ソリューション企業総覧 Web版
東亜ディーケーケー

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環境ソリューション企業編

蓄積された技術と豊富な経験で社会の計測ニーズに応える


東亜ディーケーケー

www.toadkk.co.jp


 

 東亜ディーケーケーは創業60年を超える環境計測の老舗である。創業以来、「地球環境の保全と人に優しい社会環境の実現に貢献する」という経営理念のもと、環境計測から化学分析、プロセス制御、医療用機器まで幅広い分野のニーズに応え、高性能かつ高付加価値の計測機器を提供してきている。

 昨今の環境問題に対する関心の高まりを背景に、同社は強力に環境分野での機器開発に注力している。そのため、同社では環境を巡る社会的関心、規制動向、ユーザーニーズを的確に把握することに努め、機器開発に結び付けている。環境分野で同社の扱う機器は、大気、排出ガス、水質などの計測や金属モニター、イオン測定など。

水質総量規制に対応する分析計のモデルチェンジ

 水質総量規制制度が導入されて、四半世紀になろうとしている。この制度では、排水量が1日あたり400m3を超える事業所には原則として自動計測器による汚濁負荷量の計測・記録が義務つけられている。通常の排水規制では、法に基いて定められた測定法による定期的な濃度測定とその結果の記録・保存が義務付けられている。

 しかし、この測定義務は頻度も低く自動機による計測が義務付けられてはいない。これに対して総量規制では、大規模事業場が対象ではあるが、自動機の活用を定めている。水質総量規制の発足当初は、規制対象としてCOD(化学的酸素要求量)だけだった。CODを指定計測法に近い方法で測定するCOD計の導入もあったが、この方式が多種の試薬を使用し、ランニングコストがかさむこともあって、指定計測法と良好な相関があることを条件に使用が認められたUV計の導入が主流となった。この計器は、多くの有機物が紫外線を吸収することから、紫外線の吸収を測定し、COD値に換算するというものである。標準液以外の試薬は必要としない。

 東亜DKKは、2000年10月に東亜電波工業株式会社と電気化学計器株式会社が合併して発足したわけだが、両社とも、水質総量規制制度導入の時点から、CODの簡易計測器ともいえるUV計に力を入れていた。両社の合併は水質総量規制発足から12年目に当たり、この時点では、第二世代のUV計が主力だった。それからさらに11年を経過した2011年UV計の新モデルOPM―1610型(写真1)を発表した。

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写真1 OPM―1610型

 

省電力に重点

 新UV計はその基本原理では、従来型を踏襲している。試料の紫外線吸収を計測し、COD値に換算する。このとき、試料中に濁質が存在すると、紫外線を吸収あるいは散乱してプラス誤差の要因となるため、紫外線だけでなく可視領域の光(濁質は可視、紫外を問わず広い波長域にわたる光を吸収あるいは散乱して透過光量を減少させる)の吸収を測定し、紫外線の吸収から差し引くことでこの誤差を低減する機能も装備している。これらの機能は、従来機種も装備していた。

 新モデルの最大の特長は、「省電力」にある。近年温暖化対策としてCO2の排出を削減するための省エネルギー化は着々と進んできたが、2011年3月の震災以来、更なる省電力化が求められている。このような背景の中で、東亜DKKの新UV計OPM―1610型は同社従来機比80%の省電力化を実現した(消費電力平均約10VA、最大約20VA、図1参照)。

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図1 OPM―1610型光学系

 

 この大幅省電力は、従来機が光源である低圧水銀灯の光量を安定化させるため、ヒーターを用いて温度を一定に保つ方式だったのを、光量をフィードバック制御で安定させる方式を採用したことによる。この方式の採用で、ヒーターが不要となり、その分の電力を削減できた。また、このUV計は、センサを直接試料水に浸浸することで測定することを基本としており、計器に試料を導入するためのポンプを必要としない。製品自体の省電力化は80%減だが、ポンプ不要との条件がつけば、ユーザーにとってはさらに大きな省電力が実現できる。

