環境ソリューション企業総覧2014Web
ポラスグループ・中央住宅

ポラスグループ・中央住宅

06_住・生活環境対策 環境ソリューション企業編

豊富な植栽と良好な住環境を目指した
子育て世代向け分譲住宅「オランジェ新松戸」


ポラスグループ・中央住宅

www.polus.co.jp


 東京のベッドタウンのひとつである千葉県松戸市に、子育て家族を対象にして住環境を重視した分譲住宅が来春に誕生する。埼玉や千葉県、東京都の一部を商圏に、木造一戸建て住宅などを建設・供給しているポラスグループの中央住宅が街づくりを進めている「オランジェ新松戸」(総戸数38棟)がその分譲住宅だ。

 ここでは、次代を担う子供たちが安全で安心して生き生きと毎日が送れるよう、さまざまな工夫を取り入れた。環境面では全棟の敷地面積を120m2以上とゆったりとさせただけでなく、環境配慮型の設備機器を採用し、植栽を豊富にして長期的に良好な景観や住環境を維持できるようにしている。住棟間隔を広げて通風や採光を十分に確保するプランニングも採用するなど、新しい子育ての街づくりとして注目されている。

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図1 新松戸31-1期外観

壁面後退や新設計採用で住環境を重視団地の中央部に歩行者専用の共有広場

 「人と街を豊かに“Hug”組むプロジェクト」をキャッチフレーズにした「オランジェ新松戸」は、JR常磐線新松戸駅から徒歩約20分、つくばエキスプレスと交差するJR武蔵野線南流山駅から徒歩約13分の松戸市新松戸7丁目に建設されている。

 ポラスグループは2014年3月期に3,345戸(売上高は約1,734億円)の注文住宅や分譲住宅などを供給している地域ナンバー1の住宅企業グループ。そのポラスグループの中核企業が中央住宅である。

 「オランジェ新松戸」の現地ではモデルハウスが建設され、街区の区割り作業と基礎工事が行われていた。団地南側には新松戸駅につながる欅並木が続き、大中小の公園が整備されており、すぐ脇を流れる坂川では涼をとる人々の姿が見える。

 中央住宅の計画によると、東西に細長い敷地(6,300m2)に38棟の一戸建て分譲住宅を配置する。車両のすれ違いがスムーズで、歩行者も安心して歩行できるゆとりのある5.5m~6mの開発道路を配している。東西2ヵ所にゲートが設けられ、住民以外の車の出入りを制限している。開発道路の交差点部分の角地を切る「角切り」も行い、車の運転手の視野を広げて分譲地内の交通事故を未然に防ぐ工夫も施す。

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図2 オランジェ新松戸全体区割り図

 これだけではない。「オランジェ新松戸」は、松戸市から景観協定のある街として初めて認定された。

 分譲住宅は資産としての価値が継続することが重要になる。「オランジェ新松戸」では住環境を高めることから、道路に面する住戸の壁は道路境界線より1m後退したところに建設するという壁面後退を導入する。さらに住宅は北側住戸への日当たりに配慮して、母屋の一部が下がった設計を採用。この壁面後退と新設計の採用によって街なみに広がりが生まれ、どの住戸も十分な日当たりが得られるようになる。

 外構も門扉や塀で区切るのではなく、街なみに開放感を与えるオープン外構と敷地内のプライバシーとゆとりを確保するセミクローズ外構という二つの外構を用意している。明るいオレンジを街区のテーマカラーに、屋根もオレンジ色で統一して連続する家なみを形成する。

 街区内のほぼ中央を南北に縦貫するコモンスペースは、通り抜けができる歩行者専用の“共有広場”で、両側に四季折々の緑や果実のなる樹木を植栽して、近隣同士のふれあいの場となる。東西2ヵ所のゲートや主だった交差点部分には高木を植栽するほか、住民が共同で管理する「みんなの木」も植えるなど、緑豊かな街にする計画である。

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図3 コモンスペースイメージ

 これだけではない。ソフト面からも緑豊かな街づくりを支援することにしている。それがグリーンワークショップと呼ばれているもの。草花の手入れ方法や花壇づくり、収穫した果実の利用、樹木管理、樹木の剪定や堆肥作りなど、中央住宅がサポートしてガーデニングのプロを派遣、2年間にわたって定期的に支援するものである。統一感のある植栽計画が行われ、緑の育成だけでなく住民同士のコミュニティーも熟成されることになる。

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図4 新松戸31-2期外観

子育て家族を考えた設備や仕様セキュリティーシステムも標準

 資産価値の継続には街の景観も重要なファクターになる。「オランジェ新松戸」では、各住戸の門灯やガーデンライトによって周辺を明るく照らす「灯りのいえなみ協定」を結ぶ。LEDの門灯やガーデンライトは明暗センサーによって夕方になると自動点灯され、明るくなると自動消灯する。各住戸の連続する灯りは夜間の景観を向上するだけでなく、街全体の防犯性を高め、一石二鳥の効果をもたらすことになる。

 環境対応という面では超節水シャワートイレやLED照明、雨水再利用タンクなどを採用している。

 「オランジェ新松戸」の特徴のひとつである「子供たちの未来を育む街づくり」では、さまざまな工夫を取り入れる。リビングにはキッズコーナーやスタディーコーナーが設けられ、床材には子供たちの足に優しい無垢材やコルク材が使用される。設備機器もガス温水式床暖房を標準仕様で採用、冬場の室内の空気乾燥を和らげる。1階室内壁の角部分には丸みがつけられ、子供がコーナーにぶつかってもケガをしないよう、細かなところまで気を配っている。

 また、共働き家庭も安心できるセキュリティーシステム「エルコネット」も標準で装備する。このシステムでは子供が学校などから帰宅した際に、親のスマートフォンなどに帰宅を自動通知することができる。このほか不審者が侵入したり火災を感知すると音声で通知され、同時に家の外に設置したセキュリティーライトが点灯して異常を知らせるなど、子育て家族にとっては有益なシステムと言える。

木造住宅は地球環境の優等生「都市の中の森林」

 ポラスグループが供給している木造住宅は環境対策の優等生である。

 周知のとおりCO2の増加が温暖化を招き地球環境を悪化させている。木造住宅の主要部材である木は、日光と水、二酸化炭素、土中の栄養分で生長し、その過程で光合成によって二酸化炭素を吸収すると同時に、酸素を放出して内部に炭素を固定化する。

 木は伐採されて木造住宅の部材に使われる木材になっても、内部に炭素を固定化している。燃やしたり、腐らせたりしてしまうと固定化した炭素は大気中に戻ってしまうが、住宅が存在する間は炭素を貯蔵し続けることになる。床面積が136m2の木造住宅で、約6トンの炭素を住宅の中に固定化していると言われている。森林総合研究所の推計によると、わが国に建てられた木造住宅によって、約1億7,000万トンもの炭素を固定化している。これは日本全国の森林による炭素蓄積量の約7分の1に相当する。

 このように木造住宅は地球環境を守る働きをしており、長年にわたって炭素を固定化し続けることから、木造住宅は「都市の中の森林」とも言われている。しかも、木は植林を行うことによって、生長して再び住宅の部材として使える唯一の再生可能な素材で、環境対策の優等生と言われる所以である。

 ポラスグループでは、今後とも”環境優等生”である木を使った環境に優しい木造住宅を供給し続け、地球環境に貢献していきたいとしている。

廃校になった小学校跡地を活用隣接の市民活動拠点と一体開発

 実は「オランジェ新松戸」の建設地は、2005年に廃校になった松戸市立新松戸北小学校の跡地だ。少子高齢化が急速に進み各地で小中学校の統廃合が相次いでおり、地元の松戸市では跡地の有効活用として、学校敷地を民間に売却した資金で地域活性化や防災拠点、子供を育む各種施設を建設するという「新松戸地域学校跡地有効活用事業」をスタートさせた。

 松戸市では防災機能のほかに市民活動拠点機能、子供を育む機能、若い世代を呼び込む機能、新松戸に定住したくなる機能など8項目の導入機能を定め、公募型プロポーザル方式で跡地開発案を公募。ポラスグループなど4社の提案が「バランスが良く、ソフト面においても積極的」という高い評価を受け、最優秀提案者に選ばれた。

 新松戸北小学校の跡地は約13,372m2と広く、このうち6,300m2が売却された。松戸市では「オランジェ新松戸」の北側に隣接する7,072m2に、防災機能を備えたスポーツ施設や地域交流広場、子供を育み学びの機能・憩える機能を備える市民活動拠点などを整備する計画となっている。

 「オランジェ新松戸」の子育て世代を対象にした住環境豊かな街づくりと、北側に整備される市民活動拠点などが一体になり、地球環境にも貢献する新しい街が創られようとしている。

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