額7億円、出力2300キロワットの太陽光発電を稼働させた。

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写真1 京セラと共同で熊本県の工場跡地に設置した太陽光発電

 これからも、売電権利取得者や遊休地保有者などへ、太陽光発電関連の提案を幅広く行っていく。

 また、再生可能エネを導入する企業だけでなく、メーカーや工事業者の販売を金融の面から支援する販売金融を行っていることも強みとしている。メーカーなどが設備機器を販売する際に、SMFLのリースや融資の金融商品を一緒に提案することで、設備を導入する企業が購入しやすいようにしている(図3)。

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図3 EPC、パネルメーカー向け販売金融

 こうした取り組みにより、SMFLの太陽光発電関連の資産規模は12年に開始して以来、15年3月末時点で1000億円強まで積み上げている。再生可能エネ市場では、FITの認定は取得したものの未稼働となっている太陽光発電のうち、6~7割は資金などが付けば事業化できると言われている。SMFLはこれからも多彩なファイナンススキームを提供し、このような事業を後押ししていくことで、2~3年後には自社の資産規模を2000億円に拡大することを目指す。

地熱や風力にも金融サービスを拡大

 現在、再生可能エネの電源別では、太陽光にFITの認定の96%が集中しており、SMFLもこれまでは太陽光発電を中心に取り扱ってきた。地熱などは環境評価調整や地権者との交渉に長期間を要するなど、開発が太陽光発電に比べ難しいからだ。
 ただ、今後の日本のエネルギー政策を考えると、再生可能エネでも太陽光だけでなく地熱や風力などのニーズが高まってくることが予想される。SMFLはデューデリジェンスから事業計画、設備導入、発電稼働に至るまで発電事業を行う企業を一貫して支援している。太陽光発電同様に様々な金融サービスを提供していくことで風力や地熱、小水力などにも力を入れていく。

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