ソリューション企業総覧 Web版
岩谷産業

岩谷産業

環境ソリューション企業編

低炭素社会の実現に向け
“ガス&エネルギー”で未来を拓く


岩谷産業

www.iwatani.co. jp/


 

 低炭素社会〜それは、CO2排出量を最小限に抑えることで実現する持続可能な脱化石燃料型の社会システム。その実現に向って水素をはじめ、クリーンエネルギーのLPガス(液化石油ガス)などで顧客ニーズに応じたエネルギーベストミックスのソリューションを提供するのが岩谷産業である。

液化水素の次代を見据え、インフラ構築により一層力を注ぐ

 究極のクリーンエネルギーと言われ、官民あげての取り組みが進む水素。同社は現在、国内工業用水素で40%を越えるシェアを持つが、水素エネルギー社会に向けたインフラ構築において、液化水素で他社に先駆けた取り組みを進めている。

 2006年4月に6,000ℓ/hという日本最大の液化水素製造能力を誇る“ハイドロエッジ”を大阪府堺市に完成させた同社であるが、2009年7月には、東日本初の液化水素製造プラントを岩谷瓦斯千葉工場内に竣工、着実に増大する液化水素需要に対応するための、イワタニグループとして液化水素製造東西2拠点体制が整った。そして2013年6月には山口県周南市に3カ所目の拠点“山口リキッドハイドロジェン”を竣工させた(写真1)。

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写真1 液化水素製造プラント(山口リキッドハイドロジェン)

 

トップランナーとして50年、そして今後も

 ハイドロエッジの竣工から遡ることおよそ半世紀前の1958年、岩谷産業は大阪水素工業を尼崎市に設立した。その後、国のサンシャイン計画や宇宙開発事業団(現宇宙航空研究開発機構)から、水素ガスや液化水素に関する研究委託を受けながら、1978年には我が国初の液化水素製造プラントを稼働させ、H―1ロケット向けの水素供給開始へと進んだ。

 水素はその強い還元力や特性を発揮して、石油・化学・金属・ガラス・食品まで、あらゆる工業用用途に使われており、国内で年間約2.6億m3が販売されている。とりわけ半導体や太陽電池など先端産業の伸長とともに、産業用水素のマーケットは今後も増加していくものと考えられている。同社が2006年4月、ハイドロエッジによる液化水素供給を開始して以来、供給形態はガスから“液化水素”への切替えが着実に増加。ここ数年ほぼ横這いで推移している圧縮水素の市場に対し、大量輸送、大量貯蔵、省スペース、高純度などのメリットがある液化水素の市場は急速な伸びを示しているという。

 同社は、国内自動車メーカーが燃料電池自動車の研究を開始したのと同時に、各社に水素充填設備を納入し始めた。また2001年以降、5つの自動車用水素ステーションを建設してきた。その一つ、2003年に建設して現在まで昭和シェル石油と共同で運用を行ない、高圧水素と液化水素の両方を兼ね備えたJHFC有明水素ステーション(東京・有明、写真2)では、燃料電池自動車への水素充填台数が2012年6月末には累計3,600台に到達。今後、ますます開発に拍車がかかる燃料電池自動車の領域においても液化水素は注目を集めている。

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写真2 JHFC有明水素ステーション

 

水素エネルギーの社会的認知度向上のために

 同社は、こうしたインフラメーカーとしての地歩を着実に築きながら、一方では、独自の視点で水素エネルギー社会へ向けての啓発活動にも力を注いでいる。同社の様々な活動は、一般市民に水素エネルギー時代到来の夢を伝えるとともに、水素エネルギーへの認識を高める上で大いに寄与している。

 2007年度には『日本縦断 燃料電池車・水素自動車キャラバン』を敢行、燃料電池車(トヨタ、ホンダ)、水素自動車(マツダ)、移動式水素ステーション、キャリアカーによるキャラバン隊を組み、鹿児島県種子島から北海道稚内市まで、総走行距離5,930 kmを33日間かけて走破。各地での試乗会や子どもたちへの水素サイエンス教室を通じて水素のエネルギーとしての社会的認知度の向上や啓発活動に力を注いできた。

 また、2010年は創業80周年の記念事業として、「水素エネルギー教室80」と題し全都道府県の小学校92校で、水素への理解を深めてもらうための授業や実験、水素自動車の試乗などを9月から2011年の3月までの期間に実施した。

 試乗に用いた水素自動車は、トヨタの燃料電池車「FCHV–adv」、マツダの水素ロータリーエンジン搭載車「プレマシーハイドロジェンREハイブリッド(2台)」(写真3)、そしてホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」の4台で、いずれも最新のモデルである。

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写真3 ‌マツダのプレマシーハイドロジェンREハイブリッド

 

家庭用燃料電池「エネファーム」を、2009年7月より販売開始

 もう一つ水素の大きなアプリケーションとして家庭用燃料電池「エネファーム」があるが、この分野でも同社は力を注いでいる(写真4)。

 「エネファーム」は、LPガス、都市ガス、灯油などから取り出した水素を用いて燃料電池で発電し、同時に発生する排熱から温水を回収する家庭用コージェネレーション設備。そのエネルギー効率の高さと、環境性から大きな注目を集めている。同社は、LPガス改質型・家庭用燃料電池「エネファーム」の本格的な拡販を、2009年7月より開始。特に新築住宅の分野においては、積水ハウスをはじめ、住宅メーカーとも連携する。連携販売により、家庭用燃料電池の普及に弾みをつけようという戦略だ。

 積水ハウスとの連携については、その住宅購入者ならびに予定者に対し、全国20社の同社LPガス販売子会社が同行提案し、機器の販売、現地施工からアフターメンテナンスまでを行う。販売に向けては、全国一律の燃料電池専用LPガス価格メニューを用意するなど、積水ハウスと設置ユーザーの双方にとって導入がしやすい仕組みを整えている。

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写真4 一般住宅で稼働中のエネファーム

 

水素エネルギーを通じて環境・社会への貢献を目指す

 地球環境問題に熱心に取り組む企業や団体などを表彰する第18回「地球環境大賞」(主催:フジサンケイグループ、後援:経済産業省、環境省他)で、同社は「フジサンケイ ビジネスアイ賞」を受賞した。
 約半世紀におよぶ同社の水素事業の蓄積と、低炭素社会実現へ向けた水素エネルギーの開発・普及への取り組みが高い評価を得たものである。

 ガス&エネルギーをコンセプトに、よりよい環境・社会への貢献を目指す岩谷産業は、究極のクリーンエネルギー・水素で未来へ向かう技術開発や市場開拓を積極的に展開するとともに、今のエネルギーを見据えて、LPガス事業での幅広い領域の技術開発を通じて、あらたなエネルギー企業としてのチャレンジを行っている。

 

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