ソリューション企業総覧 Web版
モリタ環境テック/モリタホールディングス

モリタ環境テック/モリタホールディングス

環境ソリューション企業編

多彩な資源選別機で、リサイクル促進
〜モリタグループの環境関連事業を担う〜


モリタ環境テック/モリタホールディングス

www.morita119-kt.com/

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 モリタ環境テックは、消防車や消火器など防災用品メーカー、モリタのグループ会社で、2008年に分社した。モリタエコノスとともに、グループの環境関連事業を担っている。環境関連機器の生産拠点は、千葉県北西部の船橋市。ここで生産された製品が、日本及び海外に販売され、さまざまな場所で活躍している。

 モリタ環境テックの主力製品が、ギロチンプレス(写真1)だ。建築廃材や大型構造物から、長尺物まで全てのスクラップ切断処理に優れた能力を発揮している。ラインアップは、切断回数1分間に約2.5回の標準型が、切断能力別に500,800,1000,1250,1600,1800型の6機種になる。幅広い製品ラインアップと高い技術力で、同社はギロチンプレスで国内約50%、納入実績トップのシェアを持っている。

 2008年に発売した「1250HAK型ギロチンプレス」は、さらなる高速化と省エネ化を図っている。同機の切断回数は1分間に4回と、同規模の従来機種「1250AK型」の1.4倍で、処理能力も40%向上した。動力に使う油圧システムを刷新し、電動機容量は従来機の6割に減少。騒音も低減し、低振動化も実現した。

 近年、郊外の宅地化が進み、こうした製品の需要先(主要ターゲット)である、これまで人里離れた場所で作業していた自動車解体業者などを取り巻く環境が、ますます厳しくなっている。そのため騒音・振動対策を実現した1250?HAK型は新しい切り札として期待が集まっている。

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写真1 1250HAK 型ギロチンプレス

 

海外企業と積極提携 製品群を拡充

 2013年5月、東京ビッグサイトで開かれた「NEW環境展」で、モリタ環境テックは二つの新製品を出展した。2品とも、欧米で支持を集めている環境機器。これまでの日本には無かったニュータイプの出現に、来場者は皆注目していた。 破砕された廃棄物を、プラスチックや金属など素材別に分けるマルチセンサー選別機「VARISORT(バリソート)」は、ドイツのS+S社(S+S Separation and Sorting Technology GmbH)製(写真2)。

 特徴は三つの高解像度センサーだ。まず「近赤外線センサー」が、破砕物に近赤外線を当て、反射した波長を読み取ることで、破砕物中のプラスチックを識別。廃プラスチックを材質毎に分別する。次に「メタルセンサー」が破砕物中の金属を検知。多種の金属を選別し、鉄、ステンレスや銅、アルミなど有価物の回収に寄与する。最後に「カラーセンサー」が破砕物から反射した光を読み取って、プラスチックや非鉄金属を色別に分ける。これらを駆使して、多様な選別を可能にした。 各センサーはモジュール化しており、選別対象物の種類や目的に合わせて変更できる。ガラス類の選別に有効な「X線センサー」も用意した。「ビジュテックデータ管理システム」により、事務所のパソコンから、稼働や選別状況の確認と、投入物に合わせた選別設定ができる。

 イタリア・グイデッティ(Guidetti)社の廃電線処理機「SINCRO(シンクロ)-530C」も、来場者の関心を集めていた。高純度の銅が使われているため、廃電線は非鉄金属回収の場面で脚光を浴びている(写真3)。 SINCRO−530Cは液体を介さない乾式タイプ。まず廃電線を細かく粉砕。その後、斜めになっているエア振動テーブルで、内部の銅と外側の被覆材を、空気による振動と素材の比重の違いを利用して振り分ける。

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写真2 マルチセンサー選別機「VARISORT(バリソート)」

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写真3 廃電線処理機「Sincro 530」

 

積極的提携で、新たなステージへ

 モリタ環境テックは2011年以降、S+S、グイデッティと国内の販売事業で提携を結んだ。その裏には、国内の解体業者などに対して新しいアプローチを提案したい思いと、事業を加速させたい思惑がある。

