ソリューション企業総覧 Web版
テルム

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環境ソリューション企業編

CSR経営を基盤に、成長を続ける
総合環境ソリューション企業


テルム

www.term–g.co.jp/


 

 テルムは、東芝の全額出資のもとで総合環境ソリューション事業を行う会社である。高い社会的責任の意識が会社の基盤であり、50年以上の歴史を有している。後藤元晴社長は、「長期的視点で社会と企業の双方にとって最適な価値創造が実現できるように注力いたします。当社で行っている環境関連ビジネスでは、社会全般と様々な関わりを持つ中で、共通する価値の創造が可能だと考えます。社会的な問題と事業活動を一体のものとして捉え、社会と共有できる価値を生み出す積極的な事業活動として展開していきたいと考えています。また、当社は東芝グループの一員として、製品開発部門と協力しながら、易解体設計への提言や利用しやすいリサイクル資源の提供等を一体となって進めており、「資源を過剰に消費せず、有用なものは繰り返し利用できる社会システムを備える真の資源循環型社会」の実現を目指したいと思います。」と語る。

 同社は、資源リサイクルを中心とする環境リサイクル事業、環境関連分析、土壌・地下水の浄化などの環境エンジニアリング事業、廃棄物・施設管理のアウトソーシング受託と、各種マネジメントシステムの構築・運用支援などを行う環境マネジメント事業の3つの事業を柱として、顧客の環境問題の解決に貢献し、これまで産業界・行政から高い評価を受けている。

 現在は、本社(写真1)、入舟事業所、姫路リサイクルセンター、北関東分析センターを含めて国内34カ所に営業所・事業所などを配置。全国展開を行い、顧客ニーズに対しきめ細かいサービスを提供している。

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 写真1 テルム本社ビル

 

使用済み電気・電子機器の再資源化への取り組み

 環境リサイクル事業は、同社の基幹事業である。全国45自治体から収集運搬業許可を取得するとともに、横浜市、三重県、姫路市から中間処理業の許可を取得している。さらに法改正により新しく創設された「優良産廃処理業者認定制度」の適合認定を計画的に進め、現在18自治体から30の優良認定を取得している。この制度は、産業廃棄物の排出事業者が優良認定業者に安心して処理を委託しやすい環境整備をすることにより、産業廃棄物の処理の適正化を図ることを目的としたものである。

 同社は、入舟事業所に大型破砕選別処理プラント(写真2)を保有する。500馬力の破砕機に、磁力選別や渦電流選別、高磁力選別などの選別機械装置と手選別を組み合わせたもので、鉄、アルミニウム、ステンレス、プラスチック、銅分を含むミックスメタルなどの再資源化原料を回収することができる。同社は、同プラントと精緻な手解体を組み合わせる“ベストミックス”により、高い分別精度を誇り、業界トップクラスのリサイクル率を実現している。また、同プラントは、国内では珍しく建屋内に設置されたものであり、高度の機密管理を要求する顧客の要請にもこたえることが可能だ。

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写真2 建屋内に設置された大型破砕機

 

 家電リサイクル事業は、近年同社が注力している事業である。同社のリサイクル率は、家電リサイクル法の法定リサイクル率を超えており、さらにサーマルリサイクルを含めた再資源化率では90%以上の数値を達成し、2012年度の再資源化量は約20,870トンとなった。エコポイント制度及び地デジ切替があった2011年度と比較すると、入荷台数は減少したが、現在も堅調に推移している。

 さらに、リサイクル率を向上させる解体ラインの機械化にも取組んでいる。同社が保有する冷蔵庫専用一次破砕機(270馬力)は、粗破砕から細破砕までの連続処理を可能としている。また、同社は、冷蔵庫の断熱材として利用されるウレタンを安全に造粒、固形燃料化する装置(写真3)を2012年度に導入した。従来、使用済み冷蔵庫のリサイクル解体時に排出される断熱材(ウレタン)は、処分費や粉体状の性質により輸送・保管コスト上の課題があった。同社はこれを造粒する装置を導入することで、処分費削減やリサイクル率の改善を達成した。同社は本装置をメーカーと協力して完成(特許を申請中)させ、使用スペースでは、世界最小規模の装置となっている。

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写真3 独自性をもったウレタン造粒機

 

時代に即応した研究開発の歩み

 研究開発分野として、同社は、太陽電池パネル(写真4)のリユース/リサイクル技術開発に取り組み、太陽電池パネルの大量廃棄時代に向けて適正に処理するプロセスを構築した。

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写真4 太陽光パネル例

 

