環境ソリューション企業総覧2014Web
東亜ディーケーケー

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07_環境関連ソフトサービス 環境ソリューション企業編

環境負荷に配慮した分析計


東亜ディーケーケー

www.toadkk.co.jp


 東亜ディーケーケーは創業70年を迎えた環境計測分析計の老舗である。大気環境、環境水質に関わる分析計を供給している。環境の状況を測定することは環境浄化の第一歩ではあるが、それだけで、浄化が実現するものではない。燃料油中の硫黄分の低減化によって大気に排出されるSO2を削減するなど、根本的な環境浄化策も進められている。同社は、そのような動きにも呼応して、石油精製プラントの精製工程中で硫黄分を測定し、より効果的に硫黄分を除去するために使用される分析計も供給するなど、広い意味で環境浄化に貢献している。

 近年環境浄化は水や大気を直接汚さないというだけではなく、省電力、省資源など、間接的な取り組みも求められている。同社は、このような取り組みにも目を向け、省電力型分析計や試薬使用量を低減して廃液量を削減することで環境負荷を低減する分析計の開発にも注力している。

水質総量規制に関わる省試薬型分析計

 環境水質浄化は環境基本法、水質汚濁防止法などに基いて推進されて大きな成果を挙げている。東京湾を初めとする閉鎖性海域で問題化した赤潮対策として、事業所排水中のCOD、りん、窒素の総量を削減することを目指して施行された水質総量規制は、大規模事業所にこれら3項目を自動計測器によって継続的に測定することを求めている。当初はCODに関わる規制だけだったが、10年ほど前にりん及び窒素が加えられ、現在の3項目となった。東亜ディーケーケーも水質総量規制発足当初から、COD自動計測器を供給し、りん窒素の自動計測器も投入してきた。しかし、これらの分析計は試薬を用いて化学分析を行うものであり、測定後の廃液は微量ではあるが環境負荷とならざるを得ない。しかし、昨今環境計測に当たってもそのような環境負荷を極力低減する動きが始まっている。

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   写真1 CODR-400      写真2 NPW-400

(1)省試薬型COD自動測定装置CODR-400型(写真1)

 COD測定の公定法はサンプルを100ml採取し、硫酸及び過マンガン酸カリウム溶液各10mlと硝酸銀溶液5mlを加えて煮沸した後、しゅう酸ナトリウム溶液10mlを加え、これを過マンガン酸カリウム溶液で滴定するというものである。滴定に使用する過マンガン酸カリウム溶液はほぼ10mlである。この公定法通りの自動測定を行うと用いた試薬類が廃液として排出される。COD自動計測器は通常1時間毎に測定を行うので、1時間毎に上記の薬剤が廃液として排出される。

 東亜ディーケーケーが9月に発売したCODR-400型COD自動測定装置はサンプル採取量を公定法の1/20の5mlとし、用いる薬剤も同比率の1/20とした(硝酸銀だけは、濃度を1/2として使用し、液量は1/10である)COD自動計測器である。排出される試薬類の絶対量は公定法の1/20となっている。同社が販売してきたCOD-203A型は公定法通りの試薬量で測定を行っており、従来機比としても、試薬使用量が1/20となっており、環境負荷が1/20に低減される。

 試薬使用量の削減は試薬補給頻度の低減にもつながり、メンテナンス性も大幅に向上しているという。

(2)省試薬型全窒素・全りん/COD自動測定装置 NPW-400型(写真2)

 水質総量規制の対象項目はりん、窒素およびCODの3項目である。NPW-400型は試薬使用量を同社の従来機NPW-160型の3/5としたものである。この機種も、CODR-400型と同じく、試薬使用量低減即ち環境負荷低減をコンセプトとして開発された。CODR-400型が従来機比1/20の試薬使用量であるのに対し、NPW-400型は従来機比3/5と削減率は小さいが、従来機自体が、すでに公定法の1/10の試薬使用量であったので、公定法に比べれば、3/50であり、こちらも大まかに言えば公定法の1/20といえる削減率である。

 この機種は3項目を1台で測定しているが、その測定手順は図1の通りである。ここで使用しているすべての試薬について使用量を従来機の3/5としている。CODの測定は、UV法を採用しており、通常測定では試薬を使用しない方式である。従来機でも、COD測定はUV法であり、この項目については、従来機でも、環境負荷を低減したものだったといえる。