 同社の主力製品群の一つが、シュレッダプラント。自動車や家電、産業廃棄物などを破砕・選別し、資源を回収する大型機械で、同社が40年以上手がけている事業だ。破砕対象物には、鉄のほか、アルミなどの非鉄とさまざまな金属が使われている。非鉄金属の回収能力を上げて、事業の競争力を高めようと、同社は06年、イタリアのメーカーと環境部門における機器製造販売で提携を結んだ。「非鉄選別機」や「磁力選別機」の分野で欧州の有力メーカーであった同社との提携は、選別機とともにプラントを拡販するなど取り組みは奏功していた。

 だが、より競争力を高めようと考えて実施したのが、今回の提携だ。S+Sは非鉄とプラスチックを選別する機械において、グイデッティは廃電線回収において、ともに欧州の有力企業である。両社は日本への参入を希望しており、一方のモリタ環境テックは欧州の展示会で両社の機械を見つけ、機能面などで可能性を見出していた。同社はシュレッダプラントの選別能力を強化したい思惑があったため、双方の考えが一致し、共同展開に踏み切った。

 提携は、国内の顧客に、環境への新しいアプローチを提案できる強みもある。「シュレッダプラントと両社の機械をうまく生かして、非鉄およびプラスチック資源の回収率を高め、資源を国内で循環させる」–。これは、モリタ環境テックが見すえる理想像だ。

 これまでシュレッダプラントで破砕したプラスチックは、RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)という燃料にしてサーマル回収していた。もし、破砕物の中にポリ塩化ビニルが入っていた場合、RPF化すると塩素が発生するなど運営上の課題があった。そこで、プラスチックを資源化して回収すれば、循環型社会の発展に寄与できると考えた。

 非鉄金属にも同様のことが言える。これまで、非鉄金属の処理はアジアを中心とした他国で主に実施されてきた。だが、レアメタル(希少金属)をはじめとする問題が発生して輸出規制が強くなってきたことから、国内で処理できる体制を構築することが急務だった。提携による製品供給体制は、この要望に応える絶好の機会であり、今後の拡販に積極的だ。 リサイクルに寄与する機械と技術を主眼に開発に取り組んできたモリタ環境テックの目指す未来は、少資源国の日本だからこそ必要な「全ての資源を循環できるしくみづくり」。現在は家電から自動車、電車までのリサイクルを自社製品で対応できるまでになった。ゆくゆくは船舶や飛行機も視野に。設備の大型化と技術の確立に向け、日夜取り組んでいる。

技術支える人材を育成

 技術の確立や成長には、力強い人材の存在が欠かせない。モリタ環境テックはベテラン従業員から若手への技術・技能伝承を計画的に進めている。団塊世代が大量に退職し、技術的な空白が生まれてしまう「2007年問題」を、同社は危惧していた。

 同社は、品質マネジメント規格ISO9001にのっとって、組み立て・設計など各作業ポジションに定めた細やかな教育に取り組んでいる。その柱となっているのが、「力量認定」だ。各ポジションにおける従業員のスキルをポイント化している。その上で、従業員に改善点などを指摘する人材育成のPDCAサイクルを運営しているグループ全体で、毎月「カイゼン提案活動」も実施。同社発、グループ他社発問わず、改善に効果的な取り組みを絶えず製造現場に反映している。改善に寄与する取り組みの立案や実施は、業務の効率化につながるとの理由で業務時間内にも奨励している。従業員のレベルアップにもつながっている模様だ。

 新入社員研修もグループ全体で実施後、船橋市の工場で実務実習させている。配属の後、仲間とともにモノづくりの大切さを実感する「現場第一主義」で、高い意識が要求される環境機器づくりを担う次代の育成を図っている。

 「人と地球のいのちを守る」–。これは、モリタグループ共通のスローガンだ。モリタ環境テックは技術革新を絶えず続け、その成果である環境機器を通じて、地球のいのちを守り続けている。製品は中国や韓国などアジア諸国にも輸出され、全世界的に活躍している。地球のいのちを守る活動は、今後ますます範囲を広げていきそうだ。

 

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