環境ソリューション企業総覧2015Web
インタビュー 一般社団法人情報機器リユース・リサイクル協会 小澤 昇専務理事

インタビュー 一般社団法人情報機器リユース・リサイクル協会 小澤 昇専務理事

■特集 特集2 社会生活に恩恵をもたらす最新環境対策

拡大する情報機器リユース・
リサイクル市場


一般社団法人情報機器リユース・リサイクル協会 小澤 昇専務理事に聞く

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聞き手:環境ソリューション編集部


 わが国の2013年度リユース情報機器買取り台数は388万8000台(前年度比116%)、販売台数は349万9000台(前年度比109%)であった。また情報機器リサイクルのための回収台数は88万7000台かつ資源再利用量は7010トンで資源再利用率は89.5%に達した。いまこの市場は着実な拡大傾向をみせている。

 ここでは、情報機器リユース・リサイクル協会(RITEA)専務理事・事務局長の小澤昇氏に、最近の動向を聞いた。

RITEAの役割

 わが国唯一の情報機器リユース・リサイクル関係の全国規模事業者団体がRITEAだ。ここではPCやサーバ、スイッチ(Hub)やルータ等ネットワーク機器、液晶/CRTディスプレイ装置、スマートフォン、タブレット等様々な情報機器のリユース及びリサイクル(部品・材料を含む)を目指し、広報活動をはじめ関連市場の実績値公表及び提言、業界関連団体との連携、リユース情報機器取扱及びリサイクル取扱の事業者認定制度実施ほか実に多彩な活動に取り組んでいる。現在RITEAの参画業者は正会員18社、準会員25社、特別会員5社、賛助会員3団体で、合計51社・団体による構成である(2015年8月末現在)。

 RITEAが具体的にめざすのは、「安心して情報機器の売却や購入等が可能なリユース・リサイクル市場の形成・発展」をはじめ「情報機器リユース・リサイクルに関わる良質な事業者育成及び認知度向上」、そして「廃棄物発生抑制やCO2排出削減等の環境・循環型社会への貢献」である。なかでも、買い取って再生処置(工事)し再販売する「リユース」及び回収して資源化する「リサイクル」はRITEAにとっても主要な事業分野だ。

厳しさ増す新品PC売行きの中で内外ユーザの関心呼ぶ情報機器リユース市場への期待

 情報機器リユース市場の伸長ぶりは堅調だ。表1は2013年度のリユース情報機器の買取り及び販売台数を表している。それによると、リユース用として買い取った使用済み情報機器は合計388万8000台で前年度比116%である。そして実際にリユース販売されたのは349万9000台で前年度比109%である。なかでも注目のPCはノート型、卓上型の合計で買取り260万9000台(前年度比123%)、販売台数が231万1000台(前年度比110%)であり、買取り・販売台数とも過去最高を記録したのである。また、OS再インストール済みは92万9000台で、販売台数の40%を占めるまでになった。

 RITEAによれば、新品購入PCの使用期間は7~8年が常識のようで、こうしたリユースにまわされるのは、使用後3~5年ものが多いという。上記231万1000台という販売台数は、2013年度の新品PC販売台数が約1500万台というから、全新品PCに対して15%を占めている。いずれにしても、新品PCの伸長が厳しい中、リユースPC市場はユーザ認知度も高まり、まちがいなくその台数は伸びているといえる。海外での評判も上々で、とくにITが進むアジアやアフリカ等では、新品PCの購入は厳しい国が多数存在し、リユースPCに関心が高まっている。特に、日本製は壊れにくい点が好評だ。


表1 2013年度リユース情報機器の買取り及び販売台数
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情報機器リサイクル市場が創出する都市鉱山の価値

 情報機器リサイクル市場の伸びも堅調だ。表1のうちPCやサーバ、ディスプレイ、プリンタ、ネットワーク機器、スマートフォンやタブレット等14製品を対象に、2013年度の場合、使用済み機器の回収台数は88万6930台で、うち資源再利用量は重量換算で7010.23トンであった。このとき再資源化処理量が7830.69トンなので、資源再利用率は実に89.5%にまで達している。

 上記の資源再利用量7010.23トンの主な内訳は、鉄や鋼、アルミニウム等ベースメタルが5236.87トン、金や銀等貴金属が1.35トン、クロムやコバルト、ニッケル、パラジウム等レアメタルが6.20トン、プラスチックやガラス等その他材料が1507.90トン等となっている(表2)。

表2 2013年度使用済情報機器から回収した資源再利用量
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 注目すべきは、やはり貴金属であろう。たとえば自然鉱山からの鉱石1トンから約5g金を採取できれば採算にあうという。表2では、金が250kgだから仮に1g4500円~5000円とすれば、実に11.25億円~12.5億円相当になる。これを廃棄物から回収できるので、そのパフォーマンスのよさがうかがい知れる。多分に余談になったかもしれないが、これを、ベースメタルやレアメタル等の採取重量と合わせて考えれば、まさに日本の「都市鉱山」と呼んでも過言ではないほどだ。このように、リサイクルの観点からすれば、情報機器類はもはや都市鉱山の主役なのである。

情報機器リユース・リサイクル取扱者検定への取組み

 RITEAでは伸長する情報機器リユース・リサイクル市場に鑑み、この分野事業に携わる人々が関係する法令の学習やコンプライアンス(法令遵守)、実務面での理解度向上や確認のために、取扱者検定を実施している。2015年7月には今年度第1回目の検定を行った。同時に検定試験のための事前補習や勉強会の支援も行っている。とくに売却や廃棄時あるいは購入時に不可欠の「データ消去」の理解、あるいは都市鉱山の理解にも有益とされている。なお検定に合格すると、有効期間は2年間で、その後は再度受験が必要だ。

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