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図1 NPW-400型 測定手法

 COD測定の公定法は、前項で示した通り、サンプルに過マンガン酸カリウムを加えて反応させた後、最終的に滴定法で測定するものである。しかし、水質総量規制では、必ずしもこの公定法通りの測定でなくても良いとされており、公定法と十分な相関が得られる手法であれば認められている。UV法はその代表例であり、多くの事業所が、この手法によってCODを測定している。この方法は試薬を使用しない(動作確認などで標準物質を使うが日常の測定では試薬類は使用しない)手法であり、メンテナンスや環境負荷を考慮すれば、滴定法によるCOD測定よりいろいろな意味で有利な方法といえる。しかし、排水の組成によってはUV法による結果と公定法によるCOD測定値の間に十分な相関が得られないこともある。このような場合は、前項で説明したような公定法をベースとして測定するCOD計を導入する必要がある。

燃料油中高感度プロセス硫黄計 HSCA-2000型(写真3)

 環境汚染を元から断つことができれば、大気や水質の浄化は画期的に前進するだろう。大気中の二酸化硫黄は自動車などの燃料であるガソリンや軽油に含まれる硫黄分からももたらされる。そのような燃料油中の硫黄分を低減できれば、これらを燃焼させることで生じる二酸化硫黄が減少し、大気汚染も低減される。現在、このような燃料油中の硫黄分は法律や石油業界の自主的な取り組みによって一時期に比べて大幅に低下している。1970年代の軽油中には1%ほどの硫黄分が含まれていたが、現在では10ppm以下と1/1,000以下に低減されている。東亜ディーケーケーは石油精製プラントで使用される軽油などの燃料油中硫黄分をオンライン測定する硫黄分析計も供給して燃油中硫黄分の低減に貢献し結果として大気中二酸化硫黄の低減に寄与している。

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写真3 HSCA-2000

 HSCA-2000型高感度硫黄計は、軽油などに含まれる硫黄分の規制値である10ppm以下を精度よく測定することができる分析計である。測定手法は、蛍光X線法を採用しており、この製品も、測定に試薬類を使用していない。

油膜検知器ODLシリーズ

 環境水中への油分の流出は水中のCOD上昇や水面の油膜によって水と空気との接触が絶たれるなどのため、水中の溶存酸素低下を招き、水棲生物の生息環境に多大な影響を及ぼす。また、河川水を取り込んで浄化し供給している浄水場が取水する水に油分が含まれると、設備機器に付着して浄化処理に悪影響をもたらす。このような事態を防止するためには、河川など環境水への油の流出を防止することが得策である。水質汚濁防止法では、事業所からの排水中に含まれる油分について規制値を設け、環境水への油の流出を食い止めようとしている。油分の測定方法も定められている。その測定方法は、試料水中の油分を有機溶剤であるノルマルヘキサンに抽出して分離し、ノルマルヘキサンを蒸発させ、残った物質の質量を測定するというものである。この測定にはかなりの熟練と時間が必要である。万一油が流出したときこのように時間をかけることなく迅速に検知して流出防止の処置をとることが望まれる。

東亜ディーケーケーの油膜検知器ODLシリーズ(写真4)は、水中油分濃度の測定はできないが、水面に存在する油膜を迅速に検知する。多くの油は、水より比重が小さく、水への溶解度も小さい。このため水面に油膜を作る。さらに多くの油は、水に比べて光の反射率が大きい。このため、油の流出は肉眼でも容易に発見できる。しかし、人による監視を24時間連続して実施することは容易ではない。水面の光具合を光学機器によって検知すれば、連続的な監視が可能であり迅速に警報を発することができる。ODLシリーズは、図2に示すように、水面からの反射光を監視し、その反射光量が所定の値を超えたとき、油があると判断して警報を発する検知器である。油の流出、流入防止にさまざまな分野で活躍している。

 この検知器も、光学的な検知方法であり、試薬類を使うことなく水面の油膜を監視している。

 

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   図2 ODL-1600A型 検知手法       写真4 ODL-1600A

 

省電力型ポータブル分析計(写真5)

 地球温暖化が問題視されその対策のひとつとして省電力挙げられてきた。化学分析計の分野でも、省電力化は大きなテーマのひとつである。東亜ディーケーケーも新製品の開発途上で、省電力化も目標としている。pH計を中心とするポータブル分析計は電池で動作する。消費電力ももともと微々たるものである。しかし、いわゆる使い捨て電池の使用はその廃棄が環境に影響を及ぼすといえる。これを充電式電池とすることが環境負荷低減につながるし、消費電力の低減は微々たるものではあるが、CO2排出量の削減につながり最終的に地球温暖化対策につながってゆく。東亜ディーケーケーのPシリーズポータブル分析計は充電式電池の使用を可能とするとともに、消費電力も従来機に比べて大幅に低減したものである。最も基本となるpH計HM-30P型の消費電力は従来機のHM-20P型の1/30ほどとなっている。

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写真5 HM-30P

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