油による水質汚染

 国土交通省の発表によれば、一級河川の水質事故の原因は油に起因するものが多い。暖房用や燃料油などの燃料を大きなタンクから小さなタンクに移そうとして、バルブを閉め忘れるといったことで、公共用水に油が流出している。これらの場合、量もそれほど大量ではなく大きな問題とはなっていないが、タンクローリーが川に転落して大量の油が川に流れ込むといった事故もある。このような事故が大規模な貯油施設で起こると、水環境に重大な影響を及ぼす。

 今年6月に施行された改正水質汚濁防止法では、貯油施設などから油や有害物質が漏れ出して公共用水や地下水に混入することを防止するため、それらの施設の定期的な点検が義務付けられた。原則は目視によって亀裂などが無いことを点検することとされている。また、点検の義務付けだけでなく万一油や有害物質が地下水などに混入したとき、その修復を命ずることができるとされた。法が求める点検頻度は決して高くない。しかし、油や有害物の漏洩を防止するためには、頻繁な点検と、万一の漏洩を迅速に検知する手段が必要となるだろう。

 河川への油の流出事故が多いということは、河川から取水して水を利用する立場では、重大な問題である。浄水場で、取水に油が混入すると、油臭い水を供給することになりかねない。また大量の油が流入すると、設備機器に付着し、その復旧に長時間を要すことになりかねない。工業用水として河川の水を取り込んでいる事業所も同じリスクを抱えている。このようなリスクを回避するためにも、油の混入をいち早く検知するセンサが要求される。

油膜検知機による油分の迅速検知

 多くの油は水より軽く、光の反射率は水より大きい。このため、水に油が混入すると、水面に油膜となって浮かび、光って見える。それを人の目で監視していれば、油の流出、流入は発見できる。しかし、24時間人を配置するというのは非現実的。そこで、人がいるのと同じように光で監視しようというのが、東亜DKKの油膜検知機である。

 光学センサを用いて、反射光量が多ければ油膜ありと判断し、警報を発する。基本的な考え方はこれだけである。しかし、人の目は、優秀で、周囲の光に幻惑されれば、その光をさえぎって見ようとする。水面までの距離が変化しても、特に意識しなくても目の焦点を水面に合わせることができる。このような人の能力に対抗するため、さまざまな工夫が盛り込まれている。

 外光の影響に対処するため、光源はパルス点灯している。外光光量の変化はさほど大きくないので、短い周期でパルス点灯し、点灯時と消灯時の反射光量の差を読み取れば、水面からの反射光量を読み取ることができる。水面変動に対しては、高機能機では、照射光を鉛直軸を中心に定められた角度で走査している。さらに、反射光を方物面鏡で集光し、焦点付近に配置した受光器で検出する構造として、幅広い水面変動に対処している。このような光学系の改善だけでは、波立ちなどによってほんの一瞬しか反射光が得られないような状況では、信号処理の遅れのためその信号を取り逃がすこともあるため、信号処理の高速化も行って、対処している。

油膜検知機の設置場所と設置環境

 東亜DKKが販売している油膜検知機は、OF―10型(写真2)、ODL―1600型(写真3)、SODL―1600型の3機種である。OF―10型は、光源も固定されており検知可能範囲は、検出機下端から200から800mmと限定されている。ODL―1600型は、光源走査機能を盛り込んでいるほか、細かな設定が可能で、床面に漏出する油の検知も可能である。SODL―1600型は、ODL―1600型を耐圧防爆化したもので、貯油施設のある防爆エリアでの使用も可能である。

 油膜検知機の使用目的は、油の流出、流入防止にある。このため、最終放流口にいたる排水路の途中など、必ずしも設置条件の良くない場所に設置されるケースもある。このような場合、水面との距離が小さいと、雨の跳ね返りで、窓が汚れ、頻繁なメンテナンスが必要となる。このような設置条件では、できるだけ水面から離して設置する必要が生じる。また油水分離機(図2)が設置されているような場所であれば、水面変動も小さいと考えられ、OF―10型も十分使用可能だろう。設置環境や使用目的に応じて機種選定が可能である。

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   写真2 OF―10型          写真3 ODL―1600型

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図2 油水分離器 油膜検知機

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