環境ソリューション企業総覧2015Web
小松電機産業/人間自然科学研究所

小松電機産業/人間自然科学研究所

■環境ソリューション企業編 08_総合ソリューション

21世紀型のハイ・コンセプト事業
クラウド総合水管理システムやくも水神
空間価値創造happy gate門番
オープンマインドから「新しい和の文化」誕生


小松電機産業/人間自然科学研究所

www.komatsuelec.co.jp/ 
www.hns.gr.jp/


 あのグーグル提唱によるクラウド・コンピューティングよりも6年前に、すでにクラウドによる水管理制御システムが出雲で誕生していた。島根県松江市に拠点を構える小松電機産業が実現したソリューションは、それだけにとどまらない。同社代表取締役小松昭夫氏の情熱が込められたシンク&ドゥタンク人間自然科学研究所は、小泉八雲が日本文化に触れて提唱した「開かれた精神オープンマインド」を現代に蘇らせ、「新しい和の文化」が生まれる活動を国内外で四半世紀にわたって続けている。2015年は、その集大成とも言える年になりそうだ。

和譲から生まれる「新しい和の文化」

 小松電機産業の経営理念は、「おもしろ おかしく たのしく ゆかいに」と、他企業ではみられないきわめて単刀直入なことばで表現されている。この根底には、人々の幸せと社会の発展に自分たちの仕事が役立つこと、同社で働く一人一人が自らの個性を発揮できる“人の集団”となることを目指すこと、現状に甘んずることなく、常に個人及び組織の創造的な向上をめざすこと、があるという。

 そこには社会の中で変革をめざし、また世界平和実現をめざして歩んでいく、という組織の姿勢を知ることができる。特に小松氏が重視しているものの一つに、緊張続く極東から広がる世界平和がある。

 島根県松江市八雲町の熊野大社前宮司、出雲大社教前管長の千家達彦様がおつくりになった「和譲」を小松氏が、オバマ政権の基本方針として発表されたスマートパワーを受け、管長の了解を得て定義、プロジェクトの旗印とした。

 太古の昔、困難な状況に見舞われた人々が大海に漕ぎ出し、南方、北方、大陸、半島から出雲に集まり、「古代の和」が生まれ、縁結びの地と呼ばれるようになったといわれる。
 火は核、言葉はスマートフォン、分業は国際分業になった今日、「古代の和」を現代に甦らせ、「新しい和」を出雲から生みだし、世界恒久平和への道筋を拓くという強い思いが込められている。

 和譲とは、3つのソフトパワー“感情を加味した知恵・使命感、会話力”と、2つのハードパワー“集団組織力、道理を実現するための方便”を全体の文脈中で統合することから生まれる、「社会を変える力」と定義され、国内外に知られるようになっている。

人間自然科学研究所が追究する恒久平和

 第三の柱として「楽しく持続的に生きられる地球社会」への道筋を論理的に提案・実行するシンク&ドゥタンクとして展開するため、人間自然科学研究所を創設、「和譲」を旗印に、中国、アメリカ、ロシア、韓国、欧州の「戦争と平和博物館」への公式・研究訪問など世界に向けての平和活動を続けて来た。

 世界に先駆け市場創造してきた、空間価値創造の「シートシャッター門番」、クラウドによる総合水管理システム「やくも水神」と、「平和の事業化」の三事業が時代の要請を受け、地政学的な理由から飛躍的な発展期を迎えている。

 小松氏は、1988年に“知”で社会を改革できる時代がくることを予感し、若手経営者が集う勉強会「知革塾」をたちあげた。そして人間としての尊厳が問われ続けている日本人が未来の展望を拓いていくストーリを描くために研究所を1994年に設立している。

 同研究所では、数々の構想及び提言、シンポジウムを行っているが、その一例を紹介したい。

 2013年に小松氏は、ビル・ゲイツ氏などとともに世界の平和事業家20人の一人に選定され、オランダ・ハーグ市で発表された。2014年には、オランダから芸術家で論理学の研究を続けるイングリッド・ロレマ氏、オーストリアから政府認定のガイド、イップ常子氏など10人の発表者を迎え、松江市で500人の聴講者のなか、シンポジウム「八雲立つ出雲から陽が昇る」―女性が羽ばたく地方創生のモデルをめざして―を開催。

 2015年にはこうした活動の集大成として、新華社通信の元日本代表の張可喜氏の著による「対立から共生へ 小松昭夫の和の文化の理念と実践」(中国北京・学苑出版社)、「悠久の河 周藤彌兵衛翁物語」(今人舎)、「天略 やくも立つ出雲から生まれた新たな和の経営理論」(早川和宏著、三和書籍)、「島根核発電所 島根原発光と影」(山本謙著、三和書籍)が一挙に出版された。

 42年間一人で山を削り、97歳で切通しを完成、暴れ川の流れを変えた偉人、周藤彌兵衛翁の業績と、人間自然科学研究所の活動を学び、地方創生事業の先駆けを務めようと、小松氏の地元、松江市八雲町を起点に、八雲志人館(佐藤京子会長)が立ち上がった。
 昨年は、日中戦争の激戦地、山東省で制作された周藤彌兵衛翁の巨像が、8月1日「水の日」に、八雲町で建立された。

 本年の「水の日」には、周藤翁像の前に、女性初のノーベル平和賞受賞者ベルタ・フォン・ズットナー女史の三体の銅像を設置、(イングリッド・ロレマ氏制作、1号はカーネギー財団が発注ハーグで展示中、2~3号はハーグで生まれ、3号はウィーン展示後、日本へ。4号は高岡で生まれた日蘭合作1号)、戦争経験者による終戦記念日にあたっての朗読、古代笛演奏などが開かれた。この地を拠点に、広報誌週刊「ゆう科学通信」も発行され、新たな塾も創設される。

空間価値創造happy gate門番
クラウド総合水管理システム「やくも水神」

 小松電機産業には、具体的な二つの代表的ソリューションがある。

(1)地球温暖化防止に貢献するhappy gate門番
 高速シートシャッター門番は1985年に全国発売し、冷暖房効果をはじめ防塵、防風効果が劇的に向上する等、地球温暖化防止にも貢献するソリューションであることから、15万台以上という販売実績となっている。

 2012年には空間価値創造をキャッチフレーズにした「happy gate門番システム」が「ものづくり日本大賞優秀賞」を受賞した。happy gate門番システムは、制御装置を小型化し、制御盤を内蔵させたことにより一層のコンパクト化を実現、取付けや移設も容易にし、業界におけるデファクト・スタンダードになっている。図1がその使用例だ。パイプレスの屋内型は、開閉は業界最速の秒速3mで、衝突などでシートが外れても開閉ボタンを押せば自動的にガイドに収まる自動復帰機構を内蔵しており、作業を妨げることがない。

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図1 happy gate門番システムの利活用例

 人や物があたった場合は秒速0.5mという低速で反転上昇し、センサが感知した場合は安全第一で秒速1.5mという中速で上昇するような設計となっている。なお、万が一停電で閉じ込められても、シートは女性でも簡単に下から持ち上げ、脱出ができる構造となっている。これまでに、マイナス25度対応の冷蔵冷凍庫仕様、電気を使わず空気の力で開閉し揮発ガスがあるエリアでも使用できる防爆仕様、エアシャワーやエアカーテンなどへ組み込める門番ユニットなど、多様、高度化する産業に対して、環境を進化させる製品を市場に送り続けている。

 2015年には、大成イーアンドエル、イカリ消毒との三社共同で、「外側は防虫、中は誘虫」の世界初の新型オプトロンシートを開発、マジックオプトロン門番を発売、好評を得ている。さらに、側面のジッパーを特殊なチューブに変え、静粛性を飛躍的に高めた門番チューブの開発とあいまって、新たな発展期を迎えている。

(2)クラウド総合水管理システム「やくも水神」
 2000年、沖縄サミットで発表されたeJapan構想にあわせて全国展開が始まった「やくも水神」はいま、46都道府県380自治体8400施設に導入されている。上下水道施設のほか農工業用水、雨水、消雪、ゲート、温泉水などあらゆる水関連施設の管理を、タブレットをはじめスマートフォン、PCで遠隔制御管理可能なシステムであり、ICTとともに着実に進化を遂げているソリューションだ。

 NTTドコモのFOMA網を活用した、クラウド・コンピューティングによる世界初の総合水管理システムであり、2003年には松江発のプログラミング言語Rubyによってシステムを刷新、データセンターを松江と東京の東西約600km離れた2拠点に設置し、高セキュリティを実現させている。

 出張先、時間帯を問わず、同じ画面をみて遠隔監視管理ができるため、役所内の部署、自治体を超えた「広域クロスオーバ管理」を実現するプラットフォームになった(図2)。

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図2 やくも水神のネットワーク環境における利活用例

 2001年からマンホールポンプの制御にやくも水神を導入した東京都町田市では、東日本大震災後の計画停電実施時間前に、流入量の多い施設を中心にマンホールの汚水を予め圧送していたため、汚水の流出がなかった。津波で犠牲者もでた水門管理の反省から、同システムによる遠隔開閉管理も各地で進んでいる。

 東京都武蔵野市では、雨水管理に「やくも水神」を導入、ホームページで“雨水の今”を市民が見られるように公開した。

21世紀型の新ビジネスモデルをめざして

 小松電機産業は地球温暖化防止に貢献し「高速シートシャッター門番」と水の情報から世界恒久平和プラットフォームの先駆けとなる「やくも水神」という2大ソリューションと「平和の事業化」を進める人間自然科学研究所を擁している。同社は21世紀の新しいビジネスモデル構築をめざして躍進する。

参考文献
1)朝鮮半島と日本列島の使命:一般財団法人人間自然科学研究所編著、報光社
2)天略:早川和宏著、三和書籍
3)世界に先駆けクラウド総合水管理システム「やくも水神」で、悠久の平和を提唱:「財界」中国経済圏特集、2015年9月8日
4)悠久の河 周藤彌兵衛翁物語:村尾靖子著、今人舎
5)島根核発電所 島根原発光と影:山本謙著 一般財団法人人間自然科学研究所編、米子プリント、三和書籍

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