環境ソリューション企業総覧2015Web
御池鐵工所

御池鐵工所

■環境ソリューション企業編 03_リサイクル・廃棄物対策

社会から必要とされる
未利用資源活用プラントを次々と提供


御池鐵工所

www.miike.co.jp


 御池鐵工所は1953年に創業以来、一貫してリサイクルプラントに携わってきている。「廃棄物の埋立・焼却の時代からリサイクルする時代へ」と大きなパラダイムシフトが起きるなか、同社は新しい産業の創出をめざし、未来に向けた企業活動のコンセプトを「リサイクル・ルネッサンス」と命名し、活動を展開している。

 廃棄物処理機械やプラントのメーカーは少なくないが、同社は他に類例が少ない特色を有し、このことが競争優位を確立している。

MIIKEブランドを支える3つの特色

 第一の特色は幅広い製品群を有しており、リサイクルの全工程に関わる製品を同社1社で担っていることだ。複数のメーカーの機械によって構成されたプラントで、不具合が生じた場合、往々にして責任のなすり合いになる。しかし、同社のように全工程を1社で担っていれば全責任を持つこととなる。だからこそ各工程を点でとらえるのではなく、全体をつながった1本の線でとらえることができプラントの提案においても目的や予算、設置レイアウトなどあらゆるニーズに的確にこたえることができる。

 第二に、「妥協のない製品づくり」を一貫生産体制で行っていることだ。同社の製造工場は単なる組立工場ではなく、機械加工・製缶・組立をすべてになっている。最新の工作機械を数多く導入し、技術者が手間暇かけ製品の細部にいたるまで妥協を許さない姿勢でモノづくりを行っている。

 第三は、2,500坪の敷地にあるテスト工場だ(写真1)。廃棄物はその発生状況によって多種多様であり、その処理ニーズも多様である。これらのニーズに対応し、ベストな機器の選定や最適プラントの構築は机上では限界があり、実証実験が不可欠である。こうした実験を行うのがテスト工場で、プラント計画時に顧客と共同で実証実験を積み重ね、その結果からベストな機器選定・プラント構成を提案できるのである。また、新しく開発した機械やプラントに関し、様々な条件での試験を行うこともこのテスト工場の重要な役割だ。

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写真1 テスト工場の1号棟、2号棟

価値ある固形燃料を製造するRPF製造プラント

 未利用資源の有効活用を目指す同社は「RPF製造プラント」に注力している。

 RPFとは廃プラスチック、紙、木材などを固形化したリサイクル燃料である。

 同社の固形燃料への取り組みはかなり古い。1956年に製材所から発生するおが粉を円柱状に成型した「オガライト」製造プラントを手掛けており、オガライト製造プラントは同社の原点であるともいえる。その後「廃棄物と呼ばれる“未利用資源”をいかに有効活用することができるか」に挑戦し続けた現在の姿がRPF製造プラントである。この過程でRPF製造の基本技術である「破砕」「成型」だけでなく材料により必要となる「選別」「乾燥」のノウハウも多数蓄積してきた。RPF製造プラントは「破砕」「選別」「貯留および定量供給」「成型」「冷却」からなり、一つでも瑕疵が生じると製造されるRPFの品質に悪影響を与える。その点、同社では上述の工程に加え「乾燥」工程も含めたすべての工程を自社で設計・製造しており様々なノウハウを蓄積していることから顧客からの信頼度・満足度は非常に高い。

 低酸素化社会に向けて不可欠ともいえるRPFは、現在需要に対し供給が不足しているという事態に陥っている。この事態に対して同社は、従来RPFの原料として敬遠されてきた建築系混合廃棄物からRPF原料を取り出すという技術の確立に成功している。

建築系混合廃棄物に
新たな価値を持たせるための選別プラント

 建築物の解体現場から発生する廃棄物は最も厄介な廃棄物の一つに挙げられる。以前に比べると格段に現場での選別が進んではいるが、選別しきれずにごちゃ混ぜになってしまった「混合廃棄物」は必ず発生してしまう。この混合廃棄物には木材・紙・石膏ボード・金属・コンガラ・陶磁器くず・土砂・廃プラスチックといった様々な廃棄物がざまざまな形状で混入しているのが特徴である。それゆえに従来ではなかなか効果的・効率的な選別ができず適正な「有効活用」が困難とされてきた。