 廃太陽電池パネルは、発電機能を生かしたリユース用途が考えられるため、発電能力の評価を実施する。評価結果により発電能力の低いもの、破損しているものは資源としてリサイクルする。太陽電池パネルは、種類・製造メーカーにより有価値物・有害物の含有状況が異なることから、あらかじめ含有成分を蛍光X線装置により定性的・定量的に調査し、廃太陽電池パネルの素材にあわせた破砕・分離処理を実施する。これにより有価値物の資源としての回収、有害物の環境への放出防止が可能となる。破砕・分離処理は、薬液や加熱処理を用いない物理的な乾式処理であるため、二次汚染物質生成の回避・処理コストの低減などのメリットも期待できる。

材料分析ではグローバル対応が必要な製品含有有害化学物質の削減に貢献

 同社の二つ目の柱である環境エンジニアリング事業では、最新の技術と豊富な経験を基に、材料分析、環境分析、土壌・地下水モニタリングおよび浄化対策などのサービスを提供している。

 材料分析分野での話題は、欧州(EU)に端を発したRoHS指令、REACH規則等への対応が、今や地球規模の取り組みとなっており、さらに規制対象項目の追加、対象機器が拡大していることである。電気・電子機器を対象としているRoHS指令では、鉛、カドミウム、六価クロム、水銀、PBB(ポリ臭化ビフェニル)やPBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)を含有していないことが求められている。このため、スクリーニング法で確認し、管理基準を超える可能性のある材料、部品に関してはさらに精密測定を実施して最終確認を行うプロセスが一般的であり、国内のほとんどの企業が検査体制を確立してきた。しかしながら、課題も多く残されている。RoHSスクリーニング法として一般的な蛍光X線法では臭素(Br)を検出するため、これを含むものすべてが検出されてしまう。このため規制があるPBB、PBDEや追加候補リストに挙げられている他の臭素系難燃剤など特定の臭素化物だけのスクリーニングや、臭素を含まないフタル酸エステル類などのスクリーニングとしては効果が期待できない。

 そこで同社は東芝研究開発センターと共同で分析高度化技術の開発を進め、RoHSスクリーニングに関しては、イオン付着質量分析法(IAMS)による迅速分析技術を確立した(写真5)。この方法によりPBB、PBDEを約10分(同社比従来法の1/100)で判定することが可能となった。さらに追加候補リスト物質であるフタル酸エステル類についても、この技術の適用を拡大した。今後も、さらに増加してくる新規規制対象化学物質の迅速評価にも適用が期待できる技術である。またそのほかの材料分析の取り組みとして、部品および製品から発生し人の健康への影響が懸念されている揮発性有機化学物質(VOC)の微量分析技術の開発も進めている。

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写真5 IAMS分析

 

 同社はこれらの高度化技術をリサイクル事業にも積極的に活用している。リサイクルプロセスにおける迅速分析は、レアメタルをはじめとする有価値金属の効率的回収、有害化学物質を含まない高品質のリサイクル材の提供を推進していくために役立てている。

 一方、国内での有害化学物質削減と適正処理に向けた取組として、変圧器などの絶縁油中にPCBが非意図的に微量混入した「微量PCB問題」がある。微量のPCBに汚染された疑いのある電気機器は数百万台とも言われている。同社はPCB分析の永年の経験を活かした取組により、環境省微量PCB簡易測定マニュアルに適合した分析技術をいち早く確立し、多くのPCB分析を受入れている。また、ダイオキシン類やアスベストなどの分析にも注力している。

環境分析では種々の規制項目の分析を受託するとともに分析データ提供サービスも開始

 環境分析は、大気、水質、土壌・地下水などの環境保全の分野でも貢献している。ダイオキシン類分析や環境ホルモン分析は、国や県などが継続して取組んでいる重要な事項であり、同社は環境モニタリングなどで多くの実績を積んできた。さらに、最近では、過去に汚染された土壌、地下水などの負の遺産を浄化してきれいな地球に戻そうとする環境保全・浄化事業においても環境分析技術が役立っている。現在進められているPCB汚染土壌無害化処理においても「迅速分析から高精度分析まで」幅広いニーズに対応できるPCB分析技術を確立してきた。これらの事業においては、浄化土壌の迅速評価、排出物管理分析、施設管理分析などにおいて環境分析技術が重要な役割を果たしている。

 これらの環境分析においては、定期的な分析調査を継続的に行うことが多い。特に工場における排水管理では、各規制項目について規制値より厳しい自主管理値を設け、定期的な分析を行い、安全レベル内での異常の兆しを監視する傾向管理が実施されるケースもある。このため同社では、分析結果とともに希望に応じて過去の分析結果も一覧できる形で専用ホームページから提供する分析データ提供サービス(ASTRO)を開始した。これにより顧客によるトレンド的な解析が容易になる。またこのASTROでは、付加サービスとして排水や土壌など環境規制に関する答申やパブリックコメントなどの動向・情報を分野別に登録してあり、利用登録してあれば希望する分野の情報リストを閲覧することが可能である。

土壌・地下水汚染調査・対策ソリューション

 同社では、土壌・地下水汚染に係るコンサルティング、調査から浄化対策までの一貫した事業を行っている。揮発性有機化合物(VOC)、重金属などを迅速に分析し、土壌ガス、土壌、地下水などの調査結果に基づいた適正かつ低コストの対策計画を立案し提案している。また、対策後の装置メンテナンスやモニタリングも実施している。

 VOC汚染土壌では、鉄粉を地中の汚染土壌に混合することにより、汚染源を浄化する工法を採用している。一方、地下水の浄化には独自技術である真空ストリッピング技術を保有している。この方法では、VOCで汚染された地下水を揚水し、低ランニングコストで連続的に処理することが可能である。

 また、VOC汚染地下水対策では旧来の揚水法などに比べ低コストで環境負荷の低い原位置浄化技術*注1)として注目されるバイオレメディエーションによる地下水浄化技術を採用している(写真6)。この工法は地下水中に生息している有用微生物に栄養源を与えて活性化させ、汚染物質を分解させるものである。帯水層の状況(pHや土質など)によって実効性が異なるので、同社ではさまざまなデータを収集し、ノウハウを蓄積している。これに基づき施工した各サイトでは有効な実績を上げている。

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写真6 バイオレメディエーション

 

 さらに、土壌汚染対策法の対象ではないが、都市開発等の土壌掘削を伴う工事現場等で問題になっている油含有土壌の調査・対策に有効な技術として油簡易分析技術を開発した。現地で短時間に油の含有量を評価可能な技術で、迅速化を実現し、調査・対策時の分析待ち時間の削減による調査・対策費用の大幅なコストダウンを実現している。

顧客事業所の事業活動に直結して利益に貢献する「ソリューション」

 3つ目の柱である環境マネジメント事業では幅広い環境事業分野で培ってきた豊富な実践経験とノウハウを活かして、受託企業の事業活動において利益創出に直接結びつく「廃棄物・施設管理ソリューション」と「環境経営ソリューション」を提供している。利益創出の実務を担う事業所での“PDCAサイクル”の各プロセスにおいて、同社は最適なソリューションを、顧客と一体となって探り、提案・実践している。同社の社是でもある確固としたCSRと遵法の精神を踏まえて提案されるソリューションは、顧客の全面的な信頼を得ている。

事業所運営の「廃棄物管理・施設管理ソリューション」

 同社は、東芝および東芝グループ会社等の全国25事業所(2013年8月現在)から廃棄物管理・施設管理のアウトソーシングを受託している。事業所での環境管理の実務は廃棄物の管理から遵法支援まで多岐多様にわたるが、同社は「ものづくり」と「廃棄物処理」両方の知見からゼロエミッション、トータルコスト削減、法令遵守に貢献している。

 同社が提供するサービスの特徴は、高度な専門性と経験を活かして最適な事業プロセスをオーダーメイドに提案し、実践しているところにある。さらに、継続的な業務改善の提案、安心できる秘密保持は、顧客の良きパートナーとしての信用と信頼を築きあげている。また、リスク管理の一翼として、同社の全国拠点及び協力会社ネットワークを活用した環境関連情報のタイムリーな入手と提供、緊急時の対応を通じて、事業所のBCP(Business Continuity Plan)に寄与している点も見逃せない。

 さらに、解体工事事業においても建家、焼却施設および生産設備の「eco解体」を行っている(写真7)。「eco解体」は、同社のコア技術である解体技術、アスベスト・ダイオキシン・水銀等の有害物除去技術に加え、低排出ガス工事車両・重機の採用、低騒音・低振動工法の採用により、近隣住民にも配慮した解体ソリューションである。

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写真7 建物の「eco解体」

 

実情に即した「環境経営ソリューション」

 同社は「環境経営ソリューション」として、「システムコンサルティング」、「パフォーマンスコンサルティング」、「教育・研修」を提供している。「システムコンサルティング」では、環境(EMS)から品質(QMS)、安全衛生(OHSMS)、情報セキュリティ(ISMS)等の認証取得と取得後のシステム運用と改善支援を行っている。また、環境、品質、安全衛生のマネジメントシステムの統合や、企業の本社から工場・営業所までのマネジメントシステムを統括する提案も行っている。

 一方、「パフォーマンスコンサルティング」は、省エネ、廃棄物管理、ゼロエミッション化、化学物質管理、現場施設改善・リスク管理など、企業の個々の事業所・施設・現場の実情を精査し,継続的な改善に向けて極めて広い範囲の要望に応じている。 「教育・研修」における主体は、内部監査員養成教育であり、毎年定期的に“テルム環境塾”を開催するとともに“出前教育”を行い、これまで数千名を超える内部監査員を養成している。“テルム環境塾”では、分かりやすい独自の教材と経験豊富なコンサルタントの具体的事例解説を通じて内容の理解を深めた後、力量認定試験を実施している。

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