ソリューション企業総覧 Web版
小松電機産業

小松電機産業

環境ソリューション企業編

広域クロスオーバー管理を実現
クラウド統合水管理システム“やくも水神”


小松電機産業

www.komatsuelec.co.jp


 

  情報通信技術の発展・普及は産業界から一般市民生活まで大きな影響を及ぼしてきており、上下水道に代表される水管理の分野も例外ではない。こうした動向にいち早く注目し、商品開発に注力したのが小松電機産業だ。同社ではクラウド・コンピューティングを上下水道施設などの遠隔監視・制御に取り入れ「クラウド統合水管理システム“やくも水神”」を開発した。2000年9月に発売以降、時代の要請に応じて進化を続け、上下水道、農業集落排水処理施設、簡易水道、農業用水、消・融雪施設、水門、排水機場、温泉泉源管理など全国305自治体、6600施設に導入されている(2013年7月現在)。地方財政危機や平成大合併を受けた効率化とシステム一元化に最適なシステムとして、納入実績を着実に広げている。最近では商品ラインナップに「放射線モニタリングシステム」を追加するなど、社会の要請にいち早く応えている。

 本システムは、高価な中央監視を設置することなく、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、携帯電話で計測・監視・制御ができる画期的なシステムである。NTTドコモのFOMA網を利用、24時間、365日、リアルタイム(最速3秒間隔で自動更新)で施設の状況を監視でき、警報を携帯電話メールでも受けることができる。

 自治体で予算計上が容易な定額料金で、労務負担と経費を劇的に削減する。専用線、公衆回線、CATV網などを使用している施設や、平成の大合併で混在したシステムを、通信機能付きの監視通報装置を設置することで、既存の設備を大幅に改修することなくクラウド管理に移行できる。組込みは2時間で完了、水管理業務を妨げない。

 いままで管理システムが導入できなかった自治体や水道管理組合、維持管理会社、集落、研究機関、研究者個人で、ポンプ1台から規模や用途に関係なく容易に導入でき、増設にも柔軟に対応ができる。システムはプログラミング言語に日本・松江発のオープンソースプログラミング言語として世界に広がるRubyを採用。近年、急速に利用が進んでいるクラウド・コンピューティングのさきがけとして2003年から松江市の同社と東京都内にメインサーバーを置き、東西2拠点にデータセンターを構え、万全の防災体制を整えた。

 

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図1 やくも水神ネットワーク

 

現場の情報を共有、場所を選ばず確実な施設管理

 2011年11月から発売した「やくも水神Gシリーズ」は、操作を行うプラットフォームにGoogle Mapsを採用、管理台帳、図面の閲覧などの新機能も追加して、現場で職員が管理情報や写真を直接書き込み情報共有化ができるようになった。 メンテナンスや緊急時にモバイル端末で管理画面を見て、施設の位置や運行履歴、解析データなどを現場で把握できることから、トラブル発生時でも複数の担当者・専門家が同じ画面を見ながら電話で協議し、短時間で原因究明と対策ができる。これらの特徴を活かし、最近、頻発する豪雨などで制御盤などの冠水に対しても3日で現状回復をしている。

 また、本シリーズによって広域クロスオーバー管理も容易になった。A市の水道課とB町下水道課、メーカーと維持管理会社、自治体と住民などが連携して管理することができる。社会インフラの老朽化や人口減少、財政難など直面する危機状況に対して、市町村の枠組みや企業の管理範囲を超えて合理的で有効性の高い管理形態が可能になった。一方、一つの自治体の中においてもクロスオーバー管理が可能になった。水道、下水道、ゲート、消雪など管轄を超えて協力し合う管理形態が生まれる。

 同社では、この“Gシリーズ”の概念をさらに発展させ、上下水道に限らず、地理情報に日常的に管理する情報を盛り込む「統合型プラットホーム」を構想している。これは、上下水道施設のほか、メーター、管路に加え、部署横断的に道路情報や高齢者独居世帯、広域避難場所・経路、危険箇所、防火水槽、食糧備蓄情報などを一つの地図上に表示するものだ。同社は、このような電子自治体のプラットフォームへとステージアップさせる構想の構築を進行させている。

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