 これに対し同社は粗選別機「バリオセパレータ」を建築系混合廃棄物に対応できるように改良した(写真2)。

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写真2 バリオセパレータ

 このバリオセパレータにより従来よりも粗選別にかかる人手を大幅に減らすこととなり、バリオセパレータによる粗選別後も同社の多彩な機種ラインナップを駆使し、適正処理が困難であった混合廃棄物を「RPF原料」、「再生砕石」「再生砂」「ミックスメタル」などの価値ある資源へと再生することに成功したのである。もはや「廃棄物の処理」ではなく、高精度・高品位な「リサイクル材を製造する」プラントであり、日本の各地で同プラントは活躍している。

間伐材や廃木材を有効活用する木質ペレット製造プラント

 前述の通り、同社では1956年より製材所から発生するおが粉を原料としてオガライトを製造する「オガライト製造設備」を手掛けて以来、木材の利用方法について破砕、選別、乾燥、成型など幅広く技術を蓄積してきた。

 木質ペレットは木材を直径6~8mm程度の円柱状に加工した燃料であり、間伐材の有効利用、化石燃料の代替燃料、低炭素化社会の実現といった様々な観点からも注目されており、日本においてもここ数年で急激に生産量が伸びつつある。

 同社はこの木質ペレット製造プラントにおいても全工程(図1)を自社で設計製造している。

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図1 木質ペレット製造プラント基本フロー

 原料となる木材によって破砕の方法も変わってくるが、①間伐材や製材において発生する背板などの長尺木材②根曲り材、株、剪定枝、バークなどかさばる木材③家屋解体木材、木質パレット、梱包木材など金属が付着している木材、といった3種の基本ラインをベースに様々な破砕方法に対応している。また、乾燥についてもロータリーキルン方式と気流方式の2種類を用意しており、どちらも連続操業が可能なため安定した乾燥が可能である。造粒機はリングダイ方式を採用しているが、木質ペレットの造粒においてはプラスチックや家畜飼料などよりも機械に負担がかかるため、プレスロールを2つから3つに増やしてより効率的なプラント操業を実現している。

これからも次々と新製品を開発

 こうしたラインナップに満足することなく、同社ではユーザーニーズ、社会的な課題を直視し、バイオマス発電のチップ燃料製造用の大型破砕機を市場に投入するなど新製品の開発に余念がない。

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有用なRPFについて

 廃棄物を価値ある固形燃料にしたものにはRDF(Refuse Derived Fuel)とRPF(Refuse Paper&Plastic Fuel)がある。RDFは家庭ごみなどの一般廃棄物を主原料にしており、各家庭での分別に限界があることから塵芥、不燃物、異物、塩ビなどが混入する。こうした原料の性状から、品質が安定せず、多大なエネルギーを消費して生産しても燃料としての利用価値は低い。また、RDF製造施設では、その乾燥工程でダイオキシンの排出があることから、大型ごみ焼却施設と同水準の排出規制の対象となっている。

 一方、RPFは主に産業廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難なプラスチック、古紙、廃木材などを原料としている。原料の性状が明らかなため品質が安定している。また、固形で密度が高いため、コークス、微粉炭などと同様の利便性を持ち、ハンドリング性が良い。

 そして、高カロリーのプラスチック、低カロリーの紙・木を混合したものが原料であることから、燃焼形態に応じたカロリーの調整が可能で、エンドユーザーのスペックに合わせて提供できるというわけだ。

 さらに、化石燃料の代替燃料として活用できるため、CO2削減など地球温暖化防止に
寄与する。他にも、ボイラーなど燃焼炉の排ガス対策が容易であることや、他の燃料に比較して経済性があるなど、RPFの魅力は数多い。そのため、石炭やコークスなどの化石燃料の代替燃料として、製紙業界や鉄鋼業界などで利用されている。

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RPFサンプル例

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