環境ソリューション企業総覧2015Web
インタビュー ファミリーマート 谷田部克巳マネジャー/新井弘之氏

インタビュー ファミリーマート 谷田部克巳マネジャー/新井弘之氏

■特集 特集2 社会生活に恩恵をもたらす最新環境対策

店頭廃棄物の回収とリサイクル


ファミリーマート 谷田部克巳マネジャー/新井弘之氏に聞く
s-B_02_00_1 s-B_02_00_2

 日本全国で11000店を超える店舗数を擁するファミリーマートでは、発生するゴミ対策をどのようにしているのであろうか。とくに、弁当や惣菜、パンほか生ゴミの処理対策では、実に効果的な食品リサイクルループのもと、液体飼料化をはじめ肥料化、バイオマスエネルギー化に還元させるといったことを実現、精力的な取組みを展開している。

 ここでは、ファミリーマート 管理本部 CSR・コンプライアンス部付マネジャー谷田部克巳氏(左)及び同CSR・コンプライアンス部 CSRグループ新井弘之氏(右)にそのプロセスを聞いた。

全国店舗からの膨大な廃棄物をどう処理してきたか

 周知のようにコンビニエンスストア業界でもトップクラスのファミリーマートは、フランチャイズシステムによってその事業を拡大してきた。すなわちファミリーマート本部が店舗経営を行う権利を加盟店に与えるというものである。

 本部と加盟店はそれぞれが独立した事業者という形態のもと発展してきた結果、いまでは日本全国で11000店を超える規模にまで成長している。

 この広域に亘る店舗規模を誇るファミリーマートでは、取扱商品の中で、日々発生する廃棄物にどう対処しているのであろうか。各店舗で発生する可燃物や不燃物などの廃棄物の量は概ね1日あたり65kg弱というが、これが全ての店舗からともなると、大変な重量及び数量となってしまう。

 そこで、まずは廃棄物自体の発生抑制を各店舗で心がけ、さらに再生利用を重要な課題と位置付けて発注精度を向上させることにより、食品製造における無駄な廃棄削減に取り組んでいる。一方、各店舗で発生する売れ残り食品などの生ゴミはリサイクル工場で、適正に可能な限りの再資源化に取り組んでいる。また、訪れる客にも、ゴミではなく再資源として利用できるよう適切な分別廃棄の協力要請を行っているところだ。

 現在ファミリーマートでは、各店舗で、販売期限切れ商品等生ゴミをはじめ瓶や缶、プラスチック等不燃物及び紙ゴミ、さらに段ボール、そして生ゴミや紙ゴミ以外の可燃物等に分別回収している。

生ゴミ処理機による対応

 ファミリーマートで分別回収する廃棄物でも、とくに生ゴミ処理に対する取組みには、組織的な考え方のもと卓越したものがある。ここでは、その点にフォーカスしてみたい。

 まず、1999年から、販売期限切れの食品である商品を回収して、肥料へリサイクルさせる“生ゴミ回収リサイクルシステム”の導入拡大に取り組んできた。そして、2002年度には、実験導入による検証目的で生ゴミ処理機を導入、作業効率をはじめ、使い勝手、安全性及び操作性等で良好な結果を経て、いよいよ2003年度からは個店設置型生ゴミ処理機を設置し、販売期限切れの弁当や惣菜、おにぎり、サンドイッチなどの減量処理に取り組んでいる。生ゴミ処理機による1回の処理重量は最大5㎏で、約80分処理後には不快臭は消え容積が4分の1になることに加えて、食品にかなり含まれる水分も飛び、重量は半分程度にまで下がる、という。

食品リサイクルループの稼働

 廃棄物に伴う法規は厳しく、対応にはことさら注意が必要だ。特に食品リサイクル法では、発生抑制や減量化のほか飼料や肥料等の原材料としての再生利用を促進している。コンビニエンスストアの場合、直営店では約30%の生ゴミリサイクルをしなければならなかった。ところがその後、同法律が改正され、直営店及びフランチャイズ店含めてリサイクル率は45%指標となり、かなりハードルが高いものになったのである。

 そこで、生ごみ処理機に対応することからファミリーマート本部では、店舗でのオペレーションを軽減できる食品リサイクルループを構築した(図1)。このループは取引先の弁当工場であるトオツカフーズ及び戸田フーズも参加し、食品工場からの食品残渣の処理も実施されている。この図は東京近郊の場合であるが、各店舗の生ゴミを八王子他及び府中市他の各店舗から資源収集・運搬業者(まごころ清掃社及び古川新興の2社)が回収し、それらを積替えの中継的役割を果たす収集運搬業者(明和運輸)まで配送する。

 

s-B_02_01_2
図1
 食品リサイクルグループの分散化された積替え拠点

 このとき中継的役割を果たす収集運搬業者が必要なのは、回収拠点があまりに多く資源収集・運搬業者の負担が大きくなるので、継続性や持続性を維持させるために設けたものだ。これにより、収集・運搬業者のオペレーションや回収運搬コスト、ドライバーたちの拘束時間に関わる負担がかなり緩和されることになっている。現在、それぞれの取扱い店舗数は概ね、まごころ清掃社が80店舗、古川新興が90店舗で、中継する明和運輸から千葉県の食品リサイクル業者(ブライトピック千葉)には、約600店舗分が配送されている。

 なお、この東京近郊における食品リサイクルループ例のメリットは、上記収集・運搬業者あるいは食品リサイクル業者等に不測の事態が発生して収集・運搬が不可能になるかもしれないリスクを考慮して、それぞれバックアップ体制を備えている点だ。図1には表記していないが、エコフーズといった会社を準備している。この体制でも、通常時の場合とまったく同じ仕組みを維持しているので、いつでも対応可能という安心感を備えている。

どのようにリサイクルされるか

 ブライトピック千葉に配送されてきた原料(食品ベースの生ゴミ)は、ここで飼料にリサイクルされる。とくにブライトピック千葉は、養豚業が母体で、豚たちの餌という観点でリサイクル状況を概観してみよう。

 図2には、運輸・配送の仕組みのほか食品リサイクルの大まかな仕組みを、改めて示した。持ち込まれた原料は、袋だしや粉砕、種類別に分類された後、液状化される。これがリキッドフィード(液状飼料)だ。豚の健康状態にあわせて、ブレンドする等餌づくりが行われる。これを給餌された豚はバランスのとれたリキッドフィードにより、病気も少なく健康に育っていく。そして、生み出された豚肉は食肉や食肉加工品となり、一部食肉が店舗で弁当となって販売されており、ムダのない循環型フローが実現されることになるのだ。

 

s-B_02_02_2
図2 東京近郊の例にみる食品リサイクルループの全体像

 ブライトピック千葉のリキッドフィードの生産量は現在、1日あたり約240トンとなっている。作り出されたリキッドフィードは、飼育豚約3万7000頭に給餌されているという。

食品リサイクルの今後の目標

 ファミリーマートでは現在、本部システム加入約7000店舗中、2200店舗が食品リサイクル指示に準じている。そして、発生抑制含む食品リサイクル率は45%である(2015年3月現在)。前述のように、改正された食品リサイクル法によれば直営店及びフランチャイズ店合わせて45%が食品リサイクル対応しなければならないので、引き続き徹底した取組み姿勢が必要であろう。

 だが、食品リサイクルというからには、最終的には店舗にフィードバックされてくることが理想という。その実現のために、どのような仕組みが必要となるのか、ファミリーマートでは現在、研究開発に取り組んでいるところだ。

« »