環境ソリューション企業総覧2014Web
積水化学工業・住宅カンパニー

積水化学工業・住宅カンパニー

06_住・生活環境対策 環境ソリューション企業編

エネルギーの自給自足を目指す
“未来基準の家”をさらに進化させた
「スマートパワーステーション」
シリーズを発売


積水化学工業・住宅カンパニー

www.sekisuiheim.com


 住宅や建築物の省エネルギー化が、低炭素社会の実現や地球環境を改善するうえで緊急の課題に挙げられている。政府も2020年を目標に、家庭からの一次エネルギーの年間消費量を概ねゼロとする「ネット・ゼロ・エネルギー住宅」(ZEH)を標準的な新築住宅とすることを表明するなど、住宅の省エネルギー化に向けた対応を急いでいる。こうした中で昨年10月、積水化学工業・住宅カンパニーから10kWを超す大容量の太陽光発電システム(PV)などを搭載して、エネルギーの自給自足を目指す新シリーズが発売された。それが「スマートパワーステーション」シリーズだ。

 PVやコンサルティング型ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)「スマートハイム・ナビ」、定置型大容量リチウム蓄電池「イーポケット」の3点セットをさらに進化させることによって、標準的な住宅でエネルギー収支ゼロを達成するほか、年間の光熱費を大幅に削減することも可能にした“優れもの”である。

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写真1 ハイムSPS外観

創エネと省エネ、蓄エネを進化させ「ネット・ゼロ・エネルギー」実現

 積水化学工業・住宅カンパニーでは、住宅メーカーに先立って1997年に太陽光発電システムを導入した。翌年から本格的な太陽光発電搭載住宅の販売を開始し、2003年に累計3万棟、2009年には7万棟を達成している。さらに2年後に10万8,000棟、2012年には12万4,000棟を突破、昨年12月末には14万2,000棟にも達している。こうしたPV搭載の実績から、「ソーラー住宅建設棟数ナンバー1」としてギネス世界記録(R)を3年連続で認定された。HEMS搭載住宅も今年7月末で3万1,300棟に、蓄電システム搭載住宅も8,000棟を突破するなど、いずれも住宅業界をリードする受注実績を誇っている。

 「スマートパワーステーション」シリーズは、一歩先のステージを見据えて「創エネ」「省エネ」「蓄エネ」をそれぞれ進化させ、家電(冷蔵庫、IHヒーター、テレビなど)を含めた実使用エネルギーベースでの「エネルギー収支ゼロ」を実現したのが最大の特徴である。

 鉄骨系「ハイム」では新たに「PV一体型屋根」と「ロング庇」を、木質系の「ツーユーホーム」では南面の屋根面積を増やす3.5寸勾配の片流れ屋根をそれぞれ開発し、発電能力10kWのPVを搭載できるようにした。従来まで40坪程度の「ハイム」では、発電能力が6.8kWのPVを搭載するのが限度だったが、「PV一体型屋根」と「ロング庇」の採用によって搭載能力が約1.5倍に増えたことになる。

 10kW以上のPVを搭載すると固定価格買い取り期間が20年間となり、長期にわたって安定した売電収入が期待できる。

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写真2 GTUSPS外観

小型化した蓄電池は耐久性も向上余剰電力を売電、約480万円の収入

 「スマートハイム・ナビ」の進化では、これまでの「見える化」機能に加えて独自の全室空調「快適エアリー」との連動によって、居室ごとに家人の在・不在をセンサーで自動検知して制御する機能を追加した。この制御機能の追加と同時に「快適エアリー」の省エネ性の向上によって、同社では「年間で約1万7,500円の光熱費を削減することができるようになった」と説明している。

 「スマートハイム・ナビ」は従来よりもバージョンアップされ、総発電量や売電・買電量、総消費量などに加え、蓄電池の期間別充電推移や消費量の前年比較、売電・買電の履歴も表示される。居住者は居室ごとの使用電力や需給状況、光熱費を詳しく把握でき省エネ意識が高まるだけでなく、独自のコンサルティングサービス「スマートハイムFAN」と組み合わせることによって、消費電力の無駄が見つけやすく、効果的で効率的な節電生活がおくれるようにサポートされている。

 定置型大容量リチウム蓄電池「イーポケット」の進化では、安全機構を強化したほかに蓄電システムを小型化して小スペースや室内設置を可能としている。小型化された蓄電池は、蓄電容量はそのままに間口700ミリ×奥行き520ミリ×高さ670ミリと、従来の屋外置きタイプよりも約60%にコンパクト化されている。

 この結果、これまでは設置が不可能だった狭小地や寒冷地などでも設置できるようになった。階段下収納や間口が900ミリ幅のある収納部分に設置でき、居住空間を圧迫することがない。これだけではない。室内設置が可能となったことで、耐久性が向上し蓄電池の保証期間が15年に延長されるなど、入居後のメンテナンスに要するコストも大きく低減できるようになった。

 住宅カンパニーの試算によると、延べ床面積127m2の「スマートパワーステーション」(鉄骨系ハイム。10.4kWの太陽光発電・オール電化仕様・全室空調・7.2kWh仕様の蓄電池を採用)のエネルギー収支は、エネルギー創出量が年間111GJとなり、家電を含んだエネルギー消費量73GJを38GJも上回って、家庭からの一次エネルギーの年間消費量がマイナスになり「ネット・ゼロ・エネルギー」を達成した。これだけではない。家計にも優しく、3点セットの進化によって同社の試算では発電量の約20%を自家消費して、余った電力を売電した場合、20年間で約480万円の収入が見込まれるという。

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図1 スマートハイムシティまちなみイメージ

外装・内装メニューを一新建築主の選択範囲を広げる

 「スマートパワーステーション」は環境面への対応力アップだけでなく、外装メニューを充実するとともに内装メニューを一新して、従来よりもデザインや機能性を向上した。鉄骨系の「ハイム」では、新開発した1850ミリの「ロング庇」が水平基調をより鮮明にした。工法の特徴であるボックスラーメン構造を生かした大開口も設置して、戸外の自然とつながる暮らし方を提案している。外壁のタイルはモダンテイストの2種類(9色)が用意され、建築主の選択範囲を広げている。木質系の「ツーユーホーム」では陰影感の強い新タイル「フォレストサイド」を採用、バリエーションが豊かな外観を構築できる。

 内装面ではオリジナルインテリアシステムのグレードとバリエーションを再編成したほか、清掃性や収納力をアップしたシステムキッチンのラインナップを充実した。親水コーティングを施して、汚れなどを簡単に流し落とせるシステムバス「らくり~んコート浴槽」も選択できるようにされている。

3点セット搭載の「スマートハイムシティ」全国展開で環境時代の最先端の住宅づくりへ

 住宅カンパニーでは、「スマートハイム」シリーズをベースとした分譲住宅「スマートハイムシティ」を全国展開している。進化した3点セットを標準仕様で搭載することによって、エネルギーの自給率を高める環境性と光熱費ゼロという経済性、万一の停電時などにも電気が使える安全性が確保できることになる。さらに「スマートハイム・ナビ」を分譲地の全邸でつなぐことによって、各家庭だけではなく地域や全国規模のエネルギーマネジメントを行うことのできる「スマートグリッド社会」の構築への貢献も目指すことにしている。

 この「スマートハイムシティ」は2012年から順次、全国で発売されている。2013年に東京都立川市で分譲された「スマートハイムシティ立川幸町」では、屋根に大容量のPVが載せられ、住棟間には「イーポケット」がスッキリと配置されている。キッチンの壁には太陽光発電モニターが設置され、真夏の太陽光で発電された電力量などが刻一刻と表示されていた。自然の風の流れを考慮した街区に54戸が配置され、中央部には東西に走る帯状の公園(コモン)が設けられている。「立川幸町」は「街の環(わ)・コミュニティ」をキーワードに分譲され、コモンで居住者同士が交流できるように工夫されている。「まちなみガイドライン」も作成され、植栽や外構を含めて統一感のある上質な街なみとなっている。

 各住戸の3点セットに加えて防災井戸や万一の場合には炊き出し用のコンロになるベンチも設置するなど、災害が発生しても居住者が日常と変わらない生活が送れるよう配慮されている。

 住宅は毎日の生活の場となるだけに、構造躯体が頑強であるだけでなく省エネ性や経済性、防災性、環境性に優れたものでなくてはならない。積水化学工業・住宅カンパニーでは、「スマートハイム」と「スマートハイムシティ」を核に、環境時代の最先端の住宅づくりを展開しようとしている。

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