環境ソリューション企業総覧2014Web
NTN

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03_リサイクル・廃棄物対策 環境ソリューション企業編

研削スラッジのリサイクル技術を確立し、
ゼロエミッションの実現に貢献する


NTN

www.ntn.co.jp/japan/


 さまざまな回転部分を支え摩擦の低減と省エネルギーに寄与する軸受(ベアリング)は、機械に欠かせない重要部品だ。NTNは国内トップクラスの軸受メーカーで、環境対応でも業界の先頭を走る。一般的に軸受は金属製の外輪、内輪、転動体(玉、ころ)からなるのだが、こうした部品を金属から削り出す際に、「研削スラッジ(金属くず)」が生じる。

研削スラッジ固形化装置を開発し、生産拠点に導入

 国内トップクラスの軸受メーカーであるNTNでは、日々多量の研削スラッジが排出される。例えばNTNは2002年、国内の全生産拠点で月に860トンの研削スラッジを埋め立て処分しており、環境負担をかけるだけでなく、年間約1億3000万円の処理費用も発生していた。一方、NTNでは企業の社会的責任と処理コスト削減を両立するため、1990年代後半から研削スラッジのリサイクル技術開発に本格着手しており、2002年に「研削スラッジ固形化装置」を開発。これまで国内外の生産拠点へ順次導入した(写真1)。同装置は微細な研削粉と研削クーラントからなる研削スラッジを金属固形分と研削クーラントに分離する(写真2)。

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写真1 研削スラッジ固形化装置

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写真2 研削スラッジ、クーラント、ブリケット(左から時計回りに)

 分離・加圧して円柱状に成形された「ブリケット」とよばれる固形分は、製鋼メーカーへ供給し、リサイクルされる。分離した研削クーラントも生産現場で再利用される。

99%超のリサイクル率

 研削スラッジ固形化装置の導入により、処分量は2004年には月36トンまで減少した。NTNグループのリサイクル率は2003年に93%に達し、2004年以降は99%超を維持し続けている。さらにこのノウハウを外部販売するため、装置を販売するグループ会社を設立し、これまで精密加工メーカーなど9社に9台を販売した。

 また、NTNでは国内生産拠点のみならず海外生産拠点への導入も増やしており、直近ではインドの生産拠点に導入された。NTNグループ全体の2013年3月期における研削スラッジ処理量は約3700トン、リサイクル率は99.8%と、ほぼゼロエミッションを実現している。

小規模事業場向けに超小型研削スラッジ固形化装置を開発

 外部販売の拡大にあたり、研削スラッジを排出する事業者の分析を行ったところ大規模事業場においても小規模単位での処理要求があること、また国内事業者の5割近くが研削スラッジ排出量の少ない(月5トン以下)の小規模事業場であり、コンパクトな装置の要求が高いことがわかった。

 NTNではこれらの要求に応えるため、2010年に超小型研削スラッジ固形化装置を開発した(写真3)。

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写真3 超小型研削スラッジ固形化装置

 装置の仕様・特長は次のとおり。
[仕 様]
処理能力(水溶性スラッジ):最大月5トン 
圧縮能力:最大300kN 
脱水率:90wt% 
ブリケット径:φ40mm 
設備設置面積:0.8m2 
概略寸法:1300×600×1200mm 
設備重量:800kg 
問い合せ先:NTNテクニカルサービス株式会社 桑名事業所 
〒511-0862 三重県桑名市大字播磨字宮西456番地 
TEL:0594-24-1969 FAX:0594-24-6461
[特 長]
①省スペース:既存モデル(設備設置面積1.4~2.1m2)に対し、0.8m2と大幅な省スペース化を実現。
②作業・メンテナンス性の向上:スラッジ投入高さを1200mmとし、研削スラッジ投入作業時の身体的負担を軽減。またタッチパネル採用で操作性が向上したほか、遠隔地からリアルタイムで監視でき、非常時に迅速な対応が可能。
③省エネルギー:油圧ポンプをインバーター駆動とし、油圧必要時のみポンプが稼動する制御方式を採用。既存モデルと比べ、約14%の消費電力削減が可能。

 市場の要求であった省スペース特性に加え、作業・メンテナンス性向上や省エネルギー機能も盛り込まれた「超小型研削スラッジ固形化装置」。NTNはこれらの高度なリサイクル技術の開発・提案を通じて、ゼロエミッション社会の実現に貢献している